明日の株式相場に向けて=メガテックに吹き始めたフォローウインド
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比202円高の6万3957円と反発。前日は欧州株市場が総じて強い動きを示し、ドイツの主要株価指数であるDAXは7月上旬以来約1カ月ぶりに史上最高値を更新し、初めて2万6000の大台ラインに乗せた。欧州株全体の動向を表すストックス・ヨーロッパ600指数も7月上旬の最高値に肉薄、終値はわずかに届かないものの誤差の範囲で、待望の青空圏まで水準を戻してきた。そして、米国でもNYダウが同じくほぼ1カ月ぶりの最高値更新となった。AIバブル崩壊懸念が世界共通のネガティブストーリーとなり、投資家マインドが冷え込んでいるかと思いきや、世界株市場を俯瞰すれば紛れもなくリスクオンの環境を映し出している。
米国ではハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も前日は2%超の上昇で戻り足を鮮明としている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3連騰となった。こうなると、東京市場もきょうは欧米に追随して強調展開が期待できると考えるのが普通。しかし朝方の225先物の値動きが不穏で、実際きょうは日経平均が朝方に高く始まったものの、その後は漸次下値を探る展開でマイナス圏に沈む形となった。来週末のオプションSQ算出をにらんだ駆け引きが水面下で繰り広げられているようにも見受けられる。
前場後半からは徐々に下値を切り上げ再びプラス圏に切り返したが、それでも6万4000円近辺で逡巡する煮え切らない値動きに終始した。今年は4月新年度入りから、日経平均は目を見張る躍進を遂げ、6月下旬に終値で7万2366円の最高値をつけたのは周知の通りだ。しかし、そこでタコ糸を出し切ってしまったような状態で、あとはひたすら下値を探る“別人級”の軟体チャートに変貌した。今は売り飽き気分が台頭してきてはいるが、まだ本格的にリバウンドに向かうイメージには乏しい。決算プレー期間中はテーマ買いの動きも見込みにくく、個別株のピンポイント勝負を除けば、しばらくは様子見の時間帯が続きそうである。「今夏は日経平均とNYダウの差(6万3957・5万3178)が縮小するプロセスに入った」(ネット証券ストラテジスト)という声も聞こえてくる。
米国株の戻りはGAFAMの復活、今ふうに言えばハイパースケーラーに対する評価軸が変わった(風潮が変わった)ことが株高の源泉となっている。これまでハイパースケーラーの業績は良くて当たり前で買いの根拠とはならず、高収益を確保した返す刀で設備投資を増強する、ということに投資マネーが拒絶反応をみせるという流れとなっていた。エヌビディア<NVDA>のラウンドトリップ(循環取引)など、これまで見えていた事象が改めて売り仕掛けのネタにされるあたり、ショートセラーの描くストーリーに乗せられた要素も大きかったと思われる。
しかし、マイクロソフト<MSFT>が市場予想を上回る好決算を発表し、しかも設備投資に関しては従前予想を増額せずに“据え置き”としたことが好感され、久々に打ち上げ花火のような株高を演じた。市場では「このマイクロソフトのクールなフォーキャストが売り方に手仕舞いを促した」(中堅証券ストラテジスト)という解釈がもっぱらである。ただし、同社の場合、メガキャップとしての存在感を有するだけでなく、投資効率の高さとフリーキャッシュフローの盤石ぶりがあってこそ、というべき部分もある。「日本にマイクロソフトに該当する銘柄はなく、結果として米国株に資金を向かわせる契機となるかもしれない」(同)という見方も示されていた。これは日本株にとってはあまり嬉しい話ではない。
個別株に視線を向けると、直近の東京市場で目につくのは「半導体商社株」に資金が誘引されていることだ。既にトーメンデバイス<2737>が大相場の様相を呈していることが影響しているが、きょうはメーカー機能を有し技術商社を標榜するダイトロン<7609>が増額修正及び増配・自社株買いなどの株主還元策を評価され、一時ストップ高に買われる人気となった。このほかにも半導体商社に位置付けられる銘柄群に勢いがある。今は決算発表が近いため、実際の投資のタイミングに関しては工夫が必要となる。だが、PERやPBRなどバリュー株の宝庫でもあり目を配っておいて損はない。AKIBAホールディングス<6840>、立花エレテック<8159>、東京エレクトロン デバイス<2760>、マクニカホールディングス<3132>、レスター<3156>などが挙げられる。また、穴株では栄電子<7567>なども短期的に妙味が生じる可能性はありそうだ。
あすのスケジュールでは、6月の毎月勤労統計、日銀金融政策決定会合の議事要旨(6月15~16日開催分)、8月の日銀当座預金増減見込みなど。主要企業の決算発表では資生堂<4911>、太陽誘電<6976>、IHI<7013>、ホンダ<7267>、日本郵船<9101>などに注目度が高い。海外では、7月のレーテイングドッグ中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、インド準備銀行(中銀)やブラジル中銀の政策金利発表、4~6月期インドネシア国内総生産(GDP)のほか、米国では7月のADP全米雇用リポートや7月の米サプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数が注目されている。なお、この日はクックFRB理事の講演が予定されており、その発言内容に耳目が集まる。個別企業にサンディスク<SNDK>の決算発表にマーケットの関心が高い。(銀)
株探ニュース