新興市場見通し:GW重なり月末特有の波乱に警戒?IPOはテスHD後休止へ

市況
2021年4月24日 14時50分

今週の新興市場では、週初こそマザーズ指数は取引時間中の3月高値(1256.51pt)を一時上回るなど好調な出足だったが、日経平均が4月20日と21日の2日間で1200円近い下落を強いられると、新興株にもリスク回避目的の売りが広がった。週後半は日経平均の反発とともに押し目買いが入ったものの、週末23日は買い一巡後に失速する格好となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.2%であったのに対して、マザーズ指数は-3.1%、日経ジャスダック平均は-1.3%だった。マザーズ指数は1200pt台前半に位置する25日移動平均線をやや下回って週末の取引を終えている。

個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ<4385>が週間で0.9%安。フリー<4478>は同6.3%安、JMDC<4483>は同4.2%安と軟調で、前の週に買われたBASE<4477>は一転して同14.0%安と大きく下落した。売買代金上位ではウェルスナビ<7342>やAI inside<4488>が売りに押され、マクアケ<4479>が決算を受けて急落。また、今期大幅赤字見通しを発表したホープ<6195>が週間のマザーズ下落率トップとなった。一方、マネーフォワード<3994>は同1.3%高、弁護士ドットコム<6027>は同1.9%高とまずまず堅調。サイバートラスト<4498>など直近IPO銘柄の一角が買われ、ブティックス<9272>が上昇率トップとなった。ジャスダック主力では、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.9%安、ワークマン<7564>が同7.3%安と軟調。また、ミナトHD<6862>などが週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。ただ、フルヤ金属<7826>などは大きく買われ、テーオーHD<9812>が上昇率トップとなった。IPOでは4月22日に3社が新規上場し、転職サイト「ビズリーチ」のビジョナル<4194>が公開価格を4割強上回る初値を付けた。週末時点でマザーズ時価総額5位にランクインしている。他の2社も大方の予想を上回る初値となった。

来週~再来週の新興市場では、ゴールデンウィークの連休を挟む特殊事情も重なり、このところ月末に頻発する波乱に警戒しておく必要があるかもしれない。IPO銘柄の値動きに象徴されるが、上場初日こそ賑わいを見せるものの、その後の値持ちは悪くなってきた印象を受ける。個人投資家の物色意欲は根強いが、足の速い投資資金が中心になっているということだろう。株式市場全体として信用買い残がかなりの高水準となっており、連休前には手仕舞いの動きが広がる可能性もある。

来週~再来週は、4月27日にセプテーニ・HD<4293>、沖縄セルラー電話<9436>、30日にロードスターキャピタル<3482>、すららネット<3998>、メルカリ、5月6日にモダリス<4883>、7日にオンコリスバイオファーマ<4588>、ナカニシ<7716>などが決算発表を予定している。メルカリは日米での流通総額(GMV)推移に注目したい。セプテーニ・HDなどは前四半期までの好調ぶりから期待が高まりそうだ。

IPO関連では、4月27日にテスHD<5074>が東証1部へ新規上場する。公開規模がまずまず大きく、株価バリュエーションが高めとの指摘もあるが、「SDGs-IPO(SDGs:持続可能な開発目標)」の先駆けであるポピンズHD<7358>は市場で高い評価を受ける。「脱炭素」機運の高まりも追い風となりそうだ。なお、後続の案件はいまだ発表されておらず、テスHD上場後は当面IPO休止期間となる見込み。

《FA》

提供:フィスコ

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