大谷正之氏【再び週明けロケットスタート、日経平均の上値は】(1) <相場観特集>
―後場一段高で500円近い上昇、このまま突き進めるか―
13日の東京市場は前週末の米株高を受け吹っ切れたような上げ足をみせ、日経平均株価は高値引けで500円近い上昇をみせた。米国では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、日本国内でも感染第2波を警戒する流れとなっているが、株式市場だけでみればコロナ耐性がついたような値運びだ。日経平均は2万2000円台半ばのもみ合いを大きく上に放れることができるのか否か、ここからの相場見通しについて先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。
●「テレワークや物流関連株の活躍に期待」
大谷正之氏(証券ジャパン 調査情報部長)
13日の日経平均は大幅高となったが、チャート上の上値を抜けるには一目均衡表の雲の上限である2万2857円を更新する必要がある。この水準を抜ければ、次は6月高値の2万3185円が目標となるだろう。
これから米国と日本の第2四半期決算が発表され、その内容次第で、日経平均は上下どちらかに放れる可能性はある。ただ、決算発表を経ても、依然として下期以降には不透明感が残るだけに相場は大きく動くことはない、かもしれない。足もとで東京都の新型コロナ感染者数が増加していることが警戒されているが、今春に比べPCR検査の実施数は増えているほか、重症者や死亡者数は抑えられている。このため、新型コロナ感染者数の増加を過度に不安視する必要はないと思う。
こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均のレンジは2万2000~2万3200円前後を想定している。基本的なトレンドは、一進一退の継続を見込んでいる。
個別銘柄では、「テレワーク 」関連でクラウド絡みの日本オラクル <4716> 、セキュリティー絡みでSHIFT <3697> や、サイバーセキュリティクラウド <4493> [東証M]、それに電子契約サービスで弁護士ドットコム <6027> [東証M]など。それに、電子商取引の活発化で需要増が見込める「物流 」関連株でSGホールディングス <9143> やダイフク <6383> 、それにユーピーアール <7065> [東証2]などに注目している。
(聞き手・岡里英幸)
<プロフィール>(おおたに・まさゆき)
1960年生まれ。立正大学文学部卒、83年丸和証券入社、営業を経て96年から現職。日本テクニカルアナリスト協会 検定テクニカルアナリスト(CFTe)、AFP(日本FP協会認定)、(内閣府認証)NPO法人金融証券マーケットフォーラム理事。トレンドの芽をいち早くキャッチすべく、フィールド重視の調査を心がけている。
株探ニュース