「セルロースナノファイバー」が急浮上、植物由来の新素材に改めて関心集まる<注目テーマ>

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2018年9月26日 12時20分

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セルロースナノファイバー(CNF)は、木質パルプなどを原料とし、植物繊維をナノレベルに精製した、軽くて丈夫な植物由来の素材のこと。植物細胞の細胞壁・繊維の主成分となるセルロースをナノ(10億分の1)レベルにまで微細化することで得られ、鉄鋼の5分の1の軽さで、強度が同5倍以上あり、熱による変形が小さい(ガラスの50分の1)という特性を持っている。また、植物由来の素材であるため、資源が少ない日本でも、原料を輸入に頼らずに生産できることや、環境への負荷が少ないことなどが注目されている。

また、将来的には炭素繊維に近い強度と軽さを生かして自動車の車体や部品などへの用途拡大が注目されている。自動車の車体の樹脂部分をCNF強化樹脂(樹脂にCNFを添加したもの)に置き換えることで約20キログラムの軽量化が可能になるとの試算もあり、軽量化につながる素材としても期待されている。今後の量産化進展による生産コスト引き下げが進めば、自動車部材への応用開発も拍車がかかりそうだ。経済産業省では2030年に関連市場を1兆円規模に育てる目標を掲げ、産官学連携の動きなどを後押ししており、実用化の進展とともに市場が拡大する見通しだ。

日本製紙<3863>は17年に、年間生産能力500トンのCNFの量産ラインが稼働しており、機能性シートだけでなく、機能性添加剤やナノ複合材など、幅広い工業用途での実用化が見込まれている。また、中越パルプ工業<3877>では同社の川内工場(鹿児島県薩摩川内市)に、CNFの量産設備「第1期商業プラント」を建設し、17年の夏から商業生産がスタートしており、医薬品や化粧品、塗料品など新分野への進出を図る。

このほかに、三菱鉛筆<7976>では、第一工業製薬<4461>と共同開発したCNFを実用化させたゲルインクボールペンを開発し、国内はもとより、欧米でも好調な売れ行きをみせている。さらに、京都大学のCNF研究プロジェクトに参加している星光PMC<4963>、DIC<4631> 、三菱ケミカルホールディングス<4188>などの今後の開発動向にも関心が高まりそうだ。

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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