今週の【早わかり株式市況】 2万4000円台回復、米中協議の合意観測で急動意

市況
2019年12月14日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週連続上昇、週間での上げ幅も週末13日の急騰が利き大幅高

2.週初は米国雇用統計を受けた景気減速懸念の後退から高く始まるも上値は限定的

3.FOMC、ECB理事会、英国総選挙など重要日程続き木曜日まで様子見ムード

4.対中制裁関税引き上げ期限が15日に迫り、米中交渉に対する不透明感も重荷に

5.週末は米中協議の合意観測と英国選挙での与党大勝を受け先物主導でリスクオン

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比668円(2.86%)高の2万4023円と大幅に3週続伸した。

今週は重要イベントが目白押しで、それらを見極めるまでは売りも買いもポジションを一方向に傾けづらい展開だったが、週末は米中協議が合意に至るとの見通しや英国総選挙で保守党が大差で勝利したことなどを受け、リスクオン相場に拍車がかかった。

週明けの9日(月)は、前週末に発表された11月の米雇用統計が市場予想を上回る内容で米景気減速への警戒感が後退、前週末の米株大幅高に追随する形で買いが優勢だった。ただ、米中協議に対する不透明感がくすぶるなか上値は押さえられる格好となった。FOMCやECB理事会、英国総選挙などの結果を前に10日(火)、11日(水)ともに模様眺めムードを強いられ、日経平均は連日で小幅ながらマイナスとなった。もっとも12日(木)は、見極め要因の一つだったFOMCが無事通過したことが市場心理を改善させた。パウエルFRB議長の記者会見などを受けて米国の低金利環境が継続するとの見方が強まり、やや安心感が広がったことから日経平均は小幅反発に転じた。そしてメジャーSQ算出日となった週末の13日(金)は満を持してリスク選好ムード一色に。日経平均は一時先物主導で600円超の上昇をみせ、大引けも598円高と今年最大の上げ幅で着地。2万4000円台を回復し年初来高値を更新。昨年10月3日以来の高値水準となった。「米中協議が合意に至り15日の対中関税引き上げが見送られる」との観測が強まったことと、英国総選挙で保守党の大勝が伝わったことが好感された。

■来週のポイント

今週末に壁となっていた2万3500円台を突破したうえ、昨夜には米中貿易協議で第1段階の合意に達したと報じられたことを受け、来週はさらに一段高となり年末にかけて昨年10月2日の高値2万4448円を目指す展開が期待される。

重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される11月貿易統計や18日-19日に開催される日銀金融政策決定会合、20日朝に発表される11月全国消費者物価指数が注目される。海外では16日に発表される中国11月の鉱工業生産と小売売上高や、17日発表の米国11月鉱工業生産、19日に発表される米国7-9月経常収支と米国11月景気先行総合指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月9日~12月13日)

【↑】  12月 9日(月)―― 3日続伸、米株大幅高でリスク選好の買い継続

日経平均 23430.70(  +76.30)  売買高10億8518万株 売買代金 1兆8170億円

【↓】  12月10日(火)―― 4日ぶり反落、米株安受け利益確定売りを誘発

日経平均 23410.19(  -20.51)  売買高10億4711万株 売買代金 1兆9042億円

【↓】  12月11日(水)―― 続落、重要イベントを控え様子見ムード

日経平均 23391.86(  -18.33)  売買高11億5170万株 売買代金 1兆9215億円

【↑】  12月12日(木)―― 3日ぶり反発、円高などを受け上値は重い

日経平均 23424.81(  +32.95)  売買高11億4442万株 売買代金 1兆9935億円

【↑】  12月13日(金)―― 大幅続伸、米中協議が大筋合意で2万4000円を回復

日経平均 24023.10( +598.29)  売買高19億3574万株 売買代金 3兆4415億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、30業種が上昇

(2)住友鉱 <5713> など非鉄、神戸鋼 <5406> など鉄鋼、日立建機 <6305> など機械といった景気敏感株が大きく買われた

(3)石油資源 <1662> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は大幅高

(4)ソニー <6758> など電機、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株も堅調

(5)金融株は第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、クレセゾン <8253> などその他金融が上昇も

野村 <8604> など証券株はさえない

(6)ヤマトHD <9064> など陸運、セブン&アイ <3382> など小売り、JT <2914> など食品といった内需株は総じて動き鈍い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(4) 国土強靱化 ── 政府の本気の経済対策で投資マネー呼び込む 

2(1) 5G ────── 5G普及で開花する「遠隔医療」、先端医療の未来図と変身期待の有望株

3(2) 人工知能(AI)

4(8) 全固体電池 ── 太陽誘電は20年度中にサンプル出荷へ

5(13) 電線地中化

※カッコは前週の順位

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