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AI需要が追い風、設備投資拡大で「機械」関連株に台頭する再評価の潮流 <株探トップ特集>

特集
2026年8月4日 19時30分

―工作機械関連など高水準の受注が続く、M&Aによる業界再編機運も膨らむ―

株式市場では、足もとで人工知能(AI)・半導体関連株が波乱状態にある。しかし、実体経済では世界的な生成AIブームを背景にしたデータセンターなどへの投資増が景気拡大につながっているとの見方は強い。このAI関連需要に後押しされる格好で設備投資拡大の流れが高まり、機械関連への追い風は強まっている。日本は機械産業で高実績を誇っており、外国人投資家を中心に機械関連株を物色する動きはこれから本格化するとみられている。

●AI関連需要膨らみGDP押し上げ見通しも

設備投資拡大に向けた動きが活発化している。日銀が7月1日に発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、2026年度の設備投資計画は全規模・全産業で前年度比6.8%増の見通しとなった。また、内閣府が同月15日に発表した5月の機械受注統計では、受注残高が前月比2%増の50兆8140億円と初の50兆円台に乗せた。

AI関連需要が押し上げる形で半導体やインフラ関連の需要増が設備投資を拡大させている格好だ。今月17日には4~6月期の国内総生産(GDP)速報値が発表されるが、設備投資の伸びなどが寄与し、実質の前期比年率で2.3%増と1~3月期の1.8%増から拡大するとの観測も出ている。

●工作機械需要が拡大、6月受注額は過去最高に膨らむ

この機械需要拡大の波は「機械を作る機械(マザーマシン)」と呼ばれる 工作機械受注で鮮明だ。日本工作機械工業会が発表した6月の工作機械受注額は前年同月比53%増の2033億円と12カ月連続でプラスを記録した。4月の45%増、5月の38%増に続く大幅な伸びが続いている。内需と外需がともに堅調で、6月は単月では3月の1934億円を上回り過去最高となった。半導体やデータセンター、宇宙関連など幅広い分野の需要が拡大したとみられている。工作機械は、好況期と不況期の波が大きい業界だが、現在は好況期に入っており、高水準の受注拡大はなお続くとみられている。

●「フィジカルAI」背景に業界再編観測も台頭

足もとで株式市場では、機械や ロボットを自律的に動かす「 フィジカルAI」が注目されており、ファナック <6954> [東証P]や安川電機 <6506> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]などが関連銘柄として注目されているが、フィジカルAIのベースとなるロボットなどの製造には、FA関連の制御機器や減速機のほか工作機械やベアリング(軸受け)など幅広い分野が必要とされるだけに需要拡大の裾野は広い。

また、機械業界を巡っては業界再編に向けた動きも出ている。ニデック <6594> [東証P]は25年に牧野フライス製作所 <6135> [東証P]に対してTOBによる同意なき買収を仕掛けた。その後、ニデックはTOBを取り下げ、アジア系ファンドのMBKパートナーズに続き日本産業推進機構(NSSK)が買収提案を行うなど騒動が続いたが、牧野フはNSSKの提案に応じないことを表明し単独での成長を目指す姿勢を示している。今後の動向にはなお不透明感は残るが、牧野フに対する買収の動きは工作機械業界に大きな波紋を呼んだ。また、ベアリング業界では、最大手の日本精工 <6471> [東証P]とNTN <6472> [東証P]が27年10月をメドに共同持ち株会社を設立し、経営統合することを発表している。機械分野は日本が高い競争力を持つ分野だが、フィジカルAIの台頭とともに、今後、業界の再編の動きが強まることも予想されるだけに、その動向からは目が離せない。以下では、今後の活躍が期待される有望株5社を取り上げたい。

●ミスミG、ブラザー、アマダなどに活躍余地

◎ミスミグループ本社 <9962> [東証P]~金型用部品の専門商社でネット・カタログ販売が強み。7月31日に27年3月期業績予想の増額修正を発表し、連結営業利益を従来予想の550億円から670億円(前期比40.7%増)に引き上げた。データセンター及び半導体関連投資を背景にした需要拡大が追い風に吹く。今期配当予想も従来予想から6円47銭増やし年59円45銭(前期は52円98銭)に増配を発表。ヒューマノイドロボット産業などの関連部品の需要拡大を見据え、46億円の増産投資も決定している。

◎ジェイテクト <6473> [東証P]~トヨタ自動車 <7203> [東証P]が大株主。ベアリング大手で工作機械にも強み。第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比68.6%増の228億1100万円と堅調。日本や北米、アジアなどで自動車事業などが拡大。ベアリング業界の再編に向けた動きにも注目。株価は連結PBR0.8倍台、配当利回り約3.3%と割安感が強い。

◎ナブテスコ <6268> [東証P]~産業ロボット用精密減速機の大手。7月31日に26年12月期業績予想の上方修正を発表。連結営業利益を従来予想の277億円から326億円(前期比57.3%増)に上方修正し5期ぶりに最高益更新の見込み。自動ドアが堅調なほか、精密減速機が産業用ロボット向けなどに好調。新造船向けに舶用機器も伸びている。

◎ブラザー工業 <6448> [東証P]~プリンターなどデジタル複合機が主軸だが、工作機械でも実績を持ちデータセンター向けの需要拡大が期待されている。27年3月期の連結純利益は前期比6.5%増の720億円と最高益の見通しだが、市場には800億円前後への増額修正期待も出ている。

◎アマダ <6113> [東証P]~金属加工機械の大手。25年に半導体基板加工機を製造するビアメカニクス(神奈川県厚木市)を買収し、半導体関連銘柄としても注目されている。27年3月期の連結営業利益は前期比7.1%増の480億円の見通しだが、市場には業績の上振れ期待もある。

株探ニュース

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