日経平均は反発、ひとまずファナック・ショックには至らず/ランチタイムコメント

市況
2019年4月25日 12時16分

日経平均は反発。80.99円高の22280.99円(出来高概算5億3462万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、複数の主要企業決算が嫌気されたほか、直近のS&P500及びナスダック総合指数の最高値更新を受けて利益確定の動きも広がったが、1-3月期決算発表を終えた企業の約8割で収益が市場予想を上振れたとの報道もあり、決算期待から下値は限られた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の22220円になり、本日の東京市場は朝方は売り先行でのスタートを切った。その後は、市場想定大幅に下回るガイダンスを発表したファナック<6954>が、売り先行後に下げ渋りを見せた流れから、日経平均もプラスに転じる展開となった。前引けにかけては、為替の円安一服や週末から始まる国内10連休を控えて、総じて上値は重かった。

セクターでは、その他製品や陸運業が1%を超える上昇となったほか、化学、建設業、精密機器、小売業も堅調。一方で、鉱業や証券・商品先物取引業は1%を超える下落に。売買代金上位銘柄では、日立<6501>による売却方針が固まったとの報道が一部メディアにて伝わった日立化成<4217>が年初来高値を更新、本日大引け後に決算を控える任天堂<7974>が2%近く上昇したほか、ZOZO<3092>、東京エレクトロン<8035>、ソニー<6758>、SUMCO<3436>も上昇。一方で、前期業績を下方修正した日産自<7201>、前日の決算が嫌気されたキーエンス<6861>やキヤノン<7751>などは軟調であった。

本日の東京市場前場では、警戒されていたファナック・ショックにはひとまず至らなかったものの、朝方に1ドル=112円台を回復していた為替市場では、じりじりと円高方向に振れていることもあり、それに伴って上値も重くなってきている。国内では異例の10連休を控えているほか、本日は引け後に任天堂、明日26日はソニーや村田製作所<6981>とハイテク系を中心に決算が相次ぐことからも、本格化する企業決算の動向を見極めたいとの向きも根強い。

今週の日経平均は5日移動平均線レベルでの推移を継続しているが、22400円近辺は昨年5月から約5カ月間もみ合ったボックス相場の中心であり、戻り売りの圧力も強いゾーンに当たる。前場中ごろから開始された上海総合指数をはじめとしたアジア市場の動向もさえないなかで、この水準を上抜けるには新規の材料が乏しいとみられる。日経平均が底堅さと同時に上値の重さも意識されるなか、個人投資家などの短期資金は東証1部の中小型株やマザーズ・ジャスダックといった新興市場へと向かいやすくなろう。(雲宮 祥士)

《AK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.