今週の【早わかり株式市況】 激震・9年ぶり1900円安、米国発の世界株安が連鎖
今週の株式市場は、米株市場の急落による世界同時株安で日経平均株価は1900円近く急落し、9年4ヵ月ぶりの下げ幅を記録した。
週初の5日は、前週末に好調な米雇用統計を背景とした長期金利の急上昇が嫌気され米株市場が急落。これを受けて朝方から大きく売り優勢となり、日経平均は大幅に続落した。
翌6日も前日のNYダウが史上最大の下げ幅を記録するなど米株市場の連日の急落を受け、欧州市場をはじめ世界同時株安となったことからリスク回避の売りが殺到、日経平均の下げ幅は一時1600円を超える場面もあった。引けにかけて買い戻されたものの1000円を超える大幅安となり3日続落した。3日間の下げ幅は1800円を超えた。VIX指数(恐怖指数)の急騰で海外ヘッジファンドとみられるアルゴリズムを使った自動取引によるトレンドフォローの売りが下げ幅を加速したようだ。7日は前日の米株市場が急反発したことを受けて買い優勢となり4日ぶりに反発した。朝方は一時740円を超える上昇となったが、後場は先物主導の売りで伸び悩んだ。8日は前日の米株市場が不安定な動きだったものの、為替の円安基調を追い風に大幅続伸した。
週末の9日は米長期金利の上昇が警戒され前日のNYダウが史上2番目の下げ幅となる急落を演じ再び世界株安の連鎖となったことを受けてリスク回避の売りが膨らみ大幅に反落した。
日経平均株価は、前週比1891円(8.13%)安の2万1382円と大幅に3週続落して取引を終えた。週間ベースの下げ幅としては2008年10月2週以来、9年4ヵ月ぶりの大きさとなった。週間の値幅は1888円と、前週の694円から急拡大した。
来週も米株市場に連鎖する展開になるとみられ、先行き不透明感が強い。ただ、9日は日経平均が2万1100円付近で底堅かったことは意識されそうだ。
重要イベントとしては、国内では14日朝に発表される17年10-12月期GDPや15日朝に発表される12月機械受注が注目される。海外では12日に発表される米国19年度予算教書やトランプ米大統領によるインフラ投資計画のほか、14日発表の米国1月消費者物価指数に注視が必要だろう。なお、中国は15日から21日までは春節休暇となる。
◆マーケット・トレンド(2月 5日~9日)
【↓】 2月 5日(月)―― 急落・一時600円超安、米株急落受け売り殺到
日経平均 22682.08( -592.45) 売買高18億8189万株 売買代金 3兆5671億円
【↓】 2月 6日(火)―― 急落・一時1600円安、米株急落でリスク回避の売り加速
日経平均 21610.24( -1071.84) 売買高31億5571万株 売買代金 5兆6483億円
【↑】 2月 7日(水)―― 4日ぶり反発、一時743円高も後場急速に伸び悩む
日経平均 21645.37( +35.13) 売買高23億3629万株 売買代金 4兆5260億円
【↑】 2月 8日(木)―― 大幅続伸、円安が追い風で自動車株や機械株に買い
日経平均 21890.86( +245.49) 売買高18億2042万株 売買代金 3兆5495億円
【↓】 2月 9日(金)―― 急落・一時770円超安、米国発で再び世界株安連鎖
日経平均 21382.62( -508.24) 売買高21億3748万株 売買代金 4兆0017億円
◆セクター・トレンド(2月5日~9日)
(1)全33業種が大幅安
(2)住友電 <5802> など非鉄、国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油といった資源関連株が急落
(3)商船三井 <9104> 、郵船 <9101> など海運株は下げ加速
(4)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も売られた
(5)三井不 <8801> など不動産、三菱倉 <9301> など倉庫をはじめ内需株も大幅安
(6)コマツ <6301> など機械、ソニー <6758> 電機など輸出株も軟調
(7)好決算銘柄の一角は買い人気
株探ニュース