【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 目先悪材に揺るがず、未来先取る王道投資に徹するべし!
「目先悪材に揺るがず、未来先取る王道投資に徹するべし!」
●まさかの波乱だが、市場を支える基盤は変わらず
高値警戒感、高値波乱――こんな言葉が頭から去らない日々となっている。年初来、絶好といえるほど力強い上昇を続けていた東京市場だが、ここにきて急失速。いわゆるテーマ株として高値を追い続けてきた半導体やEV(電気自動車)、再生可能エネルギー関連の多くも急速に騰勢を失っている。
米バイデン政権の正式始動で、米国市場だけでなく東京市場もその恩恵を受けるはずだったのに、いまのところまったくの期待外れ。こう見るほかない展開だ。
その結果、日経平均株価は非常に残念なことになっている。単に目先下げているだけではなく、週末はなんと1月4日の大発会の寄り付き近くまで戻ってしまったのだ。大発会の寄り付きは2万7575円。それが1月29日には一時2万7629円まで下げた。
厳密には大発会の寄り付きより54円ほど高い水準であるが、ほぼ年初の水準に戻ってしまうなんて、なにがどうなってのことか。何か大きなマイナス材料でもあったのか。バイデン政権の政策、FRBの金融政策など、現在の市場を支える国策に異変が生じているわけではない。
しかし、イレギュラーな想定外のそれが生じている。ご存じの方も多いだろうが、米ゲームストップ株の急騰、急落劇だ。
ゲームストップとは、米国の ゲームソフト販売店運営会社だ。ゲームソフトのファンたちにはよく知られているものの、いまは赤字経営だ。そんな会社の株価が今年になって急騰を開始した。一日に2倍以上になったり、半額になったりと極端な値動きを繰り返し、1月だけで実に18倍ほどに化けたのだ。
そのため、市場は混乱。売買を取り扱うネット証券が購入申し込みを停止したり、すぐに解除したりと訳がわからない状況になっている。
これのどこが問題なのか。市場の混乱はもちろん困るのだが、投資の歴史を知る人から見ると、バブル崩壊の予兆にも見えてしまい警戒感が強まっているのだ。
かつて世界大恐慌の直前、ケネディ元米大統領の父ジョセフ・ケネディが街の靴磨きの少年までもが株の話を始めたためにバブル相場が終わると判断、株を売り抜けたという有名な逸話がある。ゲームストップ株を売買している投資家はSNSを駆使する若い世代が中心とされているため、かつての靴磨きの少年と同一視されていることになる。
●コロナ終息後を睨んで飲食店株に先回り
このような話もあって米国市場では警戒感が高まっており、東京市場も動きにくい。こういう状況になっているのだが、現在の市場は基本的には金融緩和とコロナ終息後の経済再生をベースに動いている。ここは、目先の刺激的な材料に揺らぐことなく、未来を先取りする王道投資に徹したい。
そこで注目は、コロナの感染拡大が止まらず、 飲食店経営会社は対応に苦慮している最中ではあるが、いずれ規制が解除されるとの観点から飲食店株になる。
まずは自分が訪れたい店から。となると、串カツ田中ホールディングス <3547> になる。隣の駅に店舗があり行きやすいし、業績もすでに最悪期を脱しつつある点に期待が持てる。
もちろん、外食となったら 寿司は欠かせない。銘柄は現在株価が高値をつけたあと調整中のスシローグローバルホールディングス <3563> だ。くら寿司 <2695> ももちろん有望だ。そして、忘れてならないのが、「はま寿司」を経営するゼンショーホールディングス <7550> である。
テレビでCMをよく見かける「丸亀製麺」を運営しているのがトリドールホールディングス <3397> 。私の場合、うどんの優先順位は高くはないのだが、ふと思い出して行きたくなるのでこの店も。
飲食店関連以外にも目を向けておくと、チェンジ <3962> がある。この会社は官公庁や大手企業などへIT人材を派遣しており、同事業も好調だが、投資の対象としては子会社が運営しているふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」が魅力的だ。利用者増が続いている。
2021年1月29日 記
株探ニュース