檜和田浩昭氏【やっと反発、日経平均、秋相場のポイントと戦略】(2) <相場観特集>

特集
2018年9月10日 19時45分

―8連騰後の6日続落、“一方通行相場”の後に見えるのは―

週明け10日の日経平均株価は朝方安く始まったものの、その後プラス圏に切り返した。しかし、上値に重さは残る。8月下旬の8連騰から一転して、前週末まで6日続落と日経平均は上下に一方通行の動きが続き、いまだ大勢トレンドの方向性がはっきりしない。ボックス圏往来を繰り返すなか、時間軸は夏から秋へと移行してきた。9月から10月にかけての相場展望と物色の方向性について、第一線で活躍する2人の市場関係者に意見を聞いた。

●「自民党総裁選後の経済政策追い風に株価上昇期待」

檜和田浩昭氏(東洋証券 マーケット支援部長)

今後の東京株式市場を展望すると、国内では今月20日に投開票が実施される自民党総裁選をクリアすることで、政権基盤が改めて確立し、具体的な数字を伴った新たな経済政策や予算措置など、国内発の前向きな株価支援材料が浮上してくることが想定される。さらに、9月下旬以降には、19年3月期第2四半期累計(4-9月)決算内容の輪郭を意識しながらの個別銘柄物色も活発化しそうだ。1ドル=110~111円台と、多くの輸出企業の想定為替レートに比べて円安推移となっていることから、第2四半期累計決算発表時には通期業績の上方修正に踏み切る企業も目立ちそうだ。

過去6年間の日経平均株価の年足は連続陽線を堅持しており、これまで9~10月の押し目は、年末高に向けて格好の仕込みのタイミングとなってきた。当面の日経平均は、2万2000円ラインでの下値固めはほぼ完了したと判断してよいだろう。新たな経済政策への期待感を支えに、株価上昇の可能性がありそうだ。

日経平均の当面の上値は、今年5月以来、4回トライして突破できなかった2万3000円近辺となりそうだ。日足チャートを点検してみると、上値はほぼ同水準で跳ね返されたものの、下値は7月5日の2万1462円、8月13日の2万1851円、9月7日の2万2172円と順調に切り上がりをみせている。さらに、いったん2万3000円のフシ目を大きく突破してくれば、もちあいの期間中に蓄積したエネルギーが一気に上放れを加速させる可能性もある。

注目のセクターとしては、電子部品精密機器、設備投資関連の付加価値の高いFA機械などが物色対象となりそうだ。一方、内需系では、食品外食物流アミューズメント施設などのセクターから、業績面で好調さの裏付けのある銘柄に焦点を絞りたい。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(ひわだ・ひろあき)

1990年東洋証券入社、府中・横浜・福山支店で個人のリテール営業を経験。2002年情報部を経て11年2月からアジア部ストラテジストとして日本株と中国株を中心に相場分析を担当。その後、投資調査部次長を経て2015年11月から現職。日本FP協会正会員(CFP)。日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)。株式講演会講師、新聞取材など多数。

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