前週末22日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年1月25日 5時20分

■ブレーキ <7238>  168円 (+39円、+30.2%)

東証1部の上昇率トップ。曙ブレーキ工業 <7238> が続急騰。22日付の日刊自動車新聞電子版で「米国メーカーから高性能電動車向けの電動パーキングブレーキ(EPB)キャリパーを受注し、2021年度上期(4-9月)に量産を開始する」と報じられたことが好材料視されたようだ。記事によると、同製品は2つのピストンで両側から均等に圧力をかける対向型タイプで、EPBの量産は同社としては初となるとしている。スポーツタイプの電気自動車(EV)などでの採用を目指すとしており、経営再建中のなか、成長分野であるEVへの取り組みが報じられたことから、期待感が強まったようだ。

■東京綱 <5981>  1,372円 (+300円、+28.0%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。東京製綱 <5981> がストップ高。21日取引終了後、同社株に対し日本製鉄 <5401> が株式公開買い付けを行うことを発表、これを受けて上値を見込んだ投資資金が集中した。TOB価格は1株1500円で、同日終値を4割上回る水準。日本製鉄は今回のTOB実施により保有株比率を19.9%まで高める方針(現在の保有株比率は9.9%)。業績不振及び財務体質悪化、ガバナンス体制の機能不全などの改善を促す。東京綱はワイヤーロープのトップメーカーとして高い技術力を有しており、経営改善によって本来の企業価値回復と中長期的な向上を目指す方針。なお、買い付け期間は22日から3月8日までとしている。

■アルー <7043>  852円 (+150円、+21.4%) ストップ高

アルー <7043> [東証M]がストップ高。21日の取引終了後、集計中の20年12月期連結業績について、売上高が17億円から18億1900万円(前の期比27.5%減)へ、営業損益を3億1500万円の赤字から2億1800万円の赤字(前の期1億6500万円の黒字)へ、最終損益を2億7000万円の赤字から1億9200万円の赤字(同1億1500万円の黒字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響により、顧客の大幅な研修実施の見送りや中止が継続的に発生することによる売上高の減少を見込んでいたが、教室型研修でオンラインの研修実施や eラーニングの受注が予測を上回ったことに加えて、テレワーク環境下でLMS(クラウド型eラーニングシステム)への注目度が増し、「etudes」の販売が順調に成長したことが牽引した。また、オンラインでの研修実施による旅費交通費の削減や、テレワークの推進により従業員交通費や通勤費が削減されたこともプラスに働いた。

■ピースリー <6696>  1,057円 (+150円、+16.5%) ストップ高

ピースリー <6696> [東証M]がストップ高。21日の取引終了後、建設現場市場に向けたデジタルサイネージ装置を活用したメディアプラットフォームを実現することを目的に、コーユーレンティア <7081> [JQ]と業務提携を行うと発表しており、これが好感された。今回の提携により、ピースリー独自の番組配信クラウドネットワークやデジタルサイネージを活用した広告(DOOH)端末を活用し、レンティアが家具・什器レンタルで培ったネットワークにより、全国の建設現場市場において全てのサイネージ端末と映像配信システムの統合を図るという。また、建設現場の仮設事務所内や休憩所・喫煙所に設置されたDOOH端末に、建設現場で働く人向けに魅力的な情報・広告コンテンツを配信することで、これまで訴求が難しかったターゲット層への広告ビジネスも展開するとしている。詳細は現在協議中で、両社ともに今期業績への影響は軽微としている。

■AKIBA <6840>  5,190円 (+700円、+15.6%) ストップ高

AKIBAホールディングス <6840> [JQ]がストップ高。22日午後2時ごろ、子会社バディネットとNEXTWAY(東京都中央区)のポリマテリアル充填工法が、ソフトバンク <9434> の5G基地局建設に採用されたと発表しており、これが好材料視された。この充填工法は、ありとあらゆる空洞部を有する支柱の強度を高めるポリマテリアルを充填するための技術で、同工法により正確性やスピードが向上し、人身事故などのリスクを下げ安全性を高めるとしている。なお、バディネットとNEXTWAYは共同で同工法の特許を出願していた。

■クニミネ <5388>  1,248円 (+114円、+10.1%)

東証1部の上昇率3位。クニミネ工業 <5388> が続急騰。21日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を134億8400万円から144億1900万円(前期比6.6%減)へ、営業利益を15億3800万円から21億7600万円(同12.7%増)へ、純利益を13億6400万円から15億7700万円(同4.3%減)へ上方修正したことが好感された。10月22日に通期予想の上方修正を発表したが、その後もベントナイト事業の鋳物関係で国内自動車用途向け需要の回復ペースが想定より速かったことや、土木建築関係で復興関連の需要が想定より高まったことから、再修正するとしている。

■モダリス <4883>  2,966円 (+241円、+8.8%)

モダリス <4883> [東証M]が5連騰。SMBC日興証券が21日付で、投資評価を新規「1」、目標株価3500円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同社技術は、遺伝子配列を切断せずに、標的配列特異的に遺伝子発現制御を行う世界でも数少ない技術であり、グローバル類似企業と比較して株価が割安であると指摘。導出品の臨床試験入り(MDL-201、MDL-202、MDL-204)と自社製品(MDL-101、MDL-104)の製薬企業への導出契約の締結が、21年のカタリストとなると見込んでいる。

■HENNGE <4475>  10,530円 (+800円、+8.2%)

HENNGE <4475> [東証M]が6連騰、上場来高値を更新した。同社は22日、SaaS認証基盤(IDaaS)「HENNGE One」が河合楽器製作所 <7952> に採用されたことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。HENNGE Oneは、Microsoft365、Google Workspace、Box、LINE WORKSなど、さまざまなクラウドサービスに対して横断的に安全なアクセスとシングルサインオン機能などを提供するSaaS認証基盤。河合楽はメールサービスをクラウド化するために導入したという。

■イメージワン <2667>  692円 (+41円、+6.3%) 一時ストップ高

イメージ ワン <2667> [JQ]が急反発、一時ストップ高。22日午後の日本経済新聞電子版で「4月から病院向けの電子カルテシステム電子カルテシステムを安価で導入できるようにする。サブスクリプション(定額課金)で、料金は100床程度の病院で月80万円程度となる」と報じられたことが好材料視された。記事によると、サブスクリプション方式にすることで、5年程度の長期間で電子カルテを利用する場合、大手メーカーの同様のシステムに比べて必要な総費用は3分の1程度に抑えられるとしている。中小病院は大手に比べて電子カルテの導入が遅れていることから、安価な選択肢を増やすことで、導入実績を伸ばすことが期待されている。

■弁護士COM <6027>  11,710円 (+550円、+4.9%)

弁護士ドットコム <6027> [東証M]が3連騰。21日の取引終了後、Web完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」について、 マイナンバーカードに連動した電子署名サービスを21年夏にも始めると発表しており、これが好感された。同日発表した、クラウドサインの21年機能開発ロードマップのなかで明らかにしたもので、マイナンバーカードに内蔵された電子証明書による電子署名に対応することで、印鑑証明など公的機関の証明や実印が必要な個人との契約締結を、クラウドサインにより電子化することが可能になるという。また、エンタープライズ企業向け機能として、契約書類の閲覧権限を高度に管理するキャビネット機能や契約書類を受信時の「無権代理」承認を防止する受信時承認ワークフロー機能など15の機能実装を予定しているという。

■ISID <4812>  3,830円 (+175円、+4.8%)

ISID <4812> が大幅続伸し昨年来高値を更新した。21日の取引終了後、集計中の20年12月期連結業績について、売上高が1050億円から1086億7900万円(前の期比7.9%増)へ、営業利益が105億円から121億8900万円(同21.0%増)へ、純利益が69億1100万円から73億6200万円(同18.2%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。ビジネスソリューションやコミュニケーションITセグメントを中心に売上高が予想を上回ったことが要因という。なお業績上振れに伴い、従来43円を予定していた期末配当を49円に引き上げた。年間配当は92円(従来予想86円)となり、前の期に比べて15円の増配となる。

■エイトレッド <3969>  2,797円 (+127円、+4.8%)

エイトレッド <3969> が4連騰と上値追い加速、中長期波動の分水嶺である75日移動平均線をマドを開けて上に抜けてきた。ワークフローソフトをパッケージ及びクラウドで提供するが、企業のテレワーク導入が進むなか商機を捉えている。21日取引終了後に発表した20年4-12月期決算は好調なクラウドサービスが牽引して、営業利益段階で前年同期比25%増の5億100万円と好調な伸びを達成しており、これが好感される形で買いを呼び込んだ。21年3月期営業利益は前期比11%増の6億5000万円と2ケタ成長を見込んでいる。

■岩谷産業 <8088>  7,210円 (+310円、+4.5%)

岩谷産業 <8088> が4日ぶり大幅反発。岡三証券が21日付で投資判断を新規「強気」、目標株価8550円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。20年10月に菅義偉総理が50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする目標を掲げており、その目標達成のためには水素の活用が必要不可欠であると指摘。また、世界的にも進む脱炭素の流れのなかで、同社の水素事業の収益拡大が期待できることや、LPガス販売の拡大が期待できること、更に、22年3月期予想PERで株価に割安感があるとみられるためとしている。

※22日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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