「量子コンピューター」再浮上の兆し、英量子ベンチャー参入で風雲急<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で「量子コンピューター 」が7位となっている。
コンピューターの基本コンセプトである「01」ではなく、量子力学的な重ね合わせなど極微の領域で起こり得る物理現象により並列コンピューティングを実現させる「量子コンピューター」に世界が注目している。スーパーコンピューターでおよそ1万年かかる計算問題をわずか数分で導き出すという夢のような現実を、今年10月に米グーグルが実証実験で成功させ脚光を浴びたのは記憶に新しい。
AI先進国の米国では次世代コンピューティングの最右翼である量子コンピューター開発にも積極的に取り組む企業が多く、グーグル以外に、アマゾン、フェイスブック、アップルなど「GAFA」と呼ばれる時価総額上位の主力IT企業がしのぎを削っている。
日本でもこれにキャッチアップすべく富士通<6702>やNEC<6701>など大手ハイテク企業やNTTグループなどが注力姿勢を明示している。そうしたなか、直近では今月19日に日米両政府が量子コンピューターなど次世代の量子技術の研究について連携強化の共同声明に署名、国を挙げて資金をつぎ込み量子分野で多数の特許を獲得する中国に対抗する動きを明確にしている。また、同日に米IBMと東京大学が量子コンピューターの研究開発で協力することを発表、IBMは現在開発中の機種を日本に設置して、実用的機能を高めていく計画。
更に同日、英ケンブリッジ大学発の量子コンピューターソフトベンチャーCQCも日本に本格参入すると発表しており、業界の耳目を集めた。CQCは量子理論を応用したサイバー対策装置や量子コンピューター導入をサポートするソフトなどを企業に提案するほか、量子科学に精通した人材確保・育成も手掛ける方針にある。
こうした一連の流れを受け、東京株式市場でも量子コンピューター関連に位置付けられる銘柄に物色の矛先が改めて向かう可能性がある。関連銘柄としては富士通<6702>、NEC<6701>、NTT<9432>のほか、フィックスターズ<3687>、テラスカイ<3915>、エヌエフ回路設計ブロック<6864>、YKT<2693>、ユビキタスAIコーポレーション<3858>、ブレインパッド<3655>、日本ラッド<4736>などがマークされる。