前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年7月31日 5時30分

■ブライトパス <4594>  297円 (+63円、+26.9%) 一時ストップ高

ブライトパス・バイオ <4594> [東証M]が急反騰、一時ストップ高に買われた。同社は30日、国立がん研究センターとの共同研究で、 新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンとなり得る複数の候補ペプチドを同定したと発表しており、これが材料視されたようだ。両者はこのほど、新型コロナの原因ウイルスに対する細胞性免疫(T細胞)の誘導を特徴とするペプチドワクチン候補を同定。今回同定したペプチドで日本人に多いHLA(ヒト主要組織適合性遺伝子複合体)型が広くカバーされ、日本人での高い有効性が期待されるとしている。

■両毛システム <9691>  2,188円 (+400円、+22.4%) ストップ高

両毛システムズ <9691> [JQ]がストップ高に買われた。29日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4-6月)の連結業績は、売上高32億8200万円(前年同期比9.2%増)、経常利益1億5900万円(同2倍)となり、これを好材料視する買いが入った。公共事業セグメントのソフトウェア開発・システム販売分野で水道事業者向けシステム販売などが好調だったことが収益を押し上げた。上期計画の2億400万円に対する進捗率は8割近くに達しており、業績上振れが期待された。

■GMOペパボ <3633>  4,300円 (+700円、+19.4%) ストップ高

GMOペパボ <3633> [東証2]がストップ高。同社は個人向けを主体とするレンタルサーバやEC支援ビジネスを展開するが、時流を捉え足もとの業績は絶好調に推移している。29日取引終了後に発表した20年12月期上期(1-6月)決算は、営業利益段階で前年同期比23%増の6億2300万円と大幅な伸びを達成した。特に4-6月期に限れば、前年同期実績の2倍以上となっており、これを評価する形で投資資金の流入が加速した。

■DLE <3686>  522円 (+80円、+18.1%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。ディー・エル・イー <3686> がストップ高。前々日の28日にもストップ高に買われる人気となったが、29日は地合い悪のなか目先筋の売りで急反落を余儀なくされていた。しかし、短期資金の回転売買が中心で上値にしこりはなく、30日は改めて買い直される展開となった。中国企業が提供する人気アプリ「TikTok(ティックトック)」について個人情報漏洩へのリスクが取り沙汰され、今週に入り自民党の議員連盟が利用制限を求める提言を出すと伝わったことが、今回の物色人気化の背景にある。短編動画投稿プラットフォームアプリを運営するTriller(トリラー)への投資を行っているDLEにとってティックトックは競合するアプリであり、今回の制限要請が追い風材料となるとの思惑が継続的な買いを誘導した。

■アサヒHD <5857>  3,635円 (+520円、+16.7%)

東証1部の上昇率3位。アサヒホールディングス <5857> が一時前日29日比18.3%高の3685円と急騰し、年初来高値を更新した。29日の取引終了後、21年3月期の連結税引き前利益が過去最高の208億円(前期比17.8%増)になりそうだと発表。従来予想の158億円(同10.5%減)から大幅上方修正となり、これを好材料視する買いが入った。貴金属リサイクル分野における貴金属回収量の確保に加え、貴金属価格の上昇が追い風となる。また、北米の貴金属精錬分野で製品加工・販売や金融取引が増加することなども収益を押し上げる。業績好調に伴い、今期配当を従来計画の140円から160円(前期は130円)に増額修正することも明らかにした。前日終値ベースの配当利回りは5%を超えており、株主還元の強化も好感された。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)の同利益は前年同期比63.1%増の53億1100万円だった。

■イーブック <3658>  4,025円 (+550円、+15.8%)

東証1部の上昇率4位。イーブックイニシアティブジャパン <3658> が7連騰、13年5月以来の4000円台を回復した。29日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)単独決算が、売上高70億5500万円(前年同期比51.4%増)、営業利益4億800万円(同2.2倍)、純利益2億8300万円(同2.3倍)となり、営業利益は第1四半期として過去最高となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染予防のため自宅で電子書籍を読む市場ニーズが高まったことなどで新規ユーザー数が増加したほか、各種販促キャンペーンが奏功し、主力の電子書籍事業が大幅に伸長した。また、EC需要の高まりを受けて紙書籍のオンライン販売も好調だった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高235億円(前期比10.4%増)、営業利益8億8000万円(同10.9%増)、純利益6億円(同10.1%増)の従来見通しを据え置いている。

■SEHI <9478>  189円 (+20円、+11.8%)

SEホールディングス・アンド・インキュベーションズ <9478> [JQ]が急反騰。29日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視された。上限を37万5000株(発行済み株数の1.65%)、または7500万円としており、取得期間は7月30日から9月25日まで。経済情勢の変化に対応した機動的な経営を遂行できるようにするのが目的としている。

■日精化 <4362>  1,573円 (+162円、+11.5%)

東証1部の上昇率5位。日本精化 <4362> が3日ぶり急反騰。同社は29日取引終了後に、21年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比22.9%増の10億3100万円となり、上半期計画13億5000万円に対する進捗率は76.4%となった。売上高は同3.4%増の73億9500万円で着地。新型コロナウイルス感染症対策製品への需要増加で、環境衛生分野の販売が増加したことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■三社電機 <6882>  589円 (+60円、+11.3%)

三社電機製作所 <6882> [東証2]が急反騰。同社は29日大引け後に決算を発表。21年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は4400万円の赤字(前年同期は1億1500万円の黒字)に転落した。

■ビーグリー <3981>  2,324円 (+212円、+10.0%)

東証1部の上昇率9位。ビーグリー <3981> が急反騰。30日は2200円台後半まで買われ、2017年6月以来約3年ぶりの高値圏に浮上した。スマートフォン向けに電子コミックの配信サービスを手掛けているが、新型コロナウイルスの感染拡大が外出自粛の動きを促しており、巣ごもり消費需要を取り込んでいる。同社が展開する「まんが王国」は国内最大級。株式需給面では外資系大手の大量保有で思惑を呼んでいる。19年12月期業績は営業利益段階で前の期比58%増と急回復を果たした。20年12月期上期(1-6月)の決算発表については8月14日に予定されているが、同じく電子書籍関連のイーブックイニシアティブジャパン <3658> が前日29日に好決算を発表し人気化したこともあって、その連想も働いたもようだ。

■テラ <2191>  1,299円 (+109円、+9.2%)

テラ <2191> [JQ]が急反発。同社は29日夕刻に子宮内膜由来幹細胞の投与終了と治療効果概要について、27日と28日に続き経過を開示、メキシコ・イダルゴ州保健局への薬事申請についてセネジェニックス・ジャパンから当該薬事申請にかかわる申請書類を受領したことを発表した。同社の株価は、「業務提携の経過に関する不明確な情報が生じている」と東証から注意喚起されたことなどを受け、ストップ安を含めここ連日で大幅下落を余儀なくされていたが、目先は突っ込み警戒感もありリバウンド局面に入っている。株式需給面では直近、外資系経由の空売り残の増加が観測されており、その買い戻しを誘発した面もあるようだ。

■チェンジ <3962>  9,160円 (+740円、+8.8%)

チェンジ <3962> が急反発。同社は29日取引終了後に、20年9月期第3四半期累計(19年10月-20年6月)の連結決算速報値を公表。売上高は前年同期比64.5%増の87億6500万円、営業利益は同4.1倍の33億1600万円になったようだと発表した。子会社のトラストバンクが運営している、ふるさと納税プラットフォーム「ふるさとチョイス」で、取り扱い寄附額が伸長したことや手数料率が向上したことなどが寄与。また、中期経営計画の達成に向けた施策に対する投資とのバランスを重視したコストコントロールを行ったことが利益を押し上げた。こうした状況を踏まえ会社側では、8月12日に予定している第3四半期決算発表時に通期業績予想の上方修正ができる見込みだとしている。

■北陸電 <9505>  694円 (+43円、+6.6%)

北陸電力 <9505> が急反発。29日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.7倍の154億100万円に急拡大して着地したことが好材料視された。売上高は総販売電力量の増加があったものの、燃料費調整額の減少などから1473億1100万円と前年並みだった。一方、利益面は火力発電設備に係る修繕費の減少や燃料価格の下落を受け大幅増益となった。なお、通期業績予想は未定のままとしている。

■エムスリー <2413>  5,430円 (+310円、+6.1%)

エムスリー <2413> が続急伸。株価は29日比9%高の5580円まで上値を伸ばし、上場来高値を更新した。29日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算(国際会計基準)は、売上高354億7800万円(前年同期比15.3%増)、税引き前利益112億2200万円(同25.8%増)と2ケタ増収増益達成しており、これが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、製薬会社からマーケティング支援の受注が急増し、メディカルプラットフォーム事業の収益が大きく伸びた。また、オンラインサービスの需要増加で中国などアジア地域を中心に大きく成長した海外事業も業績拡大に貢献した。なお、通期業績見通しは新型コロナウイルスの影響を合理的に算出することが困難であることから引き続き未定としている。

■カゴメ <2811>  3,215円 (+155円、+5.1%)

カゴメ <2811> が3日ぶり急反発。同社は29日取引終了後に決算を発表し、第2四半期(4-6月)の事業利益が43億5500万円と市場予想(40億円前後)を上回ったことが好感された。国内外ともに外食向け商品の販売は落ち込んだが、国内の飲料や加工食品が堅調。巣ごもり消費による内食回帰で、家庭向けが伸びたことを評価する買いが流入した。

■RSテクノ <3445>  4,140円 (+185円、+4.7%)

RS Technologies <3445> が大幅反発し年初来高値を更新した。29日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、売上高を227億円から235億円(前期比4.1%減)へ、営業利益を32億円から43億円(同8.8%減)へ、純利益を24億円から28億円(同7.7%減)へ上方修正したことが好感された。上期において、米中通商摩擦による景気減速や新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮し、プライムシリコンウエーハ製造販売事業の業績悪化を想定していたが、顧客の需要増加により、想定していたほどの業績悪化に至らなかったことが要因としている。

■野村 <8604>  501.4円 (+21.6円、+4.5%)

野村ホールディングス <8604> が大幅反発。29日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比2.4倍の1818億1100万円に急拡大しており、これを好感する買いが向かった。3月のマーケット急変からの正常化や顧客の取引量増加などを背景に、フィクスト・インカムや米州・アジアのエクイティ収益が大きく伸び、ホールセール部門の収益が急拡大したことが寄与。ホールセール部門は米国会計基準の適用を開始した02年3月期以降で過去最高の収益となった。また、個人向け営業部門の採算が改善したことも大幅増益につながった。

■シマノ <7309>  23,030円 (+770円、+3.5%)

シマノ <7309> が大幅続伸、29日に700円超の上昇で上場来高値を更新したが、30日は一時1000円を上回る上昇で未踏の2万3000円台に乗せてきた。20年12月期は減収予想ながら最終利益段階では前期比13%増の583億円と2ケタ伸長を見込んでおり、好業績見通しを評価した機関投資家とみられる資金の流入が観測された。新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、通勤にバスや電車を使わずに自転車を利用する動きが強まっており、自転車部品大手の同社には社会構造の変化に伴う中期的な追い風が吹くとの見方が株高を後押ししたもよう。また、台湾でも大手自転車メーカーの株価が同様の背景で上場来高値をつけるなど、日本だけではなく海外市場でも似たようなテーマ物色の流れが確認された。

■ノジマ <7419>  2,797円 (+85円、+3.1%)

ノジマ <7419> が反発し、年初来高値を更新。株価は一時前日29日比4.9%高の2844円まで上昇する場面があった。30日付の日本経済新聞朝刊で「ノジマの2020年4-6月期の連結営業利益が前年同期比6割増の60億円程度となったもようだ」と報じられており、これが材料視された。記事によると、在宅勤務の普及で高単価のパソコンが伸びたほか、コロナ下での広告宣伝自粛による販管費の抑制も増益につながったという。4-6月期決算は8月4日に発表する予定で、好決算を先回りする買いが入ったようだ。

■不二家 <2211>  2,080円 (+60円、+3.0%)

不二家 <2211> が大幅反発。株価は一時前日29日に比べ7%超高に買われた。同社は29日取引終了後に決算を発表するとともに、20年12月通期の連結営業利益を22億円から18億円(前期比2.0%減)に減額修正することを明らかにした。レストラン部門の売り上げ減などが響く。ただ、市場では、すでに今期業績の下方修正を見込んでいた。むしろポジティブ評価されたのは第2四半期(4-6月)の同利益が1億3900万円の黒字となったこと。市場では、赤字を見込んでいただけに、底堅い業績を前向きに評価する買いが流入した。

■SBI <8473>  2,279円 (+64円、+2.9%)

SBIホールディングス <8473> が3日ぶりに反発。30日昼ごろ、4月に締結した三井住友フィナンシャルグループ <8316> との戦略的資本・業務提携に関し、スマートフォン向け金融サービスの提供などについて連携を強化していくと発表しており、これが好感され上げ足を強めた。同社グループのSBIネオモバイル証券と三井住友FG傘下の三井住友銀行との間で、金融商品・サービスの相互紹介や借入サービスの提供、両社のスマホアプリ内での口座連携などを行う。また、同じくSBIグループのSBI証券との間では、同社の顧客が三井住友銀行の店頭で相続相談が行える体制などを整備していくという。同時に、21年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表しており、売上高1111億100万円(前年同期比20.6%増)、純利益162億8400万円(同39.4%増)となった。

■パンパシHD <7532>  2,492円 (+69円、+2.9%)

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス <7532> が5日続伸。30日付の日本経済新聞朝刊で「2020年6月期の連結営業利益は、前の期比15%増の720億円強だったようだ」と報じられており、会社側の従来予想である710億円を上回ったとの観測が好材料視された。記事によると、新型コロナウイルスに対応して確保したマスクや消毒液などの販売が好調だったという。なお、決算発表は8月12日を予定している。

■SBG <9984>  6,898円 (+159円、+2.4%)

ソフトバンクグループ <9984> が6連騰。日経平均は5日続落と軟調地合いを強いられているが、そのなか日経平均寄与度が高く先物を絡めたインデックス売りの影響を受けやすい同社株が逆行高を続け、新値街道を走っていることにマーケットの視線が集まった。同社は29日取引終了後、新型コロナの感染を唾液で調べる「唾液PCR検査」を行う新会社を設立したことを発表、これが株価の上値追いを後押しする材料となった。企業や自治体の検査受託を今秋にも開始する予定で、1日当たり1万件の検査能力を整える方針で、今後の展開に期待がかかる。

※30日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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