後場に注目すべき3つのポイント~米半導体株高を好感もインテルは急落

市況
2019年1月25日 12時38分

25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は4日ぶり大幅反発、米半導体株高を好感もインテルは急落

・ドル・円は小じっかり、英国のEU離脱期待で円買い後退

・値上がり寄与トップは、東エレク<8035、ファナック<6954>

■日経平均は4日ぶり大幅反発、米半導体株高を好感もインテルは急落

日経平均は4日ぶり大幅反発。209.04円高の20783.67円(出来高概算6億7000万株)で前場の取引を終えている。

24日の米株式市場でNYダウは22ドル安と反落。中国との通商交渉についてロス商務長官が合意には依然として大きな隔たりがあると発言し、早期決着への期待が後退した。また、政府機関閉鎖の解除に向けて与野党がそれぞれ起草した法案が上院で否決されたこともあり、政治的な不透明感から上値の重い展開となった。ただ、半導体SOX指数はザイリンクスやラム・リサーチなど好決算が相次いだことで大幅に上昇。本日の東京市場でも半導体株や電子部品株に買いが入り、日経平均は24円高からスタートすると、その後急ピッチで上げ幅を広げた。前場中ごろにかけてやや伸び悩んだが、結局この日の高値圏で前場を折り返した。東証1部の値上がり銘柄は全体の8割弱となっている。

個別では、SUMCO<3436>が9%近い上昇となったほか、東エレク<8035>、信越化<4063>、アドバンテス<6857>といった半導体株や、村田製<6981>、太陽誘電<6976>、ローム<6963>といった電子部品株が大幅高。その他売買代金上位もファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、武田薬<4502>、トヨタ自<7203>など全般堅調だった。自社株買い実施観測が報じられた旭化成<3407>は大幅続伸。中小型株では日本通信<9424>が商いを伴って急伸し、東証1部上昇率トップとなった。金融庁のフィンテック実証実験における好結果がポジティブ視された。一方、売買代金上位ではソフトバンク<9434>が逆行安。任天堂<7974>は小幅に下落した。大東建<1878>は業績観測報道を受けて売り優勢。また、クボテック<7709>などが東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、機械、石油・石炭製品、金属製品などが上昇率上位で、その他も全般堅調。下落したのは医薬品のみだった。

前日の米SOX指数が5%を超える上昇となったことから、東京市場でも半導体、電子部品株に買い戻しが入り、日経平均は200円を超える上昇で前場の取引を終えた。ファーストリテやファナックに加え、東エレクなどが日経平均の押し上げ役となっている。しかし、米インテルが前日の取引終了後に発表した2018年10-12月期決算は売上高が市場予想を下回り、同社株は時間外取引で大きく売られる場面があった。米半導体関連企業の決算は強弱が分かれ、これから発表が本格化する日本企業でも同様の傾向となる可能性がある。

日本株は昨年末にかけての株価下落で過度の業績悪化懸念を織り込んだとみられ、業績下方修正や決算発表をきっかけとした買い戻しの動きもある。ただ、米中摩擦や米政府機関閉鎖、英国の欧州連合(EU)離脱といった外部環境の不透明感は払拭されず、業績見通しの一段の切り下げリスクは残る。個別要因で業績の底堅さを見せる企業を選別する必要があるだろう。なお、本日はエムスリー<2413>や小糸製<7276>が決算発表を予定している。

■ドル・円は小じっかり、英国のEU離脱期待で円買い後退

25日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。英国の欧州連合(EU)離脱に楽観的な見方から株高・円安に振れ、ドルは109円後半に上昇した。

報道によると、英国の与党・保守党と協力関係の北アイルランドの民主統一党(DUP)が、29日の議会採決でメイ首相のブレグジット合意代替案を支持する見通しとなった。それを受けリスク要因の後退により株買い・円売りに振れ、ドルが上昇した。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いを維持しており、日経平均株価のプラス圏推移を見込んだ円売りが続く。ただ、ユーロ・ドルが前日の大幅安をやや修正し、ドルの重石となっている。目先も110円手前の売りに押される展開となろう。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円52銭から109円78銭、ユーロ・円は123円79銭から124円21銭、ユーロ・ドルは1.1301ドルから1.1318ドルで推移した。

■後場のチェック銘柄

・ショクブン<9969>やユーザベース<3966など、5銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、東エレク<8035、ファナック<6954>

■経済指標・要人発言

【要人発言】

・クドロー米国家経済会議(NEC)委員長

「米中通商協議では、知的財産権やテクノロジーの問題にも対応が必要」

・ハモンド英財務相

「合意なき欧州連合(EU)離脱は国民投票の決定への裏切り」

【経済指標】

・日・1月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く):前年比+1.1%(予想:+0.9%、12月:+0.9%)

<国内>

特になし

<海外>

※米経済指標は発表延期になる可能性があります

《HH》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.