パワー半導体がランキング首位、EV向けなど背景に市場拡大加速へ<注目テーマ>
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10 量子コンピューター
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が1位となっている。
世界的な景況感の回復を背景に企業の設備投資意欲が拡大しているが、それにつれて省エネルギー技術に対するニーズも高まっている。これが、電気エネルギーの変換や制御に使われるパワー半導体の需要喚起につながっている。また、世界的な自動車の環境規制の高まりを受けて電気自動車(EV)の普及が加速する方向にあり、ここでもモーター制御に必須となるパワー半導体の需要が大きく拡大することが見込まれている。
早晩、パワー半導体の市場規模は3兆円を超えてくる見通しだが、中長期的にも成長トレンドが継続することは必至とみられ、同分野では日本企業が高い技術力とシェアを有することから、株式市場でも有望テーマとして光が当たり始めた。
パワー半導体を形成する材料で主流となっているのはシリコンウエハーを使用したものだが、シリコンウエハーの超薄化プロセスにおいて電圧の負荷で壊れてしまうなどの開発面での限界も表面化している。そこで、最近ではシリコンよりも耐圧、高速・高温動作などで優位性を持つ炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を使用した次世代パワー半導体の実用化が進んでいる。特に、鉄道車両用インバーター装置向けなどをはじめ耐圧1キロボルトを上回る高耐圧用途ではSiC型の需要が喚起されるほか、家電など比較的低圧の製品分野にはGaN型が普及していく公算が大きいとみられている。
関連企業としては、重電大手の富士電機<6504>や三菱電機<6503>は世界でもパワー半導体分野屈指の存在だ。東京エレクトロン<8035>やディスコ<6146>、ニューフレアテクノロジー<6256>などの製造装置メーカーや、デンソー<6902>などの自動車部品メーカー、さらに昭和電工<4004>、太平洋セメント<5233>、東洋炭素<5310>などの素材メーカーも同分野でビジネスチャンスが膨らんでいく。このほかでは、サンケン電気<6707>や三社電機製作所<6882>、タムラ製作所<6768>、ローム<6963>、オリジン電気<6513>、芝浦メカトロニクス<6590>なども注目される。
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)