今週の【早わかり株式市況】反発、米株高や新型コロナ薬の開発期待で買い優勢
■今週の相場ポイント
1.日経平均は上下に変動幅の大きい展開ながらも、週間では350円あまり上昇
2.週初は前週末の米株高を受けリスク選好ムード、日経平均は大幅高でスタート
3.祝日を挟み週後半に再びリスクオン、約2ヵ月ぶりの2万円大台復帰果たす
4.FRBの無制限量的緩和継続や新型コロナ薬の開発進展期待で市場心理が改善
5.週末は低調な米経済指標を嫌気、5連休前の手仕舞い売りで570円強の下げ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比357円(1.86%)高の1万9619円と反発した。
今週は、週央が祝日で休場であったため4営業日の商いとなったが、米国株市場の動向を意識しながら上下にボラティリティの高い週となった。2万円大台を回復する場面もあったが週末は5連休前の手仕舞い売りで大幅安となり、結局1万9600円台で着地。
27日(月)は前週末の米国株高でリスク選好ムードが漂うなか、日銀が追加金融緩和を決定したことなどがプラス材料として働き、日経平均は500円を超える上昇をみせた。28日(火)はFOMCを前に売りも買いも様子見の展開となり、大引けは12円安と今週の中では唯一小動きの日となった。29日(水)は昭和の日で東京市場は休場。そして30日(木)は先物主導で日経平均は再び大きく上値を指向した。その前日の米株市場では、FOMCでFRBが無制限量的緩和の継続を決定したことなどで買い安心感が広がったほか、新型コロナウイルス治療薬の開発が進展するとの期待も市場心理を改善させた。東京市場もこの流れを引き継ぐ格好となった。日経平均は400円以上水準を切り上げ、約2ヵ月ぶりの2万円大台回復を果たした。しかし、5月相場入りとなった1日(金)はこの勢いが続かなかった。低調な米経済指標が相次いだことから前日の米株市場が反落、東京市場も5連休前ということもあって手仕舞い売りがかさんだほか、先物を絡めた下落圧力も加わり、570円あまりの大幅な下げで再び1万9000円台に押し戻された。
■来週のポイント
ゴールデンウイークの連休で7日、8日の2日間だけの取引となる来週は連休中の海外株式市場の動向にもよるが、当面2万円を巡る攻防となりそうだ。
重要イベントとしては、国内では8日にオプションSQ算出日を迎える。海外では5日発表の米国3月貿易収支や7日発表の中国4月貿易収支、8日発表の米国4月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(4月27日~5月1日)
【↑】 4月27日(月)―― 急反発、米株高を受け先物主導の買い戻し優勢
日経平均 19783.22( +521.22) 売買高12億4740万株 売買代金 2兆0113億円
【↓】 4月28日(火)―― 小反落、大型連休を控え上値の重い展開
日経平均 19771.19( -12.03) 売買高12億3355万株 売買代金 2兆1141億円
【↑】 4月30日(木)―― 大幅高、米株高を受け2万円大台を回復
日経平均 20193.69( +422.50) 売買高17億1766万株 売買代金 3兆0584億円
【↓】 5月 1日(金)―― 大幅反落、連休控え利益確定売りが膨らむ
日経平均 19619.35( -574.34) 売買高13億6465万株 売買代金 2兆2980億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、22業種が上昇
(2)輸出株は日立 <6501> など電機が値上がり率トップ、SMC <6273> など機械も高いが
トヨタ <7203> など自動車は低調
(3)内需株もまちまち
リクルート <6098> などサービス、三井不 <8801> など不動産は上昇も、JR東日本 <9020> など陸運、味の素 <2802> など食品は下落
(4)住友鉱 <5713> など非鉄、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった素材株は総じて堅調
(5)金融株は野村 <8604> など証券、オリックス <8591> などその他金融は上昇も
みずほFG <8411> など銀行、東京海上 <8766> など保険は動き鈍い
(6)原油反発で国際石開帝石 <1605> など鉱業、JXTG <5020> など石油は高い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) テレワーク
2(2) コロナウイルス ── 物色テーマの背景に「新型コロナ」の銘柄群
3(3) 5G
4(4) 人工知能(AI)
5(9) 巣ごもり ── 巣ごもり長期化で増えるのは? 脚光“家計防衛”関連株
※カッコは前週の順位
★2日~6日に「ゴールデンウイーク特集」を一挙、“29本”配信します。ご期待ください。
株探ニュース