田部井美彦氏【どこまで続く超強気相場、日経平均の上値診断】(3) <相場観特集>

特集
2018年1月9日 20時00分

―利益確定売り圧力を吸収、大相場の匂い漂う日本株―

東京株式市場は年が明けてからも強力な上昇波を形成している。大発会に日経平均株価は741円高の急騰をみせたが、その後は利益確定売りも観測されるなか、買い向かう動きがそれ以上に強い典型的なブル相場が繰り広げられている。市場第一線で活躍する業界関係者の目に今の相場はどう映っているのか。そして今後の見通しは。また、リスクオン相場の鍵を握る為替相場の動向についても専門家に意見を求めた。

●「自動運転車や電気自動車関連に物色の矛先」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

韓国と北朝鮮が、およそ2年ぶりの南北会談に臨み、平昌オリンピックへの北朝鮮の参加などについて議論を交わしていることで、期間限定ながら地政学リスクがやわらいでいる。また、米国経済は、法人減税の実現などにより、企業業績好調見通しの見方が強まっているのに加え、今年の米長期金利の上昇は株式市場にとって歓迎すべきシナリオで推移しそうだ。

日経平均は、年初からの3日続伸で早くも1000円を超える急上昇となっていることから、今後春先に掛けて一定期間の調整を強いられる懸念もありそうだ。ただ、その調整局面までに、株価水準自体がかなり上昇している可能性もあり、下押す場面でも2万3000円水準を堅持するといった展開となりそうだ。

当面は、市場エネルギーも高水準で推移するものと想定され、主力大型株の回転も効く地合いが続きそうだ。物色テーマとしては、AI(人工知能)IoT(モノのインターネット)といった高度な技術と、それを応用し具体化する自動運転車 EV(電気自動車)関連の銘柄に注目が集まりそうだ。

EV関連の主要銘柄として注目したいのがデンソー <6902> だ。同社はトヨタ自動車 <7203> 系で国内最大手の自動車部品メーカー。トヨタは、1月9日から12日まで米国ラスベガスで開催している世界最大の家電見本市「CES 2018」で、モビリティサービス専用の次世代電気自動車「e-パレット コンセプト」を初公開している。また、トヨタはパナソニック <6752> と車載用角形リチウムイオン電池事業について、協業の可能性を検討することに合意するなど、電気自動車シフトを強めている。それを総合的に支えるのがデンソーだ。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)

内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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