今週の【早わかり株式市況】3週ぶり上昇、想定外に相場強く週末の米株急落も下げ限定的
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週ぶり上昇、前週末の安倍首相電撃退陣の急落から立ち直る
2.総裁選への菅官房長官出馬で、安倍政権の政策路線継続の思惑がプラスに
3.3日(木)までは最高値街道走るナスダック指数を横目に強気ムード優勢
4.菅官房長官の地銀再編を示唆する発言を受け地銀株の一角に買い人気集中
5.週末は前日の米株急落受け様相が一変、リスク回避売りも下げ幅は限定的
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比322円(1.41%)高の2万3205円と3週ぶりに上昇した。
今週は、前週末の安倍首相の電撃退陣発表で日経平均が大幅下落した後の翌週ということもあって、不安定な地合いが予想されたが株価は想定外の強さを発揮。週末は米株急落を受けて反落したものの下げ幅は比較的浅く、2万3200円台で今週の取引を終えた。
週明けの31日(月)は日経平均が250円あまり上昇。安倍首相の後継を選ぶ自民党の次期総裁選に菅官房長官が出馬の意向にあることが伝わり、安倍政権の政策路線が継続することへの思惑が買い安心感につながった。そして、名実ともに9月相場入りとなった1日(火)は利益確定売りに上値の重い展開となった。しかし、下値では買いが厚く容易には下がらない展開。模様眺めムードのなか微妙な強弱感のバランスで、結局日経平均は1円安と前日終値とほぼ変わらない水準で着地した。2日(水)は前日の米国株市場で半導体関連などハイテクセクター中心に買われ、これを手掛かり材料に買いが優勢に。ただ、上値を積極的に買い進む動きもみられず、上げ幅は100円強にとどまった。3日(木)は前日の欧米株が大幅に上昇するという世界的な株高を意識させる動きで、米株市場ではナスダック総合指数が連日最高値と気を吐いており、東京市場もこのリスクオンの流れに乗った。菅官房長官の地銀再編を示唆する発言を受け、株価中低位の地銀株が軒並み大幅高に買われる展開となった。そして週末4日(金)は前日の米株市場でNYダウが一時1000ドル超下落するなど波乱展開となりムードは一変。これを引き継ぐ形で東京市場でもリスク回避の売りがかさんだ。ただ、薄商いのなか下げ圧力も限定的であり日経平均は後半下げ渋った。
■来週のポイント
今週は底堅さを確認しただけに、来週は上値を追う展開が期待される。
重要イベントとしては、国内では7日発表の7月景気動向指数や8日朝に発表される7月国際収支、10日朝に発表される7月機械受注統計が注目される。11日にはメジャーSQを迎える。海外では7日発表の中国8月貿易収支や9日に発表される中国8月の生産者物価指数と消費者物価指数、10日に発表されるECBの政策金利、11日発表の米国8月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(8月31日~9月4日)
【↑】 8月31日(月)―― 4日ぶり反発、米株高や菅氏出馬への期待で買い優勢
日経平均 23139.76( +257.11) 売買高13億4148万株 売買代金 2兆3508億円
【↓】 9月 1日(火)―― 小反落、模様眺めムードでもみ合いに終始
日経平均 23138.07( -1.69) 売買高10億2769万株 売買代金 1兆8612億円
【↑】 9月 2日(水)―― 反発、米株高を受けてリスク選好の買い優勢
日経平均 23247.15( +109.08) 売買高 9億7648万株 売買代金 1兆8785億円
【↑】 9月 3日(木)―― 続伸、欧米株高に追随しコロナ急落前の水準を回復
日経平均 23465.53( +218.38) 売買高10億2167万株 売買代金 1兆9362億円
【↓】 9月 4日(金)―― 3日ぶり反落、米株急落でハイテク株中心に売り優勢
日経平均 23205.43( -260.10) 売買高10億7480万株 売買代金 1兆8713億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、25業種が上昇
(2)伊藤忠 <8001> など卸売業が値上がり率トップ、バフェット氏が大手商社5社の大株主に浮上
(3)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、三井金 <5706> など非鉄といった景気敏感株は買い継続
(4)日立 <6501> など電機、SUBARU <7270> など自動車といった輸出株も堅調
(5)内需株は不動産、サービス、陸運が上昇も
KDDI <9433> など情報・通信、武田 <4502> など医薬、日清粉G <2002> など食品は下落
(6)金融株はオリックス <8591> などその他金融、SBI <8473> など証券、三井住友FG <8316> など銀行は高いも
SOMPO <8630> など保険はさえない
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1(1) 2020年のIPO ── 人気沸騰のIPO市場、テンバガー出現で物色機運高まる
2(2) デジタルトランスフォーメーション(DX)
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※カッコは前週の順位
株探ニュース