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2020年10月27日 19時30分
特集

米大統領選直前!「トランプvsバイデン」最終決戦の行方を探る <株探トップ特集>

―民主党完勝の“トリプルブルー”なるか、NYダウ3万ドル乗せに期待感も―

11月3日の米大統領選挙まであと1週間。超大国・米国のリーダーを決める選挙戦の行方を、世界の市場関係者は固唾を飲んで見守っている。現職の米共和党・トランプ大統領と米民主党・バイデン候補の一騎打ちとなるが、各種調査ではバイデン氏優勢との見方が多い。しかし、4年前はトランプ氏が大逆転での勝利を収めた。特に、今回は新型コロナウイルス感染拡大の環境下での異例の選挙となり、「投開票後しばらく結果が判明しない可能性も」と懸念する声は少なくない。今後の市場の動向を決定づける、米大統領選のシナリオを探った。

●バイデン氏優勢の予想多いが実態は接戦状態か

足もとの各種調査では、大統領選はバイデン氏が優勢との見方が強く、同時に実施される上下院の議会選挙も民主党が優位に立っているとの観測が強い。政治情報サイトの米リアル・クリア・ポリティクスによる直近の集計では、両者の勝率予想はバイデン氏約65%、トランプ氏約35%と差がついている。しかし、米国の大統領選では、州内の得票数が多い候補者がその州の選挙人を総取りする「選挙人制度」が採用されている。獲得票数で負けてもより多くの選挙人を獲得すれば勝つことができる制度だ。実際、直近の情勢も「個々の激戦州の状況をみると両者が僅差で競い合っている。まだ、どちらが勝つかは分からない状況」(上田ハーロー・山内俊哉執行役員)であり、実態は接戦状態とみられている。

●民主党は公共投資と環境政策を重視、共和党は追加減税を掲げる

基本的な政策をまとめてみると、バイデン氏を擁する民主党は公共投資と環境政策を掲げているが、同時に増税も予定している。一方、トランプ氏の共和党は政策に追加減税を計画しているが、環境政策には後ろ向きというものだ。対中政策はともに厳しい姿勢で臨むとみられている。では、今回の大統領選で考えられる幾つかのパターンを探ってみたい。

今秋のマーケットで一躍脚光を浴びたのが、大統領選をバイデン氏が制し、上下院ともに民主党が勝利する「トリプルブルー」のパターンだ。現在の米議会は下院が民主党、上院は共和党が過半数を占めている。しかし、今回の選挙は改選議席の状況からみて、上院も民主党が制する可能性は小さくない。一時、民主党政権は増税や規制強化で株式市場にはマイナスとの見方があったが、増税の影響は4兆ドルに対して7兆ドル超の財政支出が予定されていることから、いまや市場では「民主党政権=株高」のシナリオが描かれている。

また、「大統領選はトランプ氏勝利、上下両院も共和党が制する」ことは最も市場が好感するパターンとの見方もある。しかし、下院は民主党が多数派を維持するとみられこのパターンの可能性は小さい。いずれにせよ、大統領と議会をともに同じ党が制することが市場で最も好感されるだろう。

●「バイデン大統領・上院共和・下院民主」のパターンには警戒感も

一方、最も警戒されているのは「大統領選はバイデン氏が勝利するが、上院は共和党、下院は民主党となるパターンだ」と第一生命経済研究所の桂畑誠治主任エコノミストは指摘する。この場合、「民主党の公共投資やインフラ投資は通りにくくなり、株価は下落するかもしれない」と同氏は懸念する。また、例えば「トランプ氏が大統領選で勝利するが、議会は上下両院を民主党が制する」といったパターンもあるが、この場合は民主党の政策が議会では通りやすくなり、インフラ投資などは成立しやすい。バイデン大統領、上院・共和党、下院・民主党といったパターンを除けば、ほぼ株高を期待していいともみられている。

●「選挙結果がいつまでも決まらない」は最大の懸念材料

そんななか、いま最も懸念されているのは、「選挙結果がいつまでも決まらないという状況に陥ること」(山内氏)かもしれない。トランプ氏とバイデン氏が激しい選挙戦を繰り広げているうえに、新型コロナ感染拡大も避けるために今回の選挙では多数の郵便投票が加わりそうだ。この郵便投票の結果を反映した選挙結果が判明するのには、時間が必要となる。このため「今回は投開票翌日の日本時間11月4日の時点では勝敗は判明しないのでは」(複数の市場関係者)ともみられている。

特に、トランプ氏は郵便投票を“不正の温床”と非難しており、同氏の不利に働いた場合は訴訟も辞さない姿勢を示している。このため、場合によっては大統領選の結果が判明するのは、12月を過ぎ越年する可能性さえも取り沙汰されている。このようなゴタゴタ状態となった場合、「日経平均株価は軟化し為替は円高を探る展開も」(山内氏)と予想されている。しかし、大統領選はどこかで決着するだけに、押し目は好拾い場となる可能性がある。

●民主党完勝なら日経平均2万7000円説も

選挙結果にはなお不透明要因は多いものの、「市場はバイデン勝利を前提に動き始めている。もし、民主党が完勝するトリプルブルーとなった場合、株価は一気に上昇に転じるだろう」といちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役は予想する。特に、民主党が勝てば積極的な公共投資が打たれ、その効果で景気敏感株を中心とするバリュー株が買われるともみられている。「東京市場は割安なバリュー株の宝庫であり、民主党が勝てば来年1~3月頃にかけ日経平均株価は2万7000円前後まで上昇してもおかしくはない」と同氏はみる。桂畑氏も「トリプルブルーなら、NYダウは来年にかけ3万ドルも意識できるかもしれない」と期待している。

日本株なら公共投資関連のコマツ <6301> や信越化学工業 <4063> 、太平洋セメント <5233> など、環境関連のレノバ <9519> やウエストホールディングス <1407> [JQ]、岩谷産業 <8088> などが上昇基調を強めることが期待される。一方、民主党政権下では規制強化が懸念されるエネルギー株銀行株、それに薬価低下懸念で薬品株には逆風が吹くかもしれない。アマゾン・ドット・コムやグーグルなどGAFAを中心とするIT大手にも規制強化が警戒されるだけに、「バリュー買い・グロース売り」の流れが生まれることもあり得る。逆に、トランプ政権が継続した場合は、エネルギー株銀行株、それにIT関連株には見直し買いが入ることも予想されている。

株探ニュース

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