為替週間見通し:底堅い値動きか、欧州経済停滞でドル選好も

通貨
2021年3月27日 14時44分

【今週の概況】

■米国経済好転への期待でドル買い強まる

今週のドル・円は強含み。週前半に108円41銭まで下げたものの、ユーロ、ポンドに対する米ドル買いが強まり、この影響でドル・円の取引でもドル買いが優勢となった。3月25日発表の週間新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、雇用情勢の改善を好感してドル・円は109円台に上昇した。

26日のニューヨーク外為市場でドル・円は、昨年6月上旬以来となる109円85銭まで買われた。この日発表された3月米ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は上方修正されたことや、バイデン米大統領がワクチン接種目標を引き上げたことから、米国経済の好転を期待したリスク選好的なドル買い・円売りが活発となった。米国株高を意識したドル買いも観測されており、ドル・円は109円64銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円41銭-109円85銭。

【来週の見通し】

■底堅い値動きか、欧州経済停滞でドル選好も

来週のドル・円は底堅い値動きか。欧州諸国は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて経済的な制限措置が導入されており、ユーロ域内における早期景気回復への期待は低下している。3月24日発表のユーロ圏の製造業、サービス業PMIは市場予想を上回る堅調な数値だったが、先行きの景気減速への懸念が高まり、ユーロ買いは拡大しなかった。原油価格の下落を嫌ってカナダドルや豪ドルなどに対する米ドル買いも観測された。

一方、直近で発表された米経済指標は市場予想を上回るケースが増えており、昨年10-12月期の米国内総生産(GDP)確定値は上方修正された。コロナ禍の打撃から米国経済は回復しつつあるとみられる。米国経済の早期正常化への期待が高まり、米国株式は堅調地合いを取り戻している。また、米長期金利は上昇傾向を維持していることから、主要通貨に対するドル買いは継続する可能性がある。

【米・3月ISM製造業景況指数】(4月1日発表予定)

4月1日発表の3月ISM製造業景況指数は60.0と、2月の60.8をやや下回る見通し。ただし、60レベルの高水準を維持する可能性があることから、市場予想と一致した場合、米国経済の早期正常化への期待でドル買い材料になりそうだ。

【米・3月雇用統計】(4月2日発表予定)

4月2日発表の米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比+56.5万人程度、失業率は6.0%と予想されている。失業率が横ばいでも、非農業部門雇用者数が市場予想と一致した場合は、ドル買い材料になりそうだ。

予想レンジ:108円80銭-110円80銭

《FA》

提供:フィスコ

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