前週末2日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月5日 5時30分

■ベイシス <4068>  6,500円 (+1,000円、+18.2%) ストップ高

ベイシス <4068> [東証M]がストップ高したほか、日本電解 <5759> [東証M]、アイ・パートナーズフィナンシャル <7345> [東証M]、アイドマ・ホールディングス <7373> [東証M]といった 直近IPO銘柄が高い。全体相場が手掛かり材料難で上値の重い展開が続くなか、新鮮味のある直近IPO銘柄に買い資金が流入した様子だ。日本電解は一時ストップ高と連日の急騰。車載リチウムイオン電池用銅箔などを製造し電気自動車(EV)としても注目されている。先月25日の新規上場日につけた初値は公開価格と同値の1900円だったが、2日は一時3400円台まで上昇と7割強上昇している。ベイシスはストップ高。通信インフラのエンジニアリングサービス会社で25日につけた初値は公開価格比で2.5倍と人気化し、その後、調整していたが新高値に切り返した。IFA(独立系資産運用アドバイザー)による金融サービスを提供しているAIPFは初値が公開価格比で3.2倍と急騰後、調整していたが、2日は急反発。中小企業の法人営業の支援を主としたワーク・イノベーション事業を手掛けるアイドマHDも大幅続伸している。

■電算システム <4072>  3,020円 (+150円、+5.2%)

電算システムホールディングス <4072> が急伸。1日の取引終了後、21年12月末時点の株主から株主優待制度を導入すると発表しており、これが好材料視された。毎年12月31日時点で1単元(100株)以上を保有する株主に対して、申込カタログに記載された東海地区内の特産品(3000円相当)のなかから1つを贈呈するとしている。同時に、持ち株会社として初年度となる21年12月期の連結業績予想を発表しており、売上高520億円、営業利益28億5000万円と、5月7日の電産システム第1四半期決算発表時の予想値と同額を見込む。

■クリレスHD <3387>  1,012円 (+50円、+5.2%)

外食関連株が高い。2日の東京市場では、米雇用統計を控え様子見ムードが広がるなか、直近IPO銘柄の一角が人気化したほか、再度アフターコロナ銘柄を物色する動きが強まった。そうしたなか外食関連株の上昇が目立ち、クリエイト・レストランツ・ホールディングス <3387> やサイゼリヤ <7581> 、トリドールホールディングス <3397> は年初来高値を更新、コロワイド <7616> やFOOD & LIFE COMPANIES <3563> なども高い。また、ペッパーフードサービス <3053> 、エー・ピーホールディングス <3175> など中小型の関連銘柄にも買いが向かった。

■松屋 <8237>  984円 (+47円、+5.0%)

松屋 <8237> が続急伸。同社が1日、6月銀座本店売上高は4.7%増と発表したことがが買い材料視された。

■ミライトHD <1417>  2,041円 (+82円、+4.2%)

ミライト・ホールディングス <1417> が大幅反発し、年初来高値を更新した。同社は1日、グループ会社のコトネットエンジニアリングが、京都市が進めている「太陽光発電及び蓄電池システムの共同購入支援事業」の販売施工事業者に採択されたと発表。コトネットエンジニアリングは京都市民に対し、説明会や現地調査を経て、太陽光発電及び蓄電池システムを提供するとしている。

■オイシックス <3182>  4,260円 (+170円、+4.2%)

オイシックス・ラ・大地 <3182> が6日続伸し年初来高値を更新した。1日の取引終了後、植物肉の研究開発を行うグリーンカルチャー(東京都葛飾区)と資本・業務提携すると発表しており、これが好感された。今回の提携は、事業ポートフォリオの中に植物肉の開発及びマーケティング事業を組み込み、新たにフードテックカンパニーとしての価値を確立することが狙い。また今後、運営する食品宅配事業で植物肉商品の取り扱いの充実や、ヴィーガン関連事業「Purple Carrot(パープルキャロット)」との連携による商品力の強化などを行うとしている。

■アウトソシン <2427>  2,172円 (+77円、+3.7%)

アウトソーシング <2427> が3日続伸。1日の取引終了後、子会社アメリカンエンジニアコーポレイションが、米インテグリティー・ネットワークス社(ワシントン州)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好材料視された。インテグリティー社はITや弱電設備のシステム構築などを手掛けており、米国内の民間企業や公共企業、米国政府機関への豊富な実績を有している。今回の子会社化によりアウトソシンでは、中期経営計画にて成長戦略の重点施策である公共系アウトソーシング事業拡大に資するシナジーが期待できるとしている。なお、同件による21年12月期業績への影響は軽微としている。

■インソース <6200>  2,396円 (+84円、+3.6%)

インソース <6200> が大幅反発。1日の取引終了後、Webプロモーションやサイト製作を手掛けるマリンロード(栃木県宇都宮市)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好感された。マリンロードの持つ高いWebプロモーション力や開発ノウハウと、インソースのWebマーケティング力やコンテンツ力、プラットフォーム力を融合することで、Webマーケティングの強化・サービス提供が可能となり、相乗効果が期待できると判断したという。取得価額は非開示。なお、21年9月期業績への影響は軽微としている。

■KeePer <6036>  2,915円 (+79円、+2.8%)

KeePer技研 <6036> が4日ぶりに反発。1日の取引終了後に発表した6月度の月次速報で、既存店売上高は前年同月比35.2%増の大幅な増収となり、14ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。SNSなどを通じてKeePerの評価が上がり、コーティング施工台数が増加しているほか、高価格帯の「EXキーパー」や「クリスタルキーパー」などの施工が大幅に増加していることが要因。また、新車ディーラーへの営業活動が進み販路拡大していることも寄与した。なお、全店の売上高は同40.5%増だった。

■西尾レント <9699>  3,185円 (+85円、+2.7%)

西尾レントオール <9699> が高い。1日の取引終了後、木造構造物の設計・販売を手掛けるATA(富山県滑川市)の全株式を取得し子会社化したと発表しており、これが好材料視された。ATAは、一般流通材のみを用いて最大スパン(柱間距離)40メートルの木造の中大規模空間を実現するATAハイブリッド構法の開発を行う企業。西尾レントは、仮設構造物のレンタル分野で大型テントに注力してきたが、木造をラインアップに加えることで、同分野の更なる強化に取り組むほか、ATAハイブリッド構法を活用して25年の大阪・関西万博で「SDGsに適合した繰り返し転用可能なパビリオン」を提案するとしている。

■三越伊勢丹 <3099>  805円 (+21円、+2.7%)

三越伊勢丹ホールディングス <3099> や高島屋 <8233> 、J.フロント リテイリング <3086> 、エイチ・ツー・オー リテイリング <8242> など大手百貨店が高い。1日の取引終了後に発表した6月の売上高は、三越伊勢丹が前年同月比7.3%増、高島屋が同2.6%増と各社とも前年実績を上回っており、これが好感された。営業制限が緩和されたことに加えて、宝飾品や時計など高級品が堅調だった。

■INPEX <1605>  855円 (+20円、+2.4%)

INPEX <1605> やENEOSホールディングス <5020> 、出光興産 <5019> が高い。1日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が6月30日比1.76ドル高の1バレル=75.23ドルに上昇。一時、76.22ドルと18年10月以来、2年9ヵ月ぶり高値をつけた。1日に開催された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国による「OPECプラス」では、協調減産の縮小幅が予想より小さくなるとの報道が伝わり、需給引き締まりへの期待から原油先物は上昇した。ただ、アラブ首長国連邦(UAE)の反対により、決定は2日に持ち越された。

■SHIFT <3697>  17,290円 (+350円、+2.1%)

SHIFT <3697> が反発。1日の取引終了後、小売業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するフェズ(東京都千代田区)と資本・業務提携すると発表しており、これが好材料視された。フェズが第三者割当で発行するC種優先株式(潜在ベースの持ち分比率2.4%)を引き受ける。今回の提携は、今後拡大する市場で急成長が期待されるフェズを支援することで小売業界のDX化を連携して推進するのが狙い。また、フェズの持つ小売業界の取引先基盤にアクセスすることで、SHIFTの新規顧客開拓や既存顧客との関係性の強化、それによる取引の拡大にも取り組むとしている。

■フジテック <6406>  2,498円 (+44円、+1.8%)

フジテック <6406> が反発。2日、顔認証によりエレベーターを操作できる呼び入力システムを開発したと発表しており、これが好材料視された。同システムは、事前に利用者の顔写真と普段利用する目的階の登録を行い、エレベーターホールに設置した専用カメラで顔認証することでエレベーターを自動的に呼び出し、利用者が到着したかごに乗り込むと、登録済みの目的階を自動で入力することで、ボタンに触れずに目的階まで移動することができるというもの。同社では最近の公衆衛生意識の高まりから、顔認証を活用した技術研究を進めており、今後、商品化に向けた検証を重ねるとしている。

■清水建 <1803>  871円 (+15円、+1.8%)

清水建設 <1803> が続伸。2日付の日刊工業新聞で「人工知能(AI)を活用することで、シールドマシンによるトンネル工事の掘進計画の策定から施工操作までの作業を自動化した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、同社が開発した次世代型トンネル構築システム「シミズ・シールドAI」は、AIの支援でシールド掘進の計画策定から操作までを自動化・無人化した世界で初めての技術という。今秋、関西の雨水放水路シールド工事で初めて適用するとしており、省人化への貢献が期待されている。

■郵船 <9101>  5,510円 (+90円、+1.7%)

日本郵船 <9101> は4日ぶりに反発。1日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆5000億円から1兆8000億円(前期比11.9%増)へ、営業利益を660億円から1300億円(同81.7%増)へ、純利益を1400億円から3500億円(同2.5倍)へ上方修正したことが好感された。旺盛な輸送需要の継続を背景に持ち分法適用会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス社の業績が想定以上に堅調に推移していることや、航空運送事業及び物流事業で引き締まった需給が継続していることが要因。また、好調なドライバルク市況などで、不定期専用船事業の収支の良化も見込むとしている。

■科研薬 <4521>  4,860円 (+75円、+1.6%)

科研製薬 <4521> が続伸し、年初来高値を更新した。同社は1日取引終了後に、スペインの製薬会社であるアルミラル(バルセロナ市)と爪白癬治療剤「クレナフィン」の欧州での独占的ライセンス実施許諾及び供給契約を締結したと発表。これが材料視されたようだ。同剤は、科研薬が創製した新規トリアゾール系化合物で、爪の中や爪の下の皮膚に浸透することにより爪白癬に優れた臨床効果を発揮する。国内では同社が2014年9月から販売しているほか、海外では米国、カナダ、韓国、台湾、香港・マカオで導出先企業が販売している。なお、同社は今回の契約により、アルミラルから契約一時金、マイルストン及び販売額に応じたロイヤルティを受領する。

■バイセル <7685>  4,545円 (+65円、+1.5%)

BuySell Technologies <7685> [東証M]が反発。1日の取引終了後、子会社タイムレスが、オンラインで査定を行う買い取りサポート事業「タイムレスエクスプレス」を開始し、カーコンビニ倶楽部に提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。タイムレスでは、古物商向けオークション「タイムレスオークション」を運営し、全国の買取店・質屋など同業種に対しオンラインでの遠隔査定・買い取りを行っているが、同オンライン査定システムを活用し、既存のリユース業以外の企業でもリユース品の査定・買い取り業務を支援する目的で、新たに買い取りサポート事業「タイムレスエクスプレス」のサービスをローンチしたという。今回、カーコンビニ倶楽部がブランド品・時計・ジュエリーなどの買い取り事業へ参入することから、「タイムレスエクスプレス」を導入することになったという。

■トヨタ <7203>  9,820円 (+130円、+1.3%)

トヨタ自動車 <7203> が5日ぶり反発。6月15日に初の1万円大台に乗せ市場の注目を集めたが、その後は大台で値固めに移行することなく再び9000円台に押し戻された。ただ、9000円台後半では押し目買いの動きも旺盛で下値抵抗力を発揮している。足もと半導体不足に伴う生産調整が緩和されているほか、2日の外国為替市場では1ドル=111円台後半までドル高・円安に振れたことで、輸出採算改善メリットも期待された。また、日本の大手自動車メーカー6社から30日に発表された4~6月の米国新車販売台数は前年同期比64%増と大幅に増加。そのなか同社は73%増と大幅な伸びを達成し、わずかながら米ゼネラル・モーターズ <GM> の販売台数を上回った。GMが四半期ベースで米販売首位を明け渡すのは23年ぶりということもあって、これも買いの手掛かり材料となった。

■サイバー <4751>  2,386円 (+31円、+1.3%)

サイバーエージェント <4751> が反発。1日の取引終了後、クリエイティブオフィスの企画・運営を手掛けるリアルゲイトを子会社化し不動産領域へ参入すると発表しており、これが好材料視された。サイバーが持つ技術力やデジタル分野におけるサービス開発・運用におけるノウハウなどをもとに、不動産領域のDX推進を図る。これにより、リアルゲイトが推進するクリエイティブな不動産とITの融合によって、自由なワークプレイス・街づくりの発展に寄与するとしている。

■アイカ <4206>  3,940円 (+50円、+1.3%)

アイカ工業 <4206> が4日ぶりに反発。同社は1日、8月23日出荷分から化成品商品の価格を改定すると発表。値上げによる採算改善が期待されたようだ。対象となるのは化成品商品全般(アイカエコエコボンド、アイカアイボン、ジョリパット、ジョリエース、アイカピュール、ジョリシール、ダイナミックレジンなど)で、値上げ幅は10%以上。値上げの背景は、世界経済の急回復に伴い需要が拡大する一方、世界各地の天候不順や事故などによる化学品原材料メーカーの製造休止や相次ぐ工場設備トラブルなどの影響により、使用する化学品原材料の需給バランスが逼迫し、その価格が急騰していることが理由だとしている。

■三菱UFJ <8306>  607.1円 (+7.2円、+1.2%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> などメガバンクが頑強な値動き。ここ米長期金利が低下基調にあるが、日米の大手金融株は強さを発揮している。前日1日は米10年債利回りが終値ベースで1.45%台まで低下し、6月18日以来の低い水準となったが米国株市場ではJPモルガン・チェース <JPM> やバンク・オブ・アメリカ <BAC> 、シティグループ <C> などの大手銀行株は堅調だった。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクは、米長期金利低下による運用利ザヤの縮小がマイナス材料となるが、株価的には織り込みが進み連動しにくくなっている。1日は配当利回りの高さなどに着目して押し目を拾う動きがやや優勢となった。

■SBG <9984>  7,812円 (+86円、+1.1%)

ソフトバンクグループ <9984> が強弱観対立の中で売り買い錯綜。MSCIの指数イベント絡みで5月中旬に急落した後も次第安の展開となっていたが、6月21日の7500円割れで底値を確認しリバウンドに転じた。自社株買いなどの株主還元策への期待が反転の足掛かりとなった。しかし、依然として上値の重い展開が続いている。直近では6月末に同社がビジョンファンドを通じて出資する中国配車最大手滴滴出行(ディディ)が米国株市場に新規上場し、時価総額は上場初日終値ベースで日本円にして約7兆3700億円と巨額でマーケットの注目を集めた。ビジョンファンドは同社株式の2割を握るとされ、その含み益が期待されるところだが、今のところソフトバンクGの株価へのポジティブインパクトは限定的となっている。

■富士ソフト <9749>  5,510円 (+60円、+1.1%)

富士ソフト <9749> が反発。同社は1日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC、東京都港区)と顧客のデジタル化推進支援で協業すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。両社はこのほど、覚書を締結。MURCの幅広い知見及び豊富な実績を持つコンサルティングと、富士ソフトのインフラ構築から運用保守までのノウハウと技術でソリューションを強化し、顧客のデジタル化推進をワンストップで支援するとしている。

※2日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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