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2020年6月1日 17時44分
市況

明日の株式相場戦略=「スーパーシティ構想」でAI周辺に再脚光

週明けの東京株式市場は、名実ともに6月相場入りとなった。過去10年を振り返って6月相場は月足で7回陽線をつけており、勝率にして7割と悪くない。「セル・イン・メイ」の格言で有名な5月を大陽線で通過するなど今は意気軒高だが、この流れが6月以降も継続するのか否か、目先過熱感も気になるところではある。ちなみに5月は過去10年間で4勝6敗と買い方に分が悪い月だが、月初こそ574円安の1万9619円と波乱のスタートとなったものの、そこから敢然と切り返し、前週末29日の終値は2万1877円で着地している。この展開は買い方ががっぷり四つで勝利したというよりは、売り方の“狼狽買い”の色が強い。自ら踏み上げ相場の陥穽(かんせい)にはまってしまった感がある。

足もとは経済活動がグローバルに動き出し、各国政府や中央銀行の財政出動及び金融緩和策の追い風も心地よいが、実勢経済がV字回復を果たすというシナリオの成就には困難が多い。感染第2波への懸念も拭い切れない段階にあり、米中間の対立先鋭化も考慮して中期スタンスで株式を買い溜めるという投資行動は、ここ2カ月くらいのタームでみて機関投資家の選択肢にはなかったはすだ。ロングポジションを肯定化するにあたって論理的には説明がつきにくい。しかし、「株は需給」であるということを3月下旬以降の相場は誰よりも雄弁に語った。この需給の歯車が逆回転するまでは、懐疑の森をひたすら奥へ奥へと突き進むことになる。

外国人投資家は5月第3週(18日から22日の週)に現物、先物ともに買い越した。現先合計で実に15週ぶりの買い越しである。また、同週末の裁定取引の現物売り残高もピークを更新している。とすると、需給環境面からパニック的な買い戻しは、前週(5月第4週)、そして今週とまだ続くということも考えられる。少なくとも日経平均2万円台を回復してからここまでの上値追いトレンドは、“経済活動の再開期待を買う”というような生やさしいものではなかった。理屈ではなく需給のなせる業というよりない。

個別では5月初旬に着目した識学<7049>が、ウィズコロナのカオスを活躍の舞台にするという思惑かどうかは分からないが、強力に下値を切り上げている。4月8日に300円近辺で取り上げたアクモス<6888>も押し目を交えながら上値指向が強い。手前味噌となるが4月1日から継続してフォローしてきたFRONTEO<2158>は、ほぼ4.5倍となった。人工知能(AI)関連を筆頭にデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れに乗る銘柄は、いったんスイッチが入るとなかなか回転が止まらない。

くしくもAIやビッグデータを活用した「スーパーシティ」構想が政治的な後押しで動き出した。27日に参院本会議で可決し成立した「改正国家戦略特区法」がそれだ。AI関連ではALBERT<3906>、ブレインパッド<3655>をはじめ、フォーカスシステムズ<4662>、サイオス<3744>、ホットリンク<3680>なども強い動きだ。

新しいところではソニーグループのネット広告配信企業でAI分野にも注力するSMN<6185>が動兆しきりで要マーク。また、住宅建設向けソフトを開発し「AIパワード工務店」などAI活用に積極的なKSK<9687>なども今は板が薄いものの、マーケットの視線が向きさえすれば意外な人気素地を内包している可能性がある。

スーパーシティ構想の眼目のひとつであるドローンでは前週取り上げたアジア航測<9233>が大きく上に放れてきたが、継続注目しておきたい。

このほか、マイナンバー絡みでは注目してきたITbookホールディングス<1447>やキャリアリンク<6070>以外に、折に触れ駿足を発揮するクロスキャット<2307>を改めてマークしておく場面か。

日程面では、あすは5月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から開示され、引け後には財務省から5月の財政資金対民間収支が発表される見込み。10年国債の入札も予定されている。海外では、豪州中銀が政策金利を発表する。

(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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