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安田倉庫 Research Memo(1):新中期経営計画を策定、2025年3月期に営業利益40億円を目指す

特集
2022年6月22日 15時21分

■要約

安田倉庫<9324>は、保管、流通加工、輸配送などの物流サービスを展開する総合物流企業であり、メディカル物流やITキッティング※など顧客や商品特性に合わせてカスタマイズしたソリューションサービスにおいて競争力を持つ。また、物流拠点や所有不動産が東京や横浜を中心とする好立地にあることが強みで、首都圏や関西圏を中心に日本全国、そして中国・ASEANを中心に世界各国へネットワークを展開している。2022年3月期における事業別営業収益構成比は、物流事業87.4%、不動産事業12.6%であり、物流事業は成長事業、不動産事業は安定収益事業という位置付けになっている。

※一般に「キッティング」とはPC導入時に実施するセットアップ作業を指すが、同社ITキッティングの場合、同社の倉庫で機械のボディに回路基板を組み込むなど高度な作業もしており、より作業範囲の広いセットアップメーカーに近い概念だと思われる。

1. 新中期経営計画

同社は、更なる成長に向けた事業体制の構築を目指すべく、2030年のあるべき姿を描いた「長期ビジョン2030」を策定し、また、「長期ビジョン2030」を実現するための中間目標として、中期経営計画を策定している。2022年3月期に終了した中期経営計画「YASDA Next 100」では、物流事業において付加価値の高いサービスや事業基盤の強化を図った。業績目標については未達となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)による影響と成長投資を早めたことが要因であり、「長期ビジョン2030」に向けた足取りは順調だったと弊社では評価している。一方、2022年2月に、2025年3月期を最終年度とする新中期経営計画「変わらず、変える。YASDA Next Challenge 2024」を策定した。AIなどの最新技術やライフスタイルの変化に伴う顧客ニーズに柔軟に対応できる、付加価値の高いサービスを持続的に提供していく方針である。業績目標としては、2025年3月期に営業収益650億円、営業利益40億円を目指すほか、投資は規律ある財務運営により、3年間で360億円を予定している。

2. 業績動向

2022年3月期の連結業績は、営業収益53,040百万円(前期比11.2%増)、営業利益2,910百万円(同11.5%減)となった。前期に新設した「東雲営業所 辰巳倉庫(東京メディカルロジスティクスセンターII)」が期を通して寄与したことに加え、南信貨物自動車(株)の子会社化などにより増収となったものの、物流施設の新設に伴う各種営業原価や販売費の増加などにより、各利益は減益となった。2023年3月期の連結業績見通しについては、営業収益58,000百万円(前期比9.3%増)、営業利益2,750百万円(同5.5%減)を見込んでいる。ソリューションの強化とネットワークの拡充によって増収を予想しているものの、物流施設の新設や事業基盤の強化を推進することから、減益となる見通しだ。ただし、これまでの先行投資が実りを迎えつつあることから、下期は増益予想となっている。また、コスト構造改革も並行して実施しているため、通期で増益を確保できる可能性もあると弊社では見ている。

3. 配当方針

同社は今後の事業展開に備えるため適正な利益配分を行うことを基本方針とし、剰余金の配当については利益水準等を勘案し安定的な配当を維持していきたいと考えている。また、内部留保資金については、同社を取り巻く状況の変化に柔軟に対応すべく、物流施設及び不動産施設の整備・拡充及び情報システムの開発等、事業基盤の強化の原資として有効に活用するとともに、借入金の返済にも充当し、中長期的な業績の安定と向上による企業価値の増大を図ることで、株主の期待に応えることができるよう努めている。2022年3月期の配当は前期比1.0円増配の1株当たり年間25.0円を実施し、2023年3月期も前期と同額の年間25.0円を予定している。

■Key Points

・首都圏・関西圏を中心とした好立地の物流拠点とソリューションサービスが強み

・2022年3月期は両事業が順調に推移し増収となるも、物流施設新設などの先行投資により減益

・2023年3月期は少なくとも下期からは増益に転じる見込み

・新中期経営計画を策定、2025年3月期に営業収益650億円、営業利益40億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《YM》

提供:フィスコ

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