【杉村富生の短期相場観測】 ─ Tech(技術革新)がマーケットを救う!
「Tech(技術革新)がマーケットを救う!」
●イノベーションは日本の“生命線”!
イノベーション(技術革新)が日本、およびマーケットを救う、と主張している。その柱は第4次産業革命(キーワードはCAMBRIC)、Society5.0(社会改革)である。産業構造は劇的に変化し、AI(人工知能)が日常生活に入り込むだろう。
M(モビリティ)の未来はCASE、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)に集約される。現在、自動車メーカーの収益源は「新車販売」だが、将来的にはこれがMaaSにとって代わられる、という。当然、車載ソフト市場は急成長が期待できる。
さて、今回は総務省の「情報通信白書」(IoTによるイノベーションと新たなエコノミー形成)をベースにTechについて、考えてみよう。
すなわち、Retail Tech(Eコマース、電子決済)、FinTech(金融、運用)、MarTech(広告、データ管理)、FashTech(ファッション)、RETech(不動産)、HRTech(人事、採用、求人、労務管理)、EdTech(教育)、MedTech(電子カルテ)などである。
さらに、筆者はディープテック、フィジカルインターネットなどに注目している。フィジカルインターネットは物流革命だ。物のインターネットと称されている。海外ではアマゾン・ドット・コムが注力、日本ではラクスル <4384> が先行投資(シェアリングプラットフォーム「ハコベル」)を拡大させている。
●Lib Work、リクルートに妙味!
RETechの申し子的な存在なのがLib Work <1431> [東証M]だ。熊本県山鹿市(温泉、灯籠まつりが有名)に本社を置き、WEBサイトを武器に土地の仕入れ、集客を行っている。現在の営業エリア(戸建て住宅)は熊本、福岡、佐賀、大分だが、このビジネスモデルは全国展開が可能と思う。業績は好調に推移している。2019年6月期は3期連続の最高益(1株利益は154円)となった。20年6月期も最高益を見込んでいる。1株利益は173円となる。今期の配当は11円増の36円(株式分割考慮前)としている。
HRTechはヒューマン・リソースだ。この分野の第1人者はリクルートホールディングス <6098> だろう。世界最大の求人情報検索サイト「Indeed」は月間2億5000万人以上、口コミサイト「glassdoor」は同6000万人以上が利用している。HRテクノロジー事業(売上構成比14%)は第1四半期(4-6月)に前年同期比48%増収を達成した。外国人はFANGに対抗できるグローバルIT企業として認知している、という。
なお、全般相場については利食い優先の展開となっているが、筆者はまったく心配していない。それに、個別株物色機運は旺盛だ。インフォマート <2492> 、キーエンス <6861> 、M&Aキャピタルパートナーズ <6080> 、テクノホライゾン・ホールディングス <6629> [JQ]、IMAGICA GROUP <6879> などが人気を集めている。
2019年11月1日 記
株探ニュース