今週の【早わかり株式市況】29年ぶり2万5000円台奪還、コロナワクチン実用化期待で買い加速

市況
2020年11月14日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続で大幅上昇、フシ目の2万5000円台を大きく回復

2.週初に“バイデン氏当確”を受け、500円超の上昇で29年ぶりの高値更新

3.米ファイザーが新型コロナワクチン臨床で好結果を発表、株高の原動力となる

4.ワクチン実用化期待は、景気敏感株が買われる一方ハイテク株売りの動きを誘発

5.週末は新型コロナウイルスの感染拡大加速を嫌気、日経平均は9日ぶりに反落

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1060円(4.36%)高の2万5385円と2週連続で大幅上昇した。29年ぶりに2万5000円台を奪還した。

今週の東京市場は強調展開となっても前週の急騰の反動で日経平均の上値は重いとみられていたが、良い方向に裏切られた。新型コロナウイルスのワクチン実用化期待などが株価を押し上げた。一方、新型コロナ感染者数が欧米をはじめ世界的に急拡大していることから警戒ムードも強まっている。

週明け9日(月)は日経平均が500円を超える上昇で29年ぶりの高値を前週末に続き更新した。前週から引き継いで5連騰。米大統領選でバイデン氏勝利がほぼ確実となったことで、先行き不透明感が払拭されリスクオンの流れが強まった。10日(火)は前日の米国で製薬大手のファイザーが新型コロナワクチンの臨床で好結果を得られたと発表し、NYダウがワクチン実用化期待から一時1600ドルを超える急騰をみせたことから大きく買いが先行。ただ、景気敏感株が買われる一方、これまで買われてきたハイテクセクターが軟化し、朝高後は急速に伸び悩んだ。11日(水)は日経平均が再び急伸、上げ幅は400円を超えて終値ベースで29年ぶりに2万5000円台を回復した。引き続きワクチン実用化期待を背景とした米株高が市場心理を強気に傾けた。12日(木)はオプションSQ算出日を前に先物絡みの買いが寄与して上値指向を継続、日経平均はついに8日続伸となった。そして週末13日(金)は世界的な新型コロナの感染拡大加速が嫌気され9日ぶりに反落。ただ、後場は押し目買いが入り下げ幅は130円あまりにとどまっている。

■来週のポイント

ここ2週間で日経平均の上げ幅が2400円を超えているだけに、来週はさすがにスピード調整する場面がありそうだ。ただ、予想以上に買い意欲が強く調整は短期間にとどまり再び上値を追う展開も想定される。

重要イベントとしては、国内では16日朝に発表される7-9月期GDPや18日朝に発表される10月貿易統計、20日朝に発表される10月全国消費者物価指数が注目される。海外では16日発表される中国10月の小売売上高と鉱工業生産や17日発表の米国10月小売売上高、18日発表の米国10月住宅着工件数に注視が必要だろう。

■日々の動き(11月9日~11月13日)

【↑】  11月 9日(月)―― 5日続伸、バイデン氏勝利がほぼ確定で連日の高値更新

日経平均 24839.84( +514.61)  売買高12億2787万株 売買代金 2兆6493億円

【↑】  11月10日(火)―― 6日続伸、景気敏感株が買われ一時2万5000円台を突破

日経平均 24905.59(  +65.75)  売買高20億6535万株 売買代金 4兆0746億円

【↑】  11月11日(水)―― 7日続伸、ワクチン開発期待で2万5000円台を回復

日経平均 25349.60( +444.01)  売買高16億8320万株 売買代金 3兆4841億円

【↑】  11月12日(木)―― 8日続伸、一時マイナス圏もハイテク株に買い流入

日経平均 25520.88( +171.28)  売買高13億4800万株 売買代金 2兆8059億円

【↓】  11月13日(金)―― 9日ぶり反落、コロナ感染拡大や円高で売り先行

日経平均 25385.87( -135.01)  売買高13億3373万株 売買代金 2兆7215億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が上昇

(2)日産自 <7201> 、ヤマハ発 <7272> など輸送用機器が値上がり率トップ

(3)三井金 <5706> など非鉄、国際石開帝石 <1605> など鉱業、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株は買い継続

(4)東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は高い

(5)コマツ <6301> など機械、東エレク <8035> など電機といった輸出株も上昇

(6)JR東日本 <9020> など陸運、鹿島 <1812> など建設、リクルート <6098> などサービスといった内需株も総じて堅調

(7)任天堂 <7974> などその他製品と雪国まいたけ <1375> など水産・農林業が安い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 再生可能エネルギー ── バイデン氏当確で物色人気に

2(3) 電気自動車(EV)

3(2) デジタルトランスフォーメーション(DX)

4(8) 全固体電池 ── バイデン新政権でEV向け次世代電池に再脚光

5(5) 2020年のIPO

※カッコは前週の順位

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