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エレマテック Research Memo(8):自動車関連の売上規模が約500億円となり、成長ドライバーの主役に躍進

特集
2019年6月21日 15時08分

■中長期の成長戦略

2. 「自動車」への取り組み

(1) 自動車関連ビジネスの業容

自動車がエレマテック<2715>の次の“成長市場”と期待されてきていることは、説明の必要はないだろう。売上高のマーケット別内訳において、Automotiveという独立した項目が設定されていることからもそれは明らかだ。今回改めて「自動車」がフォーカスされた背景は、自動車関連売上高が着実に拡大する一方、スマートフォン関連売上高が縮小した結果、自動車関連売上高が明確に同社の柱に成長したことがあるとみられる。

同社の自動車関連売上高は2020年3月期で約500億円と試算されている。マーケット別内訳のAutomotiveの売上高(30,060百万円)に加えて、Digital ElectronicsやBroad Marketの中にも自動車関連業界向けの製品が多数含まれるためだ。Digital Electronicsにおいては、2020年3月期は液晶・TP・BLが自動車関連向けに大きく伸びる見通しとなっている。Broad Marketの中ではアフターマーケットと称されるサブセグメントの中身がドライブレコーダーやトラックのバックアイカメラなどの部材が中心となっている。これらを積み上げると同社の自動車関連売上高が500億円に達するということだ。

過去10年の同社の成長をけん引したスマートフォン関連売上高は、ピーク時には800億円~900億円に達したと推測されるが、足元ではピークの3分の1近い300億円程度にまで落ち込んだと弊社では推測している。主役が完全に入れ替わった形だ。

成長ドライバーとしての期待が高まる自動車関連ではあるが、現在の売上高は、同社が長年の間積み重ねてきた多数の商材で構成されている。同社は2012年に豊田通商のグループ入りしたため、そのシナジーの一環で、トヨタグループ向けの大口納入などを期待する向きも多いが、それらが実現するのはこれからとなる見通しだ。このことに関しては“シナジー効果発現の遅れ”と嘆く必要はなく、同社の強み(商材と取引先における多様性)が自動車業界向けにも発揮されていることを評価すべきと弊社では考えている。別な言い方をすれば、同社の自動車関連ビジネスは商材、付加価値の拡大、豊田通商グループとのシナジーなど様々な意味において、本格拡大期の入り口に立ったに過ぎないということだ。

(2) 自動車関連ビジネスの内容

同社の自動車関連ビジネスの今後の拡大戦略は、同社全体の成長戦略と重なる。すなわち、1)取扱商材・取引量の拡大と、2)高付加価値化、の2つの軸による業容拡大だ。

取扱商材・取引量の拡大について見ると、自動車業界のトレンドはしばしば“CASE”と称される。それぞれコネクティッド、自動運転、シェアリング、EV化の頭文字だ。これらの領域は、同社が電子材料商社から始まり長年、エレクトロニクス業界で事業を展開してきたことに照らすと、言わば“ホームグラウンド”と言うことができるだろう。

現時点で同社は自動運転やEV化、HMIといったそれぞれの領域において、車載カメラやセンサー類、ディスプレイ(部材)などを幅広く供給している。これらは、前述のように、同社が独自に商流を切り開いてきたものがほとんどで、豊田通商グループとのシナジーによるビジネス拡大はこの後に具体化してくる見通しだ。

高付加価値化という点では、前述のように、5つのベーシック機能を一段高いレベルで稼働させ、より加工度の高いものやモジュール製品を顧客に提供していくことになる。自動車業界は安全性への配慮などから保守的な面があり、同社が追求する加工品やモジュール品としての納入拡大には逆風ではないかと危惧する向きもあるだろう。この点については、同社が提供するのは構造部材やエンジン回りなどではなく、電装系や内装・外装系などが中心だ。これらについては自動車業界も家電・通信機器業界も違いはなく、同社の高付加価値化戦略を進めることはまったく問題とならないとみられる。

顧客側の情報管理が厳しく、情報開示も限定的でわかりにくい面があるのは事実だが、同社の自動車関連ビジネスは外部からイメージする以上に進捗していると推察される。自動車関連を軸に、同社が今後どういったスピードで成長を遂げるか注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《ST》

提供:フィスコ

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