【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ “プレミアム・サバイバル”の号砲が鳴る!

市況
2019年5月12日 9時30分

「“プレミアム・サバイバル”の号砲が鳴る!」

●市場再編が企業に迫る改革努力

250億円。

いま市場関係者たちが大いに関心を寄せている数字がこれになる。

どんな意味を持つ数字か。

東証が現在検討中とされる市場再編では、新ランク最上位の「プレミアム市場」に採用される基準が時価総額250億円になりそうなのだ。まだ、再編を議論する有識者会議も立ち上がっていない段階ながら、すでに「250億円」は報道等で一人歩きしている。

そこで問題になってくるのが、250億円に満たない企業の対応だ。「プレミアム」に入れない企業が多数になるのは避けられないが、当該企業はそれを黙認するわけにはいかないのが実際だ。

そこで、当然「プレミアム」に残るための努力をすることになるが、それが株価にプラスに働く可能性が高くなる。

実は、他にもそれを加速させる材料がある。経産省が親子上場のガイドラインを作成中でもあるのだ。

具体的な内容は現段階ではもちろん不明ながら、基本的には親子上場の問題点を指摘、その解消を促すものになると見てよい。

本来企業は一つであるべきで、その一部を別に上場するのは、基本的に経営資源の分散であり、投資の観点からは親会社に投資すべきか、分散された子会社に投資すべきか、迷うことになる。これは、海外では見られない日本特有の上場法だ。

●親子上場解消の動きに先回り!

そこで、政府はその解消を目指していることになるが、東証改革とそれがリンクするとどういうことになるか。

時価総額が250億円に満たない子会社企業は「プレミアム市場」に入れないとなると、いわゆる格落ちになってしまうため、親会社が吸収合併する。そうすることで親会社の時価総額は大きくなるし、子会社は親会社がランキングされる「プレミアム」企業にとどまることができる。

そのため、親子上場企業で子会社の時価総額が250億円に満たない企業は、親会社による吸収で株価が上昇する可能性がある。

いまはこのような観点から、株を先回り買いしておきたい。

具体的には、ソフトバンク <9434> 系のアイティメディア <2148> 、ヒノキヤグループ <1413> 子会社の日本アクア <1429> 、富士ソフト <9749> 子会社のヴィンクス <3784> 、サイバーコム <3852> 、そしてサイバネットシステム <4312> などがある。ただし、富士ソフトはこのところ急騰しており、すぐの投資はリスクが高い。しかし、値が落ちつけば投資も可だ。

品川リフラクトリーズ <5351> 子会社のイソライト工業 <5358> もある。

時価総額は250億円を下回っていないものの、親子上場の解消が求められる流れを考えると、それを無視できなくなるだろう。こんな観点からは信越化学工業 <4063> 子会社の信越ポリマー <7970> 、キリンホールディングス <2503> 子会社の協和発酵キリン <4151> 、そしてアークランドサカモト <9842> 子会社のアークランドサービスホールディングス <3085> があり、いずれもここから注視だ。

2019年5月10日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.