絶好調の20年3月期【連続最高益】リスト 38社選出 〔第3弾〕 <成長株特集>

特集
2019年5月30日 19時45分

本特集では、「絶好調の20年3月期【連続最高益】更新リスト」の第1弾(5月23日配信)第2弾(5月26日配信)に続き、“時価総額400億未満”の銘柄を対象に、20年3月期に経常利益が連続で過去最高益を更新する見通しを示している銘柄にスポットライトを当てた(5月30日現在)。

最高益更新の連続期数が多い銘柄は、利益を創出する競争力の強い商品やサービスを持つ企業が多く、今後も利益成長による最高益更新が期待される。下表では、時価総額100億円以上400億円未満の3月期決算企業を対象に、今期の経常利益が4期以上連続で最高益更新を見込み、かつ同利益が前期と比べて3%以上伸びる見通しを示している38社を選び出し、「増益率が大きい」→「最高益の連続期数が多い」順に記した。

増益率トップとなったのはマニュアル制作会社のグレイステクノロジー <6541> 。20年3月期はクラウド型マニュアル管理システム「e-manual」の販売が拡大し、経常利益は前期比30.5%増の7.4億円と8期連続の最高益更新を計画する。昨年12月にプロトタイプを発表した次世代マニュアル「Grace Vision」も今期から業績へ寄与する見通しだ。「Grace Vision」はAIを搭載した専用メガネにAR(拡張現実)を表示し、音声とともに作業を指示するいわば究極のマニュアル。この次世代マニュアルの投入でメンテナンスの効率化やコスト削減ニーズをさらに取り込む構えだ。

2位に入ったメンバーズ <2130> は大企業のWEBサイトを運用するデジタルマーケティング支援サービスを主力とし、急成長中のデジタル人材派遣事業が第2の柱となる。IT技術者の人材不足が深刻化するなか、デジタルクリエーターの採用と育成に注力することで旺盛な需要の獲得に成功している。20年3月期は前期に引き続きデジタル人材派遣の好調が継続するうえ、マーケティング支援の提供社数も増加し、経常利益は前期比28.7%増の12.4億円に膨らむ見通しだ。株価は全体軟調相場に逆行し、青空圏を走る展開にある。

3位のABホテル <6565> [JQ]はスポーツクラブ運営の東祥 <8920> 子会社で、愛知県を中心にビジネスホテルを展開している。足もとの業績は訪日外国人客の増加を背景に、既存ホテルで稼働率が86%を超える高水準が続くほか、客室単価も上昇基調にある。20年3月期は4店のビジネスホテルを新規開業し、経常利益ベースの最高益更新を5期連続に伸ばす計画だ。

選出リストでは、「連続最高益リスト」の第1弾、第2弾に続き、企業の積極的なシステム投資が追い風となるITサービス関連企業が多く入った。4位のUbicomホールディングス <3937> の前期はフィリピンを拠点とするソリューション開発事業で自動化やモバイル&クラウドなどのコア技術を活用した高収益案件が拡大した。また、レセプト点検ソフトではサブスクリプション(定額課金)モデルが伸びた。20年3月期は引き続き自動車・金融・医療・製造分野で利益率の高いソリューションビジネスの拡大を目指す。

6位にリストアップされたのはビッグデータを活用した業務改善支援サービスを展開するダブルスタンダード <3925> 。20年3月期はAIを搭載した文字読取システムを中心に新サービスの受注が拡大し、経常利益は前期比15.5%増の10.1億円と7期連続の最高益更新を見込む。一方、株価は今期業績見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、発表翌日にストップ安まで売られるなど大幅な調整を強いられている。ただ、同社は期初予想を保守的に算出する傾向が強く、株探プレミアム会員向けに提供している【業績修正履歴】を見ると、前期まで3年連続で8月に上方修正していることがわかる。上振れが確認できれば株価トレンドの転換が期待できそうだ。

7位のエイトレッド <3969> は紙の申請書類や決裁業務を電子化して業務効率化につなげるワークフローソフトの開発を手掛ける。中小企業をターゲットした「エクスポイント」を主力とするが、足もとではエクスポイントの上位版で中・大企業向けの「アジャイルワークス」、エクスポイントのクラウド版の導入が急増している。20年3月期も働き方改革が進展するなか、アジャイルワークスとクラウドサービスの成長が継続する見通しだ。

15位の東洋ビジネスエンジニアリング <4828> はERP(統合基幹システム)の開発を主力とする。20年3月期は独ソフト開発大手SAPをはじめとする他社開発パッケージをベースとしたシステム構築や自社開発ERPのライセンス販売を伸ばし、経常利益は4期連続の過去最高を狙う。

そのほか、豆蔵ホールディングス <3756> 、システムリサーチ <3771> 、Minoriソリューションズ <3822> 、JFEシステムズ <4832> [東証2]、日本システムウエア <9739> は予想PER15倍以下と同業に比べて指標面で割安感が強く、上値余地の大きい銘柄として注目したい。

┌─── 経常利益 ───┐  最高益  予想

コード 銘柄名     増益率 20年3月期 19年3月期 連続期数  PER

<6541> グレイス    30.5    748    573    8  69.3

<2130> メンバーズ   28.7   1246    968    6  31.8

<6565> ABホテル   21.6   1700   1398    5  26.8

<3937> Ubicom  20.1    710    591    6  39.0

<3561> 力の源HD   16.3   1072    922    4  24.1

<3925> ダブスタ    15.5   1012    876    7  47.7

<3969> エイトレッド  14.5    560    489    8  34.5

<6539> MSジャパン  13.8   2014   1770    8  28.5

<3150> グリムス    12.8   1633   1448    5  17.8

<3484> テンポイノベ  12.3    802    714    7  24.8

<3199> 綿半HD    12.2   2811   2506    5  14.6

<6294> オカアイヨン  12.2   1750   1560    4   9.5

<3137> ファンデリー  12.0    783    699    8  21.1

<2209> 井村屋G    12.0   1750   1562    4  22.6

<4828> 東洋BENG  10.6   1330   1202    4  15.5

<3756> 豆蔵HD    10.4   2660   2410    9  13.8

<7191> イントラスト  10.1    925    840    7  17.3

<7570> 橋本総業HD   9.7   3000   2735    4   7.1

<7508> GセブンHD   9.6   5500   5019    5  10.6

<3837> アドソル日進   9.5   1108   1012    5  21.4

<7199> プレミアG    9.1   2232   2046    4  17.2

<4345> CTS      9.0   1700   1559    9  24.2

<3771> システムリサ   8.6   1412   1300    7  12.9

<8117> 中央自      7.2   5100   4758    5   8.9

<3822> Minori   6.5   1840   1728    4  11.0

<3835> eBASE    6.1   1200   1131    8  29.4

<4659> エイジス     5.8   4051   3828    5   9.8

<8769> ARM      5.8    980    926    4  18.5

<3465> ケイアイ不    5.7   6100   5769    5   5.7

<4318> クイック     4.7   2950   2818    7  16.1

<9099> C&Fロジ    4.6   4500   4301    4  11.3

<3371> ソフトクリエ   4.5   2100   2010    9  16.4

<4832> JFEシステ   4.4   3600   3448    5   9.9

<9960> 東テク      4.3   6100   5851    8   6.9

<3850> イントラマト   4.2    720    691    5  26.4

<3275> ハウスコム    4.1   1404   1349    6  11.0

<9739> NSW      3.9   3540   3407    4  14.9

<6538> キャリインデ   3.5    805    778    4  34.9

※経常利益の単位は百万円。2018年1月以降に上場した企業は除いた。

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