株価指数先物 【週間展望】 ―NTロングによるスプレッド狙いのスタンスが有効か

市況
2020年10月18日 17時00分

「NTロング(日経225先物買い、TOPIX先物売り)によるスプレッド狙いのスタンスが有効か」

今週の日経225先物は引き続き2万3500円を支持線として意識した相場展開が見込まれる。

先週は欧州での新型コロナウイルス感染症の再拡大や、米大統領選や追加経済対策を巡る報道などに振らされる展開により売りアルゴが発動したとみられ、日経225先物は2万3400円を下回る場面もみられた。売りアルゴの発動で2万3500円を割り込んで週末の取引を終えているが、権利行使価格の2万3375円辺りまでの調整は想定内である。また、テクニカル面では25日移動平均線が支持線として意識されるため、同線をキープしている状況では下値を仕掛けづらい状況であろう。加えて、米大統領選や追加経済対策を巡る不透明感に加えて、米国では今・来週と決算発表がピークを迎える。このため商いは膨らみづらい需給状況でもあり、売り仕掛け的な動きに追随する流れにもなりづらい。

先週末はコンセンサスを上回る今期業績予想を発表したファーストリテイリング <9983> が、日経平均株価を100円超下支えした。このインパクトが今週も続くとは考えづらいため、反動を狙ったショートポジションが積み上がったとみられる。しかし、週末の欧州市場が軒並み上昇していたほか、米国市場ではハイテク株を中心に利益確定の売りがみられたものの、9月小売売上高や10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値の改善が材料視されてNYダウは100ドルを超える上昇となっている。新型コロナウイルス感染症の再拡大は警戒されるが、週初はショートカバーが優勢になりやすいだろう。

需給面では、10月第1週(5~9日)の投資主体別売買動向で外国人投資家が現物・先物合算で5866億円の買い越し(先物のみでは1696億円の買い越し)だった。前週にトランプ大統領のコロナ陽性が発表されたものの早期退院によってショートカバーがみられたほか、10月のSQ週だったこともあり、リスクオンのなかでヘッジに伴う買いが急がれた格好である。配当再投資に伴う先物から現物への差し替えの動きもあり、海外勢が明確に買い越しに転じてきているとの見方には見極めが必要であるが、海外勢に支えられた状況は安心感につながろう。

今週も欧州での新型コロナの再拡大や米大統領選、追加経済対策に関する報道に振り回される可能性には留意したい。しかし、国内では菅首相が11月にも追加景気対策を指示すると伝えられている。また、新型コロナについては日本は先進国の中で封じ込めに成功していることもあり、リスクオフの流れが強まるとは考えづらい。日本株を積極的にロングに傾ける流れは期待しづらいだろうが、コア銘柄にはヘッジ対応で買いが向かいやすく、これまで同様、NTロング(日経225先物買い、TOPIX先物売り)によるスプレッド狙いのスタンスが有効と考えられる。

先週のNT倍率は先物中心限月で14.48まで上昇してきており、上向きのトレンドが強まってきている。なお、今週はファミリーマート <8028> の臨時株主総会が22日に予定されており、伊藤忠商事 <8001> による買収が決議される。同社は日経平均の構成銘柄から除外されるが、日経平均構成銘柄に新規追加される銘柄が即日発表される可能性がある。新規追加の銘柄には買いが向かいやすいだろうが、除外される銘柄が新規採用銘柄より額面調整株価が大きければ、他の構成銘柄も買う必要があるため、TOPIX型にはヘッジ対応で買い需要が発生する可能性がある。そのため、TOPIX先物が強含む可能性があり、この需給要因によりNT倍率が低下する場面があれば、NTロングを積み上げる好機になりそうだ。

そのほかスケジュール面では、19日に中国7-9月期国内総生産(GDP)、中国9月小売売上高、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長会見、20日に独9月生産者物価指数(PPI)、米9月住宅着工件数、21日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、22日に米新規失業保険申請件数、米9月景気先行指標総合指数、23日には独10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、米10月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値などが予定されている。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値

6月限 日経225 22071.46  TOPIX  1550.43

7月限 日経225 22601.81  TOPIX  1555.00

8月限 日経225 23350.79  TOPIX  1626.38

9月限 日経225 23272.88  TOPIX  1627.21

10月限 日経225 23724.23  TOPIX  1658.41

◆日経225先物12月限(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

10月16日 23430  23530  23360  23410  -90

10月15日 23590  23630  23440  23500  -90

10月14日 23540  23650  23500  23590   0

10月13日 23510  23650  23480  23590  +70

10月12日 23600  23610  23480  23520  -50

◇TOPIX先物12月限(日足)

始値   高値   安値   清算値  前日比

10月16日 1626.0  1630.0  1614.0  1616.0  -14.0

10月15日 1640.5  1645.0  1627.5  1630.0  -11.0

10月14日 1643.5  1647.0  1636.0  1641.0  -6.5

10月13日 1639.5  1650.5  1638.0  1647.5  +7.5

10月12日 1646.5  1649.0  1635.5  1640.0  -4.0

●シカゴ日経平均 円建て

清算値 前日比

10月16日(12月限) 23515  +105

10月15日(12月限) 23500  0

10月14日(12月限) 23550  -40

10月13日(12月限) 23515  -75

10月12日(12月限) 23615  +95

※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)

売り     前週末比   買い   前週末比

10月9日  2兆0100億円 +1308億円  4588億円  +82億円

10月2日  1兆8791億円  +746億円  4506億円  +69億円

9月25日  1兆8044億円  +486億円  4436億円 +359億円

9月18日  1兆7558億円  +117億円  4076億円 +411億円

9月11日  1兆7441億円  +474億円  3665億円 -1864億円

9月4日   1兆6966億円  +860億円  5530億円 +419億円

8月28日  1兆6106億円  -411億円  5110億円 -105億円

8月21日  1兆6517億円  -184億円  5216億円 +184億円

8月14日  1兆6702億円 -1078億円  5031億円 +1271億円

8月7日   1兆7780億円 +1386億円  3759億円 +153億円

7月31日  1兆6393億円 -1332億円  3605億円  -93億円

7月22日  1兆7726億円  +319億円  3699億円  +15億円

7月17日  1兆7407億円  -825億円  3684億円 +500億円

7月10日  1兆8232億円  -214億円  3183億円 -665億円

7月3日   1兆8447億円  +241億円  3849億円  +60億円

6月26日  1兆8206億円  -672億円  3788億円 +147億円

6月19日  1兆8878億円  -480億円  3640億円 +786億円

6月12日  1兆9358億円 -3999億円  2853億円 -1746億円

6月5日   2兆3357億円  -896億円  4600億円 -384億円

5月29日  2兆4254億円 -1453億円  4984億円 +317億円

5月22日  2兆5707億円  +732億円  4666億円 +156億円

5月15日  2兆4974億円 +1437億円  4509億円 -681億円

5月8日   2兆3537億円  +687億円  5191億円 +195億円

5月1日   2兆2850億円 -1275億円  4995億円 +223億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)

売り      前日比    買い       前日比

10月14日  7億2215万株   +1120万株  1億8758万株    +19万株

10月13日  7億1095万株   -825万株  1億8739万株    +52万株

10月12日  7億1920万株    +55万株  1億8686万株   -551万株

10月9日  7億1865万株   +539万株  1億9197万株   -630万株

10月8日  7億1326万株   +201万株  1億9828万株   +506万株

10月7日  7億1124万株   +1521万株  1億9322万株    +20万株

10月6日  6億9603万株   -947万株  1億9301万株   -122万株

10月5日  7億0550万株   +167万株  1億9424万株   +203万株

10月2日  7億0383万株    -46万株  1億9221万株    +53万株

10月1日  7億0429万株    +74万株  1億9167万株   -303万株

9月30日  7億0355万株   +2572万株  1億9471万株   -2263万株

9月29日  6億7782万株   -1559万株  2億1734万株   +518万株

9月28日  6億9342万株   -1911万株  2億1216万株   +141万株

9月25日  7億1253万株   +387万株  2億1074万株   +1292万株

9月24日  7億0866万株   +284万株  1億9782万株    -83万株

9月23日  7億0582万株   +1695万株  1億9865万株   +402万株

9月18日  6億8886万株   -141万株  1億9463万株   +373万株

9月17日  6億9027万株   +275万株  1億9089万株   -224万株

9月16日  6億8751万株   -178万株  1億9314万株   +1685万株

9月15日  6億8930万株   -1543万株  1億7629万株   -338万株

9月14日  7億0473万株   +168万株  1億7967万株   +405万株

9月11日  7億0304万株   -7863万株  1億7562万株   -8195万株

9月10日  7億8168万株   +3538万株  2億5758万株   -653万株

9月9日   7億4630万株   +5336万株  2億6411万株   -917万株

9月8日   6億9293万株   -122万株  2億7329万株   +736万株

9月7日   6億9415万株    +40万株  2億6593万株    +43万株

9月4日   6億9375万株   +298万株  2億6549万株   +1342万株

9月3日   6億9076万株   -223万株  2億5207万株   -377万株

9月2日   6億9300万株   -249万株  2億5584万株   +199万株

9月1日   6億9549万株   +1472万株  2億5384万株   -571万株

8月31日  6億8076万株   +1202万株  2億5956万株   +733万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)

6月11日 1001億円

6月12日 1001億円

6月18日 1001億円

6月19日 1001億円

6月25日 1001億円

6月29日 1001億円

7月9日  1002億円

7月10日 1002億円

7月20日 1002億円

7月27日 1002億円

7月29日 1002億円

7月31日 1002億円

8月5日  1003億円

8月18日  803億円

9月4日  801億円

9月9日  801億円

9月15日  801億円

9月17日  801億円

9月23日  801億円

9月24日  801億円

9月29日  801億円

10月14日 701億円

10月16日 701億円

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