今週の【早わかり株式市況】6週ぶり小反落、米株最高値を横目に上値重い展開
■今週の相場ポイント
1.日経平均は6週ぶりに下落、商い低調ななか上値の重い展開強いられる
2.週初は5月の機械受注統計発表を受け、200円超の下落でスタート
3.注目のパウエルFRB議長の議会証言は利下げ期待を再燃させる形に
4.ETFの分配金捻出目的の売り圧力が、全体相場にとって重荷となる
5.市場エネルギー不足が顕著、売買代金は9営業日連続で2兆円台割れ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比60円(0.28%)安の2万1685円と6週ぶりに小幅反落した。
今週のポイントとなったのはパウエルFRB議長の議会証言(下院)。ここで、パウエル議長は一段の金融緩和に前向きな姿勢をみせたことを米国株市場は好感し、NYダウが200ドルを超える上昇で史上最高値を更新した。ただ、日本株は前週に続き売買代金の低迷が目立ち、米株高の勢いをそのままは引き継ぐことはできなかった。週初と週央にはETFの分配金捻出を目的とした売り圧力も嫌気された。
週明け8日(月)は模様眺めムードのなか売りに押され日経平均は200円超の下落。5月の機械受注が低調だったことやアジア株が総じて軟調だったことで見送りムードが強かった。ETFの分配金捻出の売りも全体の押し下げ要因とされた。9日(火)と10日(水)は小動きで、いずれも30円の小幅な上下動にとどまった。ただ、10日についてはETFの売りが改めて懸念されたが、影響は限定的だったといえる。11日(木)は米利下げ観測が再び強まったことでリスクオンの流れが波及、1ドル=108円を割り込む急激な円高にも関わらず日経平均は100円あまり上昇した。12日(金)は前日にNYダウが最高値を更新したことを受けて続伸。もっとも上値は重く、商いは9営業日連続で2兆円割れが続くなど閑散相場の様相を強めている。
■来週のポイント
超閑散相場が続いているだけに、来週も下値は堅いながらも上値が重く狭いレンジでの値動きとなりそうだ。
重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される6月貿易統計や19日朝に発表される6月全国消費者物価指数が注目される。海外では15日に発表される中国4-6月期GDPと中国6月鉱工業生産、16日発表の米国6月鉱工業生産、17日開催のG7財務相・中央銀行総裁会議に注視が必要だろう。
■日々の動き(7月8日~7月12日)
【↓】 7月 8日(月)―― 3日ぶり反落、米株安受けリスクオフの売り優勢
日経平均 21534.35( -212.03) 売買高10億7838万株 売買代金 1兆6953億円
【↑】 7月 9日(火)―― 反発、米株安も円安方向に振れ相場を下支え
日経平均 21565.15( +30.80) 売買高 9億8863万株 売買代金 1兆6697億円
【↓】 7月10日(水)―― 反落、方向感なく前日終値を挟み往来する展開
日経平均 21533.48( -31.67) 売買高11億3868万株 売買代金 1兆9437億円
【↑】 7月11日(木)―― 反発、米株高を受けてリスク選好の買い優勢
日経平均 21643.53( +110.05) 売買高11億4081万株 売買代金 1兆7845億円
【↑】 7月12日(金)―― 小幅続伸、3連休控え様子見気分強く買い手控え
日経平均 21685.90( +42.37) 売買高10億2974万株 売買代金 1兆7891億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が下落
(2)商船三井 <9104> など海運、ダイキン <6367> など機械といった景気敏感株が大幅反落
(3)王子HD <3861> など紙・パルプ、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、信越化 <4063> など化学といった素材株も売られた
(4)日立 <6501> など電機、スズキ <7269> など自動車といった輸出株も総じて安い
(5)内需株はまちまち
大成建 <1801> など建設、楽天 <4755> などサービスは下落も、日水 <1332> など水産、ファストリ <9983> など小売りは堅調
(6)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行、オリックス <8591> などその他金融、東京海上 <8766> など保険は値を保つも
大和 <8601> 、野村 <8604> など証券株はさえない
(7)原油高で石油資源 <1662> など鉱業、出光興産 <5019> など石油株は大幅反発
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 5G
2(3) 人工知能(AI)
3(4) 脱プラスチック ─── 「廃プラ関連」に流れ込む投資マネーを追え
4(2) バイオテクノロジー
5(9) JPX日経400
※カッコは前週の順位
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