話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソニー、第一生命HD、トヨタ
■ソニー <6758> 5,965円 +69 円 (+1.2%) 本日終値
ソニー<6758>が続伸。この日の寄り前、ゲーム事業子会社ソニー・インタラクティブ・エンタテインメント(SIE)が、ゲーム開発会社の米インソムニアック・ゲームズ(カリフォルニア州)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。インソムニアック社は、、プレイステーション4用ソフトウェアとして世界的ヒットを誇る「マーベルズ スパイダーマン」や「ラチェット&クランク」シリーズを手掛ける世界有数のゲーム会社。今回の買収は、プレイステーション用ソフトの開発強化を図るのが狙いで、今後の業績への貢献が期待されている。なお、買収額は非開示となっている。
■第一生命HD <8750> 1,388円 +15 円 (+1.1%) 本日終値
第一生命ホールディングス<8750>が続伸。米長期債利回りの低下が一服し、前日時点で10年債利回りは1.6%台に反発。また、超長期債である米30年債の利回りも同様に反発に転じており、前日は続伸して2.08%台まで上昇、2%台を固める動きにある。米国株市場ではゴールドマン・サックスやJPモルガン、シティグループなど大手金融機関が軒並み高に買われており、米国事業で長期債や超長期債で運用する同社株にも買いが優勢の展開となった。
■村田製作所 <6981> 4,553円 +31 円 (+0.7%) 本日終値
村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>など電子部品株が堅調。18日に米アップルのティム・クックCEOがトランプ米大統領と対中制裁関税の影響を議論したことが伝わり、一部で中国への制裁に伴う米企業への影響にトランプ政権も配慮するのではないかとの思惑が広がった。アップル株は前日の米国株市場で買われており、これを受けて同社の有力サプライヤーである日本の大手電子部品メーカーにも物色の矛先が向いた。
■トヨタ自動車 <7203> 6,909円 +36 円 (+0.5%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株がしっかり。ここ懸念されていた米長期金利の急低下だが、足もとは落ち着きを取り戻している。前日の10年債利回りは続伸し終値ベースで1.6%台を回復。これを背景に外国為替市場ではドルが買い戻されており、目先は1ドル=106円70銭近辺まで円安が進んでおり、為替感応度の高い自動車セクターには追い風となった。トヨタの20年3月期通期想定レートは1ドル=106円で、実勢はそれよりも円安水準に振れている。
■三菱UFJ <8306> 507.1円 +1.8 円 (+0.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが高い。19日のニューヨーク債券市場で米10年債利回りは前日比0.051%高い1.609%に上昇した。ドイツ政府が500億ユーロの財政出動を準備していると伝わるなど世界景気の減速懸念が後退したことなどが好感された。今週末の米ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言などが注目されるものの、米国で10年債と2年債の利回りが逆転する逆イールドが発生したことが嫌気され、下落した大手銀行株の下値を拾う動きも出ている様子だ。
■ブイ・テクノロジー <7717> 5,690円 -20 円 (-0.4%) 本日終値
ブイ・テクノロジー<7717>が反落。19日の取引終了後、半導体製造装置及び検査装置の開発・設計などを手掛けるナノシステムソリューションズ(沖縄県うるま市)の全株式を8月22日付で取得し、子会社化すると発表したが、反応は限定的のようだ。今回の子会社化は、Vテクグループのウエハー研磨装置とナノシステムの検査装置によるウエハー製造工程におけるトータルソリューションの構築などを図るのが狙い。取得価額は非開示だが、Vテク連結純資産額(19年3月期279億8500万円)の15%未満という。なお、20年3月期業績への影響は軽微としている。
■新日本製薬 <4931> 1,772円 -6 円 (-0.3%) 本日終値
新日本製薬<4931>がしっかり。19日の取引終了後、19年9月末時点の株主から、株主優待制度を導入すると発表しており、これが好材料視された。毎年9月末時点で1単元(100株)以上を保有する株主に対して、100株~300株未満保有で「パーフェクトワン モイスチャージェルハーフサイズ」1個を贈呈。また、300株以上保有で「パーフェクトワン モイスチャージェル」「機能性表示食品 キオクリーフ」「機能性表示食品 Wの健康青汁」各1個を贈呈する。
■三菱ケミHD <4188> 728.9円 -1.1 円 (-0.2%) 本日終値
三菱ケミカルホールディングス<4188>が3日ぶりに反落。岩井コスモ証券は19日、同社株の投資判断を「B+」から「B」に引き下げた。目標株価は830円から750円に見直した。第1四半期(4~6月)の営業利益は前年同期比24.9%減の698億7800万円となった。MMA(アクリル樹脂原料)の市況が前年同期に比べ大幅に下落したことや、中国を中心とした自動車産業の減速が影響した。ただ、上期予想利益に対する進捗率は約48%とほぼ予定ラインにある。同証券では、「減益ながら会社計画線を確保したことは評価するが、世界経済に減速懸念があり、円高シフトも進んでいることを考えると株価は上値が重い展開が続く可能性が高い」と指摘。素材株が動意づくには条件不足とみており、しばらくは様子見姿勢を推奨している。
■ハウテレビジョン <7064> 2,800円 +500 円 (+21.7%) ストップ高 本日終値
ハウテレビジョン <7064> [東証M]がストップ高。19日大引け後、20年1月期上期(2-7月)の経常利益(非連結)を従来予想の3700万円→7200万円に94.6%上方修正。従来の2.6%減益予想から一転して89.5%増益見通しとなったことが買い材料視された。主力サイトの外資就活ドットコムでサービスを利用するユーザが順調に伸び、売上が計画を上回ったことが寄与。計画していた人員採用が一部未消化となり、採用費用や人件費が想定を下回ったことも利益を押し上げた。修正した上期予想は通期計画9200万円に対する進捗率が78.3%に達しており、通期業績の上振れを意識する買いも向かった。
■ブライトパス・バイオ <4594> 303円 +39 円 (+14.8%) 本日終値
ブライトパス・バイオ<4594>が続急騰。19日の取引終了後、信州大学と固形がんを対象としたCAR-T細胞療法の臨床開発を目的として、共同研究開発契約を締結したと発表しており、これが好感された。CAR-T細胞療法はがん免疫療法の一つで、免疫細胞であるT細胞にがん抗原を認識する受容体を、ウイルスベクターなどをもちいて遺伝子導入することでがんの排除能を高めた医薬品。今回の共同開発では、同大学小児医学教室の中沢洋三教授及び京都府立医科大学小児科の柳生茂希助教らが製法を確立したがん抗原HER2を認識するHER2-CAR-T細胞を治験薬として、骨肉腫患者を対象とする医師主導治験の実施準備に入るとしており、20年度内に医師主導治験を開始する予定としている。
株探ニュース