「解体工事」が27位、脱「石炭火力」でビジネスチャンス拡大へ<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「解体工事 」が27位にランクしている。
さまざまな建築構造物の解体で活躍する「解体工事」だが、近年注目が高まっているのが、非効率な石炭火力発電所の解体工事だ。世界的な「脱炭素」の流れを受けて、梶山弘志経済産業大臣は2020年7月、非効率な石炭火力発電所について30年までにフェードアウト(休廃止)する方針を発表した。日本はこれまで、資源の乏しさを理由として、安価な石炭を用いた石炭火力発電を重視してきたが、海外では石炭火力発電を全廃する方向に動き始めているほか、石炭関連事業への投融資をやめる「石炭ダイベストメント」の動きも広がってきており、日本としても方向転換を迫られるようになった。
石炭火力発電で主に利用されているのは蒸気タービンのみで発電する方式で、発電効率によって「亜臨界圧」「超臨界圧」「超々臨界圧」と効率が高くなる。このうち、発電効率38%以下の「亜臨界圧」と38~40%程度の「超臨界圧」が非効率石炭火力発電と位置づけられ、30年までに段階的に休廃止させる方針。現在、国内の石炭火力発電所は150基(20年7月時点)あり、非効率とされる「超臨界圧」以下の発電所は8割近い118基ある。また、これらの非効率石炭火力発電の多くは1990年代以前に建設されたものが多く、築40年以上を経たものも20基以上あることからも休廃止される方針だ。
石炭火力発電所の解体には、1基当たり50億円から100億円の費用がかかるといわれていることから、今後、関連企業にとっての大きなビジネスチャンスが生じることになる。この日の関連銘柄には目立った動きは少ないものの、第一カッター興業<1716>や太平電業<1968>などは堅調な動きとなっている。