今週の【早わかり株式市況】4週続伸、米中首脳会談控え思惑錯綜も底堅さ発揮
■今週の相場ポイント
1.日経平均は4週続伸、売買代金の低迷続くも2万1000円ラインは死守
2.週明け24日は売買代金が1兆4000億円強と約4年半ぶりの低水準に
3.週末の米中首脳会談が常に意識され思惑錯綜、為替動向にも振り回される
4.週後半には米中貿易協議の進展期待が急浮上、売り方の買い戻しで大幅高
5.米マイクロン・テクノロジーの決算発表を契機に半導体関連株に買い流入
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比17円(0.08%)高の2万1275円と4週続伸となった。
G20大阪サミットと米中首脳会談を週末に控え、売り買いともに動きにくい週とみられていたが、27日(木)に空売り筋の買い戻しで日経平均は大幅に上昇、結果的にこれが今週の相場を前週比でプラスに導いた。週を通じて日経平均は2万1000円台を割り込む場面はなかった。
24日(月)は超薄商いのなか日経平均は27円高と小幅プラス圏で着地。「閑散に売りなし」とはいえ、この日の売買代金は1兆4000億円強と約4年半ぶりとなる記録的な低水準だった。25日(火)は為替が一時1ドル=106円台に入る急激な円高を嫌気して全体相場は反落したが、下げ幅は100円未満にとどまり、意外な頑強ぶりを発揮した。26日(水)は続落。前日の米株安に追随した形だが、米マイクロン・テクノロジーの決算発表を契機に半導体関連株が総じて上昇したのは望外の展開となった。そして27日(木)は、前述のように今週の重苦しい流れを一気に吹き飛ばす上昇をみせた。米中首脳会談で協議が進展するとの観測が強まったことが、売り方の買い戻しを誘発し日経平均を大きく押し上げた。そして28日(金)は翌日に行われる米中首脳会談の結果を見極めたいとの思惑から買いが入らず、前日の反動もあり先物主導で売り優勢に傾いた。
■来週のポイント
来週は29日に行われる米中首脳会談の結果次第で、相場が上下どちらかに大きく振れる可能性がある。協議に進展があれば相場の大幅な上振れが期待される。一方、進展がなければ下振れるが予想されるものの、リスクはある程度織り込まれており、下げは限定的とみられる。
重要イベントとしては、国内では7月1日朝に発表される4-6月期日銀短観や5日発表の5月景気動向指数が注目される。海外では2日に開催されるOPECとOPEC非加盟国との生産調整会議や3日発表の米国5月貿易収支、5日発表の米国6月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月24日~6月28日)
【↑】 6月24日(月)―― 小反発、G20サミットを前に閑散商状続く
日経平均 21285.99( +27.35) 売買高 8億3001万株 売買代金 1兆4115億円
【↓】 6月25日(火)―― 反落、円高や地政学リスクを嫌気し売り優勢
日経平均 21193.81( -92.18) 売買高10億2985万株 売買代金 1兆7305億円
【↓】 6月26日(水)―― 続落、米株安でリスクオフ継続も底堅さ発揮
日経平均 21086.59( -107.22) 売買高 9億3501万株 売買代金 1兆6814億円
【↑】 6月27日(木)―― 大幅反発、米中首脳会談での進展期待で高値引け
日経平均 21338.17( +251.58) 売買高12億0436万株 売買代金 2兆0034億円
【↓】 6月28日(金)―― 反落、米中首脳会談を前に様子見ムードが継続
日経平均 21275.92( -62.25) 売買高11億5127万株 売買代金 2兆0621億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が上昇
(2)郵船 <9101> など海運、コマツ <6301> など機械、住友鉱 <5713> など非鉄といった景気敏感株が買われた
(3)NEC <6701> など電機、三菱自 <7211> など自動車といった輸出株は強含み
(4)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行株が反発も
東京海上 <8766> など保険、大和 <8601> など証券、その他金融は低調
(5)三井不 <8801> など不動産、JT <2914> など食品、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株は総じて軟調
(6)国際石開帝石 <1605> など鉱業株は反落
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(2) 人工知能(AI)
3(4) 脱プラスチック
4(8) 仮想通貨 ─── ビットコイン急騰とFB参入で注目度急上昇
5(11) インド ──── 人口は27年頃世界一で関心高まる
※カッコは前週の順位
株探ニュース