今週の【早わかり株式市況】小反発、様子見姿勢から2万9000円挟むもみ合い続く

市況
2021年6月12日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週ぶりに小幅上昇、2万9000円が抵抗線も下値は底堅い

2.週明けは米雇用統計を好感し堅調発進も、上値では売りに押され伸び悩む

3.TOPIXは8日まで6連騰、景気敏感株などへの物色意欲強い展開が続く

4.10日発表の5月の米消費者物価指数を確かめたいとの姿勢から様子見に

5.週末も来週のFOMCを視野に、依然として売買は手控えられもみ合い継続

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比7円(0.02%)高の2万8948円で終わり、2週ぶりに小幅上昇した。10日に発表される米5月消費者物価指数(CPI)への注目度が高く、様子見姿勢が続くなか、日経平均は引き続き2万9000円を上値抵抗線とする往来相場が続いた。週末には米5月CPIは通過したものの、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)が意識され、なお積極的な売買は手控えられた。

週明けの7日(月)は日経平均が一時300円近く上昇となる場面があったが、買い一巡後は伸び悩んだ。前週末の米5月雇用統計がコンセンサスを下回り、米長期金利が低下するなか、米国の緩和的な金融政策は長期化すると観測が強まったことが追い風となった。ただ、買い一巡後は伸び悩み77円高で取引を終えた。8日(火)は日経平均が55円安と冴えない展開で反落した。新型コロナワクチンの接種拡大が評価され、景気敏感株などは底堅く推移し、TOPIXは6日続伸した。ただ、値がさ株や半導体株などハイテク関連が軟調な値動きとなった。9日(水)は日経平均が102円安と続落。引き続き半導体関連などへの売りが目立ち上値が重い展開となった。10日(木)は日経平均が97円高と3日ぶりに反発。新型コロナワクチンの接種拡大による経済活動正常化に向けた期待が相場を下支えした。ただ、日本時間のこの日の夜に発表される米5月CPIの結果待ちで引き続き積極的な売買は手控えられた。週末11日(金)は米5月CPIは通過したが、依然として様子見姿勢が続いた。米CPIは市場予想を上回る物価上昇となったが、米金融政策に変化はないとの見方から米長期金利は低下しNYダウは上昇した。これを受け、日経平均も値を上げてスタートしたが、上値では売りに押された。来週15日-16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されていることから、その結果を確かめたいとの姿勢が強く、結局、日経平均は9円安と小反落で取引を終えた。

■来週のポイント

FOMCを控えているうえ、手掛かりにも乏しいことから、来週も2万9000円近辺の狭いレンジでもみ合う展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される5月貿易統計と4月機械受注統計や17日-18日に開催される日銀金融政策決定会合、18日朝に発表される5月全国消費者物価指数が注目される。海外では15日-16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や15日に発表される米国5月の小売売上高と鉱工業生産、16日に発表される中国5月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月7日~6月11日)

【↑】   6月 7日(月)―― 反発、米株高を受けリスク選好の買いが優勢

日経平均 29019.24(  +77.72)  売買高 9億4592万株 売買代金 2兆1910億円

【↓】   6月 8日(火)―― 反落、朝高も値がさ株や半導体関連が売られる

日経平均 28963.56(  -55.68)  売買高 9億2866万株 売買代金 2兆1864億円

【↓】   6月 9日(水)―― 続落、主力株中心にリスク回避の売りが優勢

日経平均 28860.80( -102.76)  売買高 9億9445万株 売買代金 2兆3029億円

【↑】   6月10日(木)―― 3日ぶり反発、ワクチン普及を好感し買い優勢

日経平均 28958.56(  +97.76)  売買高10億2805万株 売買代金 2兆4042億円

【↓】   6月11日(金)―― 小反落、様子見姿勢で方向感に欠ける展開

日経平均 28948.73(  -9.83)  売買高12億2115万株 売買代金 2兆9082億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、15業種が上昇

(2)郵船 <9101> など海運業が値上がり率トップ、ANAHD <9202> など空運、SGHD <9143> など陸運も高い

(3)エーザイ <4523> 、大日本住友 <4506> など医薬品は大幅高

(4)菱地所 <8802> など不動産、楽天グループ <4755> などサービス、ヤクルト <2267> など食品といった内需株は総じて堅調

(5)コマツ <6301> など機械、日産自 <7201> など自動車、レーザーテク <6920> など電機といった輸出株は安い

(6)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険、野村 <8604> など証券といった金融株は売られた

(7)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、住友電 <5802> など非鉄といった素材株も軟調

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(2) 半導体

2(3) 半導体製造装置

3(16) ポストコロナ ── 国内でのワクチン接種進捗で米国株を追走

4(1) デジタルトランスフォーメーション

5(4) 旅行 ────── ワクチン接種進展による需要回復を期待

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.