大谷正之氏【日経平均は軟化傾向、10月相場の視界変わる?】(1) <相場観特集>
―週明けは続落で2万2000円ラインから下放れる兆候―
週明け30日の東京市場は日経平均株価が続落。既に実質10月相場入りしている東京市場だが、9月の予想外の強調相場を経て目先は利益確定を急ぐ動きが顕在化している。長期化する米中摩擦の問題などをはじめ引き続き不透明要因は多い。果たして全体相場の流れは変わりつつあるのか。第一線で活躍する市場関係者に、ここからの相場を見るうえでのポイントと日経平均株価の見通しについて話を聞いた。
●「日本株の需給好転、10月後半に2万3000円意識も」
大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)
10月相場は前半は足場固めの展開だが、中旬から下旬にかけ堅調で上値を試す展開を予想している。今後1ヵ月の日経平均の予想レンジは2万1500~2万3000円前後。テクニカル的には52週移動平均線(2万1400円前後)が下値のサポートラインとなるだろう。
10月上旬の焦点は10~11日に予定されている米中貿易協議の閣僚会議だ。15日に計画されている米国による対中貿易関税引き上げの延期などの動きなどが出れば好材料視されるだろう。
下旬の注目ポイントは米国および日本の決算発表だ。第2四半期(4-9月)までの日本企業の業績は良くないだろうが、そのことは今夏の株価下落ですでに織り込んでいる。ある程度の悪い決算なら織り込み済みの反応で、株価は反発することも予想される。
外国人投資家には引き下げていた日本株のポジションを戻す動きも観測されており、一部の長期投資家からの買いは入ってきている様子だ。国内勢は買い戻しを強めており、需給関係は改善しつつある。8月の下落場面で日経平均株価はPBR1倍前後で反発に転じている。東京株式市場の割安さも見直し要因となっているだろう。
個別銘柄では、「燃料電池」や「水素ステーション」関連、それに「5G」関連銘柄などに注目している。燃料電池および水素ステーション関連では、宮入バルブ製作所 <6495> [東証2]や三菱化工機 <6331> 、大陽日酸 <4091> など。5G関連では、アンリツ <6754> のほか、協和エクシオ <1951> やコムシスホールディングス <1721> などに注目している。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。
株探ニュース