【投資部門別売買動向】海外勢は3週合計の買越額が1.6兆円(現先合算)に膨らむ (6月1週)

市況
2020年6月11日 20時05分

●海外勢が現物・先物合算で3週連続買い越し、3週合計の買越額は1.6兆円に膨らむ

東証が11日に発表した6月第1週(1日~5日)の投資部門別売買動向(現物)によると、経済底入れ期待で上値追い続き日経平均株価が前週末比985円高の2万2863円と大幅高で3週連続の上昇となったこの週は、海外投資家が2週ぶりに買い越した。買越額は2613億円と2月1週以来、4ヵ月ぶりの高水準だった。前週は216億円の売り越しだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向でも日経平均先物とTOPIX先物の合計で3週連続買い越し、買越額は5820億円と前週の4292億円から拡大した。現物と先物の合算でも3週連続で買い越し、買越額は8433億円と前週の4075億円から急拡大した。3週合計の買越額は1兆6270億円に膨らみ、出遅れていた海外投資家が買い姿勢を強めてきていることが鮮明となった。証券会社の自己売買部門が3週連続で買い越し、買越額は3109億円と前週の4983億円から大幅に縮小した。

一方、個人投資家が3週連続で売り越し、売越額は2980億円と前週の3315億円から縮小したものの、高水準が続いた。投資信託部門は12週連続で売り越し、売越額は1547億円と前週の548億円から大幅に増加した。

相場が急回復する中、海外投資家が現物・先物合算で3週連続買い越し、3週合計の買越額は1.6兆円に膨らんだ。

■投資部門別売買代金差額 (6月1日~5日)

東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全49社)]

※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し

  海外投資家 信託銀行 個人合計 [  現金  信用 ] 日経平均 ( 前週比 )

6月 ―――

第1週     2,613   ▲24  ▲2,980 [ ▲2,818  ▲161 ] 22,863円 ( +985 円)

5月 ―――

第4週     ▲216   ▲184  ▲3,315 [ ▲3,059  ▲256 ] 21,877円 ( +1489 円)

第3週      772   ▲497   ▲798 [ ▲1,048   250 ] 20,388円 ( +350 円)

第2週    ▲1,296   ▲428   1,882 [   758  1,124 ] 20,037円 ( -141 円)

第1週    ▲1,206    91    170 [   106   64 ] 20,179円 ( +559 円)

4月 ―――

第5週    ▲1,482    113    65 [  ▲476   542 ] 19,619円 ( +357 円)

第4週    ▲3,483    23   1,867 [   747  1,119 ] 19,262円 ( -635 円)

第3週    ▲3,019   1,249   ▲43 [  ▲601   557 ] 19,897円 ( +398 円)

第2週      543   2,681  ▲1,584 [ ▲1,277  ▲307 ] 19,498円 ( +1678 円)

第1週     ▲654   2,790    255 [  ▲431   686 ] 17,820円 ( -1569 円)

3月 ―――

第4週    ▲9,517   4,450  ▲1,232 [   261 ▲1,493 ] 19,389円 ( +2836 円)

第3週    ▲4,134   2,458   2,424 [  2,968  ▲544 ] 16,552円 ( -878 円)

第2週    ▲6,793    286   1,708 [  2,819 ▲1,111 ] 17,431円 ( -3318 円)

第1週    ▲1,535    236   5,554 [  4,466  1,087 ] 20,749円 ( -393 円)

2月 ―――

第4週    ▲3,656   ▲114   3,163 [  2,119  1,044 ] 21,142円 ( -2243 円)

第3週     ▲353  ▲1,385    973 [   612   360 ] 23,386円 ( -300 円)

第2週     ▲494   ▲467    580 [   94   485 ] 23,687円 ( -140 円)

第1週     2,819  ▲1,313  ▲3,187 [ ▲2,415  ▲771 ] 23,827円 ( +622 円)

※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。

※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。

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