利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 38社選出 <成長株特集>
本特集では、1月下旬から2月中旬までの決算集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額500億円以上3000億円未満の東証1部上場銘柄を対象に、17年10-12月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ通期計画も最高益を見込む、利益成長“青天井”銘柄をリストアップしてみた。
下表では、本決算月にかかわらず、直近3ヵ月実績の10-12月期に経常利益が全四半期ベースで過去最高益を5%以上、上回って更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している38社を選び出し、10-12月期経常利益の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのはアパート経営プラットフォーム「TATERU」を展開するインベスターズクラウド <1435> 。「TATERU」はアプリ上で土地情報からアパートの提案、建築、賃貸管理をワンストップで提供する投資トータルサービス。不動産会社の土地情報とアパート経営希望者をマッチングする仕組みで、自社で土地の在庫を持たないことが強みだ。17年10-12月期(第4四半期)はアパートの引き渡し棟数が増加し、経常利益は四半期ベースの過去最高益を92.2%も上回る29.9億円で着地。あわせて発表した18年12月期の同利益は前期比21.1%増の70.9億円と7期連続の最高益更新を見込む。
2位はスポーツアパレルメーカーのゴールドウイン <8111> 。10-12月期は主力のアウトドアブランドでダウンジャケットなどの防寒衣料が好調だったうえ、直営店の売上拡大や発注管理の強化で採算も改善した。3位の日本エスコン <8892> は分譲マンションなどの販売が拡大したうえ、私募リートであるエスコンジャパンリート投資法人へ商業施設・用地を売却したことも利益を押し上げた。同社は主力のマンション販売に加え、商業施設や物流施設の開発事業、さらにはインバウンド需要を捉えたホテル開発事業にも注力しており、業容拡大による成長加速が期待される。
4位の大豊建設 <1822> は採算を重視した選別受注などが奏功し、土木事業の工事採算が大きく改善した。業績好調を踏まえ、18年3月期の経常利益予想を4期連続となる過去最高益に上方修正している。5位のアウトソーシング <2427> は国内製造系アウトソーシング事業で労働者派遣法の改正に伴う期間工から派遣活用への転換ニーズを取り込み、3四半期連続で過去最高益を更新した。選出リストには、同じく人材派遣を展開するトラスト・テック <2154> 、テクノプロ・ホールディングス <6028> 、WDBホールディングス <2475> もリストアップされている。
6位のメディカル・データ・ビジョン <3902> は病院経営支援システムの販売と、医療ビッグデータを活用した分析調査サービスの提供を主力としている。10-12月期(第4四半期)は製薬会社向けアドホック調査サービスの大型契約が増加し、4四半期ぶりに過去最高益を更新した。18年12月期の経常利益は前期比41.6%増の8億円と6期連続で過去最高益を更新する見通しだ。医療ビッグデータ関連市場の拡大を背景に中長期的な成長期待は強く、株価は全体波乱相場が続くなか、連日で上場来高値を更新している。
また、11位のブイ・テクノロジー <7717> は液晶・有機ELディスプレー製造・検査装置の絶好調が続いている。18年3月期は経常利益が前期比2.2倍の119億円、配当は同2.3倍の270円を計画する。同社は今年に入ってから3ヵ月連続で100億円超の大口受注を獲得しており、来期以降の業績拡大も期待される。そのほか、陸運業のハマキョウレックス <9037> 、トナミホールディングス <9070> は予想PERが11倍台と投資指標面で割安感が強い。輸出関連は円高が株価の重しとなる中、外部リスクを受けにくい好業績・割安株としてマークしておきたい。
※11日(日)19時30分に、時価総額500億円未満の東証1部銘柄と対象とする「利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾」の配信を予定しています。併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 10-12月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<1435> インベスC 92.2 2995 1558 21.1 7099 5863 35.0
<8111> ゴルドウイン 73.9 5181 2979 50.7 6900 4578 28.3
<8892> 日エスコン 56.3 3438 2199 14.5 8700 7598 11.7
<1822> 大豊建 53.5 5504 3586 2.7 10400 10131 7.2
<2427> アウトソシン 41.1 4233 2999 23.1 12800 10395 28.9
<3902> MDV 35.5 397 293 41.6 800 565 158
<2222> 寿スピリッツ 31.8 1891 1435 20.6 4700 3898 53.6
<4215> タキロンCI 28.9 2997 2325 27.5 8100 6351 11.6
<4246> DNC 27.7 5817 4556 5.2 17300 16450 9.9
<3034> クオール 25.2 2901 2317 30.2 9200 7065 17.2
<7717> Vテク 23.5 3485 2822 120 11900 5406 19.9
<2317> システナ 23.2 1538 1248 29.6 4416 3407 35.3
<5857> アサヒHD 21.2 4122 3402 20.4 13400 11130 8.6
<4554> 富士製薬 19.9 1824 1521 1.8 4710 4628 20.1
<4634> 洋インキHD 18.2 7533 6374 7.0 22000 20553 14.1
<2154> トラスト・T 16.8 1223 1047 36.6 4350 3185 21.9
<4975> JCU 15.6 2003 1733 20.9 6650 5502 14.0
<6028> テクノプロH 15.2 3015 2618 15.1 11000 9559 29.0
<4218> ニチバン 14.1 1740 1525 2.9 4400 4274 22.3
<8279> ヤオコー 13.5 5938 5230 12.6 16000 14214 20.9
<7613> シークス 12.9 2981 2640 4.6 11000 10513 15.8
<5344> MARUWA 12.6 2620 2327 78.8 8900 4978 19.7
<4095> パーカライ 12.3 6298 5610 3.8 19500 18779 18.7
<3132> マクニカ富士 12.1 4739 4229 40.5 14300 10176 12.0
<8012> 長瀬産 11.9 8317 7432 2.7 25500 24823 14.2
<8032> 紙パル商 11.8 2983 2668 12.2 9000 8022 11.5
<6055> Jマテリアル 11.0 1485 1338 19.9 5500 4588 39.7
<9037> ハマキョウ 10.7 2879 2600 18.8 10000 8420 11.1
<2475> WDB 10.7 1222 1104 10.0 3759 3417 31.0
<8255> アクシアル 10.5 3045 2756 1.3 9300 9185 17.3
<9072> ニッコンHD 10.1 5937 5392 1.2 19800 19574 13.6
<6750> エレコム 10.0 2728 2480 3.7 9200 8872 16.4
<6920> レーザーテク 8.4 3047 2810 0.2 5000 4989 54.3
<9070> トナミHD 8.3 2030 1875 8.1 6200 5733 11.3
<3433> トーカロ 7.1 2061 1925 4.5 7000 6698 18.3
<6908> イリソ電子 6.6 2220 2082 12.9 7800 6909 26.4
<7278> エクセディ 6.3 7224 6793 9.4 23000 21024 10.4
<4928> ノエビアHD 5.9 3952 3733 5.9 10900 10291 35.3
<8920> 東祥 5.4 1890 1793 7.9 6500 6025 37.2
※ 2016年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース