今週の【早わかり株式市況】27年ぶり高値奪還、外国人買いと急速な円安がリスクオン加速

市況
2018年9月29日 6時40分

今週の株式市場は、海外勢による先物主導の買いと急速な円安が上昇相場を牽引し、日経平均株価は27年ぶりの高値を奪還した。

3連休明けの25日は寄り付きこそ利益確定売りに押され安く始まったものの、売り一巡後は為替の円安進行を追い風に切り返しプラス圏に浮上。最終日である3、9月決算企業の配当権利取りを狙った買いもあって大引けにかけて一段高となり、日経平均は7日続伸した。

翌26日は9月配当落ちもあって前場はマイナス圏でもみ合う展開だったが、後場に入ると円安進行が追い風になったほか、海外ヘッジファンドなどによる先物買いも入りプラス圏に浮上、その後も次第高となり日経平均は高値引けで約8ヵ月ぶりに2万4000円の大台を回復し、8日続伸した。8日間の上げ幅は1429円に達した。27日は短期的な過熱感から朝方は利益確定売り圧力が強まり安く始まったものの、下値に押し目買いが入り前場中頃にはプラス圏に浮上。ただ、後場に入ると主力株中心に再び利益確定売りが膨らみ日経平均は9日ぶりに大幅下落した。

週末の28日は米株反発と急速な円安進行を受けリスクオン相場が加速する展開となった。寄り付きから大きく買い先行となり、海外ヘッジファンドとみられる先物買いが上げ足を助長。日経平均は一時500円近く上昇し年初来高値を更新、一気に26年10ヵ月ぶりの高値を付けた。後場中頃からやや伸び悩んだものの、300円を超える上昇で着地した。

日経平均株価は、前週比250円(1.05%)高の2万4120円と3週続伸して取引を終えた。週間の値幅は

508円と、前週の932円から大幅に縮小した。

海外投資家は前週に現物と先物の合算で1.3兆円超と巨額に買い越しており、先物中心に海外勢の買い意欲が強いことから来週も上値を試す展開が期待される。上げ足が速いだけにスピード調整する場面も想定されるが、下値は限定的とみられる。

重要イベントとしては、国内では10月1日朝に発表される9月日銀短観や5日発表の8月景気動向指数が注目される。海外では2日に行われるパウエルFRB議長の講演や5日に発表される米国の8月貿易収支と9月雇用統計に注視が必要だろう。なお、中国は国慶節で10月1日から7日まで7連休となる。

◆マーケット・トレンド(9月25日~28日)

【↑】   9月25日(火)―― 7日続伸、円安を追い風に2万4000円大台が目前

日経平均 23940.26(  +70.33)  売買高18億3554万株 売買代金 3兆3881億円

【↑】   9月26日(水)―― 8日続伸、朝安後に切り返し2万4000円大台を回復

日経平均 24033.79(  +93.53)  売買高14億8930万株 売買代金 2兆9670億円

【↓】   9月27日(木)―― 9日ぶり急反落、主力株中心に利益確定売り強まる

日経平均 23796.74( -237.05)  売買高13億9056万株 売買代金 2兆8110億円

【↑】   9月28日(金)―― 急反発、一時500円近い上昇をみせ約27年ぶりの高値圏

日経平均 24120.04( +323.30)  売買高15億5726万株 売買代金 3兆1929億円

◆セクター・トレンド(9月25日~28日)

(1)日水 <1332> など水産・農林業が業種別上昇率トップ

(2)三菱ケミHD <4188> など化学、塩野義など医薬品株は大幅続伸

(3)リクルート <6098> サービス、ソフトバンク <9984> など情報・通信といった内需株が買われた

(4)輸出株はオリンパス <7733> など精密、ソニー <6758> など電機株が堅調も

日産自 <7201> など自動車株はさえない

(5)前週買われた住友鉱 <5713> など非鉄、郵船 <9101> など海運、コマツ <6301> など機械といった景気敏感株は軟調

(6)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券といった金融株は総じて低調

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