利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 41社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。「第1弾」(6月6日)、「第2弾」(6月10日)に続き、今回は時価総額50億円以上300億円未満の東証1部銘柄を対象に、21年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している41社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、クリーンルームの製造・販売を手掛ける日本エアーテック <6291> 。1-3月期(第1四半期)の経常利益は12億円と過去最高だった直前の10-12月期を2.1倍も上回って着地。新型コロナウイルス感染症対策に対する補助金交付を背景に、クリーンパーティションや陰圧ブースなど感染症対策機器の受注が大きく伸びたほか、半導体製造装置向けフィルターユニットも増勢だった。好調な業績を踏まえ、決算発表前の5月11日に、21年12月期の経常利益を従来の減益予想から一転して2期連続の最高益見通しへ大幅上方修正している。
2位のOrchestra Holdings <6533> は旺盛なIT投資需要が続くなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)事業で高成長領域のクラウドインテグレーション分野やWebシステム開発、スマートフォンアプリ開発などの受注が拡大した。また、デジタルマーケティング事業ではインターネット広告市場の拡大を背景に、主力の運用型広告を中心に案件獲得が進み、1-3月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比70.1%増の3.7億円に伸びて着地。第1四半期実績だけで、通期計画の8.6億円に対する進捗率は43.5%に達しており、業績上振れが期待される。
3位に入ったダイヤモンドエレクトリックホールディングス <6699> の1-3月期(第4四半期)経常利益は、過去最高だった直前の10-12月期を67.5%も上回る17.8億円で着地。エネルギーソリューション事業で住宅向け蓄電ハイブリットシステムや派生OEM品の販売が大きく伸びた。また、継続的な経費削減に加え、円安進行で為替差益が発生したことも利益を押し上げた。
4位にリスト入りした医療機器卸のメディアスホールディングス <3154> は、消耗品で個人用防護具や新型コロナウイルス感染症の検査試薬といった感染対策関連製品の販売が好調だったほか、備品では感染対策補助金関連の案件や移転・新築にかかる案件、放射線機器などの大型案件を獲得した。また、旅費交通費などの抑制や経費削減を進めたことも寄与し、1-3月期(第3四半期)は7年ぶりに最高益更新を果たした。
5位の恵和 <4251> は主力の光学シート事業で、テレワークの普及を背景にノートパソコンやタブレット端末のディスプレー用光拡散フィルムの好調が継続したほか、自動車生産の回復に伴い車載向けの受注が伸びた。また、機能製品事業は製鉄・非鉄金属向け防錆包装紙などの高付加価値品が増勢だったうえ、生産体制の効率化を進めたことで採算が大きく改善し、1-3月期(第1四半期)経常利益は前年同期比76.3%増の4.6億円で着地。上期計画(6.5億円)に対する進捗率は71.1%と高水準で業績上振れに期待がかかる。
6位に入ったのは、独立系海上輸送会社の内外トランスライン <9384> 。1-3月期(第1四半期)は国内事業で利益率の高い輸出混載貨物や単価の高いフルコンテナの取扱数量が増加したほか、子会社では航空貨物需要を取り込んだ。また、日本からの貨物取扱を主力とする海外事業も収益を伸ばし、経常利益は前年同期比2.4倍の8.1億円に膨らんだ。併せて、21年12月期業績予想を大幅上方修正したことも好感され、株価は8日に約3年3ヵ月ぶりの高値となる1988円まで上値を伸ばしている。
12位にリストアップされたエンビプロ・ホールディングス <5698> の1-3月期(第3四半期)は資源循環事業が収益を牽引した。鉄スクラップ価格が急上昇したことに加え、産廃物処理受託の値上げ効果や生産工程の効率化、持ち分法投資利益の増加も利益を押し上げた。足もとの業績好調を踏まえ、21年6月期通期の経常利益予想を大幅上方修正するとともに、期末一括配当も増額修正した。株価は上場来高値圏を快走する展開となっている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6291> エアーテック 110 1205 574 5.6 1650 1562 11.6
<6533> オーケストラ 70.1 376 221 26.6 865 683 51.6
<6699> ダイヤHD 67.5 1782 1064 1.2 2500 2470 12.2
<3154> メディアス 54.9 1935 1249 29.8 2650 2041 13.2
<4251> 恵和 50.5 462 307 30.3 1298 996 26.9
<9384> 内外トランス 49.7 819 547 44.9 2400 1656 10.9
<3969> エイトレッド 42.4 282 198 11.4 880 790 27.2
<3467> アグレ都市 41.2 658 466 6.5 1211 1137 7.2
<4323> 日シス技術 39.6 1166 835 3.8 1360 1310 10.3
<9702> アイエスビー 36.1 845 621 8.1 1850 1712 15.2
<8798> Aクリエイト 30.9 978 747 46.5 1900 1297 15.7
<5698> エンビプロ 28.0 754 589 69.0 2229 1319 13.8
<7037> テノ.HD 26.9 236 186 0.2 594 593 15.2
<7060> ギークス 25.7 347 276 40.3 1000 713 33.3
<1768> ソネック 22.6 472 385 2.9 1306 1269 8.0
<4671> ファルコHD 20.7 1132 938 5.2 3000 2853 9.9
<4462> 石原ケミ 19.0 677 569 12.5 2120 1885 11.1
<2359> コア 18.6 835 704 6.4 2250 2114 13.1
<6560> LTS 16.3 178 153 18.6 530 447 43.0
<8877> エスリード 15.7 4467 3861 1.3 8100 8000 5.1
<3924> ランドコンピ 15.4 367 318 5.0 760 724 13.2
<3985> テモナ 15.0 161 140 26.0 407 323 48.1
<1717> 明豊ファシリ 13.6 385 339 1.1 920 910 15.0
<9534> 北ガス 12.2 5017 4473 13.6 6200 5456 6.2
<3834> 朝日ネット 10.5 517 468 0.2 1790 1786 14.7
<3489> フェイスNW 10.2 875 794 0.4 1050 1046 9.7
<7570> 橋本総業HD 9.3 1025 938 3.2 3400 3294 12.4
<7987> ナカバヤシ 8.9 1364 1253 2.5 3100 3023 9.7
<3771> システムリサ 7.5 602 560 0.6 1747 1737 15.1
<7191> イントラスト 7.3 309 288 10.6 1275 1153 19.9
<2352> エイジア 7.1 151 141 27.7 600 470 25.4
<4963> 星光PMC 7.1 1054 984 0.7 2860 2839 14.1
<3464> プロパティA 6.8 1261 1181 2.8 1840 1790 15.0
<6785> 鈴木 6.3 952 896 40.5 3100 2206 7.7
<7989> ブラインド 6.3 1626 1529 2.6 4850 4727 8.4
<3981> ビーグリー 6.2 426 401 11.4 1210 1086 15.8
<3763> プロシップ 5.5 800 758 10.9 1950 1758 15.9
<3852> サイバーコム 5.2 405 385 1.0 850 842 21.6
<7466> SPK 4.5 657 629 2.8 2100 2042 9.5
<7059> コプロHD 4.1 479 460 1.8 1614 1585 11.6
<4286> レッグス 3.2 619 600 25.8 1700 1351 25.1
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース