本日の注目個別銘柄:アイモバイル、アドバンテス、サイバーなど

材料
2021年7月29日 15時44分

<6807> 航空電子 1788 -36

急落後に下げ渋る。前日に第1四半期決算を発表、営業益は36億円で前年同期比53.5億円の損益改善。携帯電話向けが伸び悩んだが、産機向けなどが好調でほぼ市場想定線で着地。通期予想の155億円、前期比78.0%増は据え置いた。サプライズ感に乏しくうえ、中国スマホ向けの今後の弱含みの可能性を示したことなども警戒された。ただ、株価は200日移動平均線を一時割り込んだ後は同線を支持線に下げ渋る展開に。

<7250> 太平洋工 1325 +79

急伸。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は33.6億円の黒字転換となり、前年同期比56.1億円の損益改善となっている。また、上半期計画は従来の40億円から65億円に、通期では95億円から125億円、前期比39.3%増に上方修正している。主要顧客の自動車業界の生産台数回復を受けて、プレス・樹脂製品、バルブ製品ともに大幅増収増益に。固定費削減活動の効果なども奏効しているようだ。

<6535> アイモバイル 1442 -200

急落で下落率トップ。本日は7月期末配当権利落ち日となっており、手仕舞い売りの動きが優勢になっている。記念配当70円を含めて期末100円配当を計画しており、前日終値をベースにすると、配当利回りは6%超の水準であった。また、ターゲティング広告の見直しが日本でも広がり始めたと報じられていることも、警戒材料視されているもようだ。

<7751> キヤノン 2501 -93.5

急落。前日に上半期決算を発表、営業利益は1478億円で前年同期比9.8倍と大幅増益、4-6月期は773億円で、1-3月期の706億円から一段と水準が高まった。ただ、先に通期予想の上方修正を発表し、株価が急伸していたことで、足元の好業績は織り込み済みと捉えられた。今後のインクジェットプリンタの反動減の懸念は拭えないほか、配当計画も据え置いていることで、当面の好材料出尽くし感が広がったようだ。

<7735> スクリーンHD 9840 +540

大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は87億円で前年同期比4.7倍、市場コンセンサス水準での着地となっている。一方、受注高は934億円となり、想定の850億円程度を大幅に上回っている。年内は高水準の推移が継続するとの見通しも示されている。つれて、通期営業利益予想は従来の375億円から445億円、前期比81.7%増にまで上方修正。コンセンサスの405億円程度を上回っている。

<2413> エムスリー 7110 -235

大幅続落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は247億円で前年同期比2.2倍の水準となった。製薬企業のDX化に向けた需要が引き続き旺盛な中、マーケティング支援売上の順調な拡大が続く形になった。海外事業も順調な成長が確認されたが、決算数値に大きなサプライズはなく、通期計画も引き続き未定としている。成長期待の反映でバリュエーションは高水準であることから、出尽くし感が先行する格好のようだ。

<6857> アドバンテス 9810 +670

大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は261億円で前年同期比94.1%増益、市場予想を15億円程度上振れている。また、受注高は1612億円となり、通期計画を3500億円から4000億円に引き上げ。つれて、通期営業利益計画は従来の850億円から1000億円、前期比41.4%増に上方修正、920億円程度の市場予想を上振れ。また、1000万株を上限とする自社株買いの実施発表もポジティブ視。

<6762> TDK 12850 -420

大幅続落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は308億円で前年同期比67.2%増益、大幅増益となったものの、市場コンセンサスの370億円程度は下回っている。中国などでのスマホの減速、原材料価格上昇の影響などで、エナジー応用製品が市場期待と比べて伸び悩む形に。収益柱となる同分野の減速をマイナス視する動きが優勢に。なお、通期計画1500億円、前期比34.5%増は据え置いている。

<4751> サイバー 2038 -162

大幅続落。前日に第3四半期決算を発表、4-6月期営業利益は446億円で前年同期比5.4倍、1-3月期259億円から一段と収益水準が拡大する状況になった。通期計画は従来の575-625億円のレンジから1000億円にまで上方修正。850億円程度の市場予想を大きく上回る。ただ、スマホゲーム「ウマ娘」大ヒットによる期待感は十分に高まっており、依存度の上昇リスクも高まる形と併せて、目先の出尽くし感台頭。

<7201> 日産自 627.9 +34.2

大幅続伸。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は757億円の黒字となり、一時的な特殊要因もあったとはいえ、500億円近い赤字がコンセンサスであった中、大幅に期待を上振れる決算となった。通期営業損益は収支均衡の計画から1500億円の黒字にまで上方修正、一昨日の三菱自動車の好決算発表を考慮しても、ポジティブなサプライズにつながっている。野村證券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ。

《ST》

提供:フィスコ

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