「量子コンピューター」が12位にランク、政府は研究開発ロードマップを提示<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「量子コンピューター」が12位となっている。
政府は21日に開いた統合イノベーション戦略推進会議で、量子技術の研究開発に関する国の指針「量子技術イノベーション戦略」を決定した。量子技術は物理法則に基づくテクノロジーで、将来の経済や社会に変革をもたらす技術として世界的に注目されている。日本は長年にわたる基礎研究の蓄積により、基礎理論や知識・基盤技術などで優位性を持っているものの、技術の実用化や産業化(システム化)に向けた取り組みでは米国や欧州、中国に比べて遅れが目立っている。
こうしたなか、政府は「量子技術イノベーション戦略」のなかで、今後10~20年を見据えた研究開発の工程表(ロードマップ)を提示。例えば「ゲート型量子コンピューター(超伝導量子ビット)」では大規模で複雑な計算を高速・高精度・低消費電力で実行可能な汎用デジタル量子コンピューターを実現するほか、「量子ソフトウェア(ゲート型)」は材料・医学・創薬・機械学習・金融・セキュリティーなど幅広い計算に使う性能を目指し、「量子ソフトウェア(アニーリング型)」では交通や工場プロセス、製造スケジュールの最適化から自動運転技術の応用まで、さまざまな最適化問題への対応につなげる構えだ。
関連銘柄では、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の第2期課題「光・量子を活用したSociety 5.0実現化技術:光電子情報処理」の研究課題に関わる委託先として選定されているフィックスターズ<3687>、量子コンピューターを使った課題解決を目指す子会社を持つテラスカイ<3915>、量子暗号通信技術を用いた全ゲノム配列データの伝送を世界で初めて実証した東芝<6502>、量子コンピューティング領域に本格参入したNEC<6701>、量子アニーリング技術研究開発ソリューションを提供するシグマアイ(東京都港区)に出資しているスパークス・グループ<8739>などに注目したい。