前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年5月31日 5時30分

■日本触媒 <4114>  6,660円 (+260円、+4.1%)

日本触媒 <4114> と三洋化成工業 <4471> がともに大幅高に買われた。両社は29日取引終了後、2020年10月の経営統合を検討することで基本合意したと発表した。統合を通じて販売・製造・研究などの機能で経営資源を結集し、経営基盤を拡大、事業変革・競争力強化を実現するとしている。株式移転比率は、19年12月をめどに締結を予定する最終契約で定める方針。両社の経営統合により、紙おむつなどの原料となる高吸水性樹脂の生産規模の拡大が図れることなど、事業の効率化に期待が寄せられている。両社では、統合の狙いについて「両社の技術やコストで相乗効果を生み、コスト削減でグローバル競争に対応する」としている。

■明治機械 <6334>  306円 (+12円、+4.1%)

製粉、飼料設備でトップの明治機械 <6334> [東証2]が大幅続伸。一時、前日比19円高の313円まで買い進まれている。同社が14日に発表した20年3月期業績予想は、売上高87億円(前期比9.2%増)、経常利益4億9000万円(同3.2倍)と大幅増益を見込んでいる。今期は飼料業界で工場集約を伴う再編が本格化するなか、配合飼料設備の新工場建設や増設工事などの大型案件の受注が拡大する。コンビニ・立ち食いチェーンのそば、同じく米粉などの需要が伸びており、連結子会社の柳原製粉機との共同開発製品を含め各種の新工場建設工事や設備改造工事に関して提案を強化していく。株価は、290円水準での値固めを続けていたが、上放れが鮮明となってきた。ただPERは7倍台と依然として割安水準にある。

■東エレク <8035>  15,170円 (+485円、+3.3%)

東京エレクトロン <8035> 、SUMCO <3436> など半導体関連が頑強な値動き。前日の米国株市場ではNYダウが一時400ドルを超える下落をみせたが、後半は下げ渋った。半導体関連の一角にも押し目買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら5日ぶり反発に転じている。東京市場でも半導体関連はやや思惑先行で売られ過ぎたきらいもあり、SOX指数の動きに反応する形で買い戻しが優勢となった。

■アンリツ <6754>  1,704円 (+50円、+3.0%)

アンリツ <6754> が大幅反発。米中摩擦の長期化に伴う世界景気減速懸念が主力輸出株を手掛けづらくさせているが、一方で内需の成長テーマに乗る銘柄については上値を追う銘柄が目立つ。次世代通信規格「5G」関連株もその一角で、通信計測器を展開する同社株に改めて買いが向かった。前日は米通信計測器大手のキーサイト・テクノロジーズが発表した2-4月決算が、5G関連の牽引で市場コンセンサスを上回る好業績だったことから時間外で株価を急動意させており、これがアンリツの株価を刺激する形となっている。

■東京きらぼし <7173>  1,689円 (+47円、+2.9%)

東京きらぼしフィナンシャルグループ <7173> が反発。同社が29日、きらぼし銀行がベトナム・ホーチミンにコンサルティング現地法人を開設すると発表したことが買い材料視された。

■マネフォ <3994>  3,875円 (+80円、+2.1%)

マネーフォワード <3994> [東証M]が反発。同社は29日取引終了後に、クレディセゾン <8253> と連携し、プリペイドカードにおつりが貯まるアプリ「プリカに しらたま」の提供を開始したと発表した。同社は17年9月から自動貯金アプリ「しらたま」を提供しており、このほど新たに「プリカに しらたま」の提供をスタート。同アプリは、「しらたまプリカ」にチャージされたお金を旅行や食事などに利用することが想定されている。

■三井E&S <7003>  896円 (+17円、+1.9%)

三井E&Sホールディングス <7003> が強含み。同社は30日、傘下の三井E&S造船が水産庁から漁業取締船「白萩丸代船」を受注したことを明らかにした。「白萩丸代船」は、昨年に受注した「白嶺丸代船」と「白鷲丸(新造船)」に続くもの。この3隻には、悪質化・巧妙化する違法漁船の取り締まりを効果的に行う最新鋭の技術が盛り込まれる予定だという。

■日鉄鉱業 <1515>  4,205円 (+80円、+1.9%)

日鉄鉱業 <1515> が反発。同社は5月29日大引け後に決算を発表。19年3月期の連結経常利益は前の期比16.2%減の73.5億円になったが、20年3月期は前期比18.3%増の87億円に伸びる見通しとなった。

■コマツ <6301>  2,450.5円 (+42円、+1.7%)

コマツ <6301> 、日立建機 <6305> など建機株が堅調。米中貿易摩擦は長期化の様相を呈し、世界経済に対する影響を警戒する動きが再び強まってきた。前日の米国株市場ではリスク回避ムードのなか、波乱含みの下げをみせた。東京市場でも中国関連株は逆風が強いが、両銘柄とも既に大きく株価水準を切り下げており、目先値ごろ感から空売り筋の買い戻しや自律反発狙いの買いが先行した。足もと外国為替市場では1ドル=109円60銭近辺まで円安方向に振れていることも支援材料となっている。

■キトー <6409>  1,554円 (+26円、+1.7%)

キトー <6409> が3日続伸、改めて底値離脱の動きを強めてきた。工場向けや建設現場向けに巻上機や大型クレーンなどを手掛け、安倍政権が推進する国土強靱化で恩恵を受けることが期待されている。同社では橋梁や火力発電所向けなどに特化した営業セクションを立ち上げており、インフラ関連需要の取り込みに傾注している。海外では中国向け売り上げ拡大に期待が大きい。「同社製品は中国の内需向け比率が8割に達していることで米中貿易摩擦の影響は受けにくい」(国内中堅証券)ことも強みとなっている。

■国際石開帝石 <1605>  913.6円 (+12.5円、+1.4%)

国際石油開発帝石 <1605> が3日ぶりに反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は29日、同社株のレーティングの「オーバーウエイト」と目標株価1540円を継続した。同証券では、豪州のイクシスLNGプロジェクトの純利益の増益見通しを株価は十分に織り込んでいないとみている。また、19年12月期は9ヵ月決算で会社側では純利益900億円を予想している。同証券では12ヵ月決算に戻る20年12月期の連結純利益を1600億円と見込んでおり、1年間の利益がフル計上された19年3月期の961億円と比較して大幅増益となることを評価している。また、19年12月期の配当金は24円と、19年3月期の24円に比べ、実質では増配見通しであることも指摘している。

■VIX短先物 <1552>  10,300円 (+140円、+1.4%)

国際のETF VIX短期先物指数 <1552> [東証E]が続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。13日の米VIX指数は前日に比べ0.40(2.29%)ポイント高の17.90に上昇。一時19.04まで値を上げる場面があった。中国共産党機関紙、人民日報は29日の論説でレアアース(希土類)の対米輸出規制を示唆したことから、米中の対立激化への警戒感が高まり、NYダウは221ドル安と続落した。これを受け、国際VIX短期先物は上伸している。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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