【杉村富生の短期相場観測】 ─ 続く流れに逆らうな、ついていくのが儲けの道!

市況
2020年7月12日 9時15分

「続く流れに逆らうな、ついていくのが儲けの道!」

●PBR40倍超のテスラと0.9倍のトヨタ!

日経平均株価NYダウともに“高値しぐれ”状態に陥っている。ただし、政策対応の効果があって、この局面では2~3月のような大崩れは考えにくい。それに「GAFA+M(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム+マイクロソフト)」に牽引された格好のナスダック指数は堅調だ。連日の史上最高値更新である。

ナスダック上場のテスラも負けていない。何と、9日時点の時価総額は27.6兆円だ。EV(電気自動車)の将来性を評価しているのだが、現在の年間販売台数は36万台にすぎない。最終損益は8億~9億ドルの赤字予想である。しかし、PBR(PERではない)は42.8倍に買われている。

一方、日本企業の時価総額トップのトヨタ自動車 <7203> は21.9兆円、PBRは0.91倍と、解散価値以下に放置されている。これはどうしたことか。だが、これが現実である。投資家としてはこれを素直に受け止めるしかない。古来、続く流れに逆らうな、ついていくのが儲けの道、という。

ちなみに、GAFA+MのPBRはグーグルは5倍前後にとどまっているものの、アップルは17.5倍、フェイスブックは76.8倍、アマゾン・ドット・コムは22.9倍、マイクロソフトは15.6倍に買われている。仮に、トヨタ自動車をPBR5倍に評価すると、株価は3万8700円になってしまうが…。

いまや、世界の投資マネーが何のためらいもなく一斉に、ナスダック市場の一握りのIT企業に向かっている。まさに、赤信号みんなで渡れば怖くない、ということか。恐ろしい話だが、これがバブル? まあ、そうだと思う。

●新型コロナウイルスは空気中を浮遊する?

さて、新型コロナウイルスは収束の兆しがまったく見えない。いや、増え続けている。世界の感染者数は1100万人を突破、死者は50万人を超えた。特に、アメリカがひどい。感染者数は1日5万人超、累計では300万人を超え、死者は13.2万人となっている。

アメリカの悲劇の要因としてはマスクをする習慣のなさに加え、保険制度の不備、貧富の格差、経済活動再開を急ぎすぎたツケ、室内で靴を脱がない生活スタイルなどがあろう。新型コロナウイルスは感染者が咳をした場合、微少飛沫(エアロゾル)は地面(床)に落ちず、空気中を浮遊し、遠くまで移動する。

これを防ぐには高効率エアフィルター、紫外線ランプの導入が不可欠だ。それと、当たり前だが、室内では靴を脱いだ方がよい。ワイエイシイホールディングス <6298> は発光ダイオード(LED)を使って細菌、ウイルスを分解する空気清浄機(70平方メートルタイプが1台26万円)を手掛けている。

試験機関の検査では作動90分後に、浮遊菌を99.8%除去できた、という。初年度10万台の販売を見込んでいる。新型コロナウイルスが空気感染する可能性については32カ国の専門家(239人)が警告し、WHO(世界保健機関)や各国の保険当局に対し感染防止策の見直しを求めている。WHOも空気感染の恐れは排除できないとしている。

このほか、個別銘柄では半導体関連の出遅れのダイトーケミックス <4366> [東証2]、大上放れのクリーク・アンド・リバー社 <4763>AIビッグデータ事業を育成中のデータセクション <3905> [東証M]、ネットサービス「BASE」のショップ開設が好調なBASE <4477> [東証M]などに注目できる。

2020年7月10日 記

株探ニュース

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