今週の【早わかり株式市況】 週末3日間の下げ幅が1200円超える大波乱、米株安と円高に揺れる

市況
2018年3月3日 6時40分

今週の株式市場は、米株安と円高に翻弄され日経平均株価は週末にかけた3日間の下げ幅が1200円を超え、再び大波乱となった。

週初の2月26日は前週末にNYダウなど主要3指数が揃って上昇したことを受け、大きく買い先行となり日経平均は大幅続伸し、2万2000円台を回復した。

翌27日は前日に大幅高となった米株高に追随する形で終始買い優勢の展開。先物主導の裁定買いで日経平均は一時350円高と2万2500円台に乗せる場面もあったものの、その後は27日(現地時間)にパウエルFRB議長の議会証言を控え伸び悩んだ。28日は前日のパウエルFRB議長の議会証言で利上げ加速の可能性が示唆されて米株が大幅安となったことを受け、4日ぶりに急反落した。中国PMIの低下でアジア株が売られたことも下げを加速させた。3月1日は前日に米株が大幅続落したことに加え、為替市場で円高方向に振れたことが嫌気され、主力株が総崩れとなり大幅続落した。米金利上昇や中国景気への警戒感も重しとなった。

週末の2日は中国との貿易摩擦激化が懸念され前日の米株が大幅に3日続落したことに加え、急速に円高が進んだことが嫌気され、リスク回避の売りが加速。日経平均は大幅に3日続落し、3日間の下げ幅は1200円を超えた。

日経平均株価は、前週比711円(3.25%)安の2万1181円と3週ぶりに急反落して取引を終えた。週間の値幅は1413円と前週の526円から急拡大し、2月第2週の急落時に記録した1888円に迫る大きな振れとなった。

来週は2月14日の安値2万0950円を巡る攻防となりそうだ。2万0950円を割れると、再び波乱相場になる可能性がある。9日に控えるメジャーSQも波乱要因だ。

重要イベントとしては、国内では8日-9日に開催される日銀金融政策決定会合のほか、7日発表の1月景気動向指数や8日朝に発表される1月国際収支が注目される。海外では8日開催のECB理事会や同日発表される中国2月貿易収支のほか、9日に発表される米国2月雇用統計に注視が必要だろう。そのほか、中国では5日から全国人民代表大会が開幕する。

◆マーケット・トレンド(2月26日~3月2日)

【↑】   2月26日(月)―― 大幅続伸・2万2000円台回復、米株高で買い優勢

日経平均 22153.63( +260.85)  売買高12億4254万株 売買代金 2兆2469億円

【↑】   2月27日(火)―― 大幅に3日続伸、米株高に追随し買い先行

日経平均 22389.86( +236.23)  売買高13億2910万株 売買代金 2兆6299億円

【↓】   2月28日(水)―― 4日ぶり急反落、米株安受け利益確定売り優勢

日経平均 22068.24( -321.62)  売買高15億4229万株 売買代金 2兆9369億円

【↓】   3月 1日(木)―― 大幅続落・一時400円超安、米株安や円高などを嫌気

日経平均 21724.47( -343.77)  売買高15億1848万株 売買代金 2兆7893億円

【↓】   3月 2日(金)―― 大幅に3日続落・一時600円超安、米株安と円高でリスク回避加速

日経平均 21181.64( -542.83)  売買高16億0100万株 売買代金 3兆0235億円

◆セクター・トレンド(2月26日~3月2日)

(1)全33業種中32業種が下落、全面安商状

(2)新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄株が大きく売られる

(3)円高でコマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株は大幅安

(4)国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油株は下げきつい

(5)三菱UFJ <8306> など銀行、第一生命HD <8750> など保険といった金融株も軟調

(6)セブン&アイ <3382> など小売り、武田 <4502> など医薬品といった内需株の一角は下げ限定的

(7)唯一、JAL <9201> など空運株が上昇

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