利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 34社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。東証1部銘柄を対象とする前回までのリストに続き、今回は時価総額50億円以上の東証2部と新興市場(マザーズ、ジャスダック)銘柄を対象に、21年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している34社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったミズホメディー <4595> [東証2]の21年4-6月期(第2四半期)経常利益は22.4億円と過去最高だった直前の1-3月期実績を2.6倍も上回り、3四半期連続で最高益を更新した。新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に、新型コロナ検出試薬の販売が急増したほか、出荷を再開した全自動遺伝子解析装置も伸びた。好調な業績を踏まえ、今期2度目となる21年12月期通期の同利益予想と配当計画の大幅上方修正に踏み切っている。
2位に入ったのは、非常勤医師の紹介サイトを運営するMRT <6034> [東証M]。4-6月期(第2四半期)は新型コロナウイルスワクチン接種に係る医療従事者の紹介件数が大幅に増加し、税引き前利益は4億円と12四半期ぶりに最高益更新を達成した。併せて、21年12月期の同利益を従来予想の2.1億円(予想レンジ中値)から4.3億円(同)に大幅上方修正し、2期連続で最高益を更新する見通しとなった。
続く3位にリスト入りしたフェローテックホールディングス <6890> [JQ]の4-6月期(第1四半期)は、半導体製造装置向けの真空部品や石英・セラミックスといった半導体製造で使用されるマテリアル製品の販売が伸びた。また、サーモモジュールが5G通信システム機器向けやPCR検査機など医療分野向けに好調だったほか、パワー半導体用基板の引き合いも強かった。さらに、円安進行で為替差損益が好転したことも利益を押し上げた。
「利益成長“青天井”銘柄」シリーズには、旺盛な半導体需要を追い風に業績を伸ばした企業が多く入った。今回の第4弾ではフェローテクのほか、半導体向け感光性材料大手の東洋合成工業 <4970> [JQ]が8位、半導体製造装置用制御機器の受託開発を主力とするアバールデータ <6918> [JQ]が30位にそれぞれリスト入りしている。また、半導体用ターゲット材や半導体製造装置に付属する温度計などの需要を取り込んだフルヤ金属 <7826> [JQ]が29位に入った。
半導体周辺企業とともに自動車関連のリスト入りも目立つ。9位のニッポン高度紙工業 <3891> [JQ]は車載向けや産業機器向けを中心にアルミ電解コンデンサー用セパレーターの販売好調が継続し、4-6月期(第1四半期)は3四半期連続の最高益更新を果たした。22位のSEMITEC <6626> [JQ]と28位の芝浦電子 <6957> [JQ]は自動車用センサーの販売が大きく伸びた。
また、32位にリストアップされた自動車部品メーカーのユニバンス <7254> [東証2]は北米市場の回復を背景に、四輪駆動装置や農機ユニットの販売が急増したほか、事業構造改善の効果も寄与し、4-6月期(第1四半期)の経常利益は11.2億円と実に54四半期ぶりに過去最高益を塗り替えた。併せて、22年3月期通期の同利益予想を14期ぶり最高益に上方修正したことも好感され、株価は3日に約14年8ヵ月ぶりの高値水準となる658円まで上値を伸ばしている。
続いて株価が強調展開にある内需関連株を見ていく。14位のWDBココ <7079> [東証M]は主力の医薬品安全性情報管理サービスを中心とする複数の新規案件や既存顧客からの追加受託案件などが寄与し、4-6月期(第1四半期)は売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好調な業績を背景に株価は青空圏を快走している。
15位のレントラックス <6045> [東証M]はインターネット広告市場が拡大するなか、成果報酬型広告サービスの案件獲得が進み、4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比3.4倍の2.2億円に膨らんだ。株価は21日に約2年10ヵ月ぶり高値920円をつけている。
16位にリスト入りした仮設ユニットハウス大手の三協フロンテア <9639> [JQ]は、ワクチン接種会場といったコロナ禍に対応する製品や東京五輪関連の案件などを取り込み、4-6月期(第1四半期)は2四半期連続の最高益更新を遂げた。積極的な株主還元姿勢なども評価され、株価は上場来高値圏で頑強な値動きをみせている。
●“青天井”シリーズ ─────
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<4595> ミズホメディ 155 2248 880 292 4751 1211 8.6
<6034> MRT 149 403 162 82.0 435 239 38.9
<6890> フェローテク 111 6508 3081 143 20000 8227 6.8
<2981> ランディクス 107 551 266 8.4 1050 969 10.3
<7039> ブリッジ 97.6 249 126 22.2 539 441 25.1
<2342> トランスG 73.1 938 542 79.6 1600 891 11.5
<4482> ウィルズ 67.6 228 136 12.2 450 401 70.4
<4970> 東洋合成 64.6 1475 896 14.0 3400 2982 56.4
<3891> 高度紙 48.9 1331 894 32.3 3700 2796 14.0
<5729> 日精鉱 48.5 686 462 28.3 1760 1372 7.6
<4480> メドレー 45.9 969 664 1.9 430 422 544
<7326> SBIIG 33.0 2468 1855 14.2 4400 3852 38.4
<7228> デイトナ 25.8 560 445 23.8 1484 1199 8.3
<7079> WDBココ 24.8 191 153 10.1 580 527 29.1
<6045> レントラクス 19.9 229 191 9.2 608 557 23.2
<9639> 三協フロンテ 18.6 2764 2331 13.3 9000 7946 10.0
<2454> オルアバウト 18.1 353 299 9.1 1000 917 18.3
<5922> 那須鉄 16.2 724 623 4.4 2100 2012 9.4
<5955> ヤマシナ 13.9 263 231 37.4 750 546 21.6
<1739> SEEDH 13.2 702 620 3.9 1980 1905 3.9
<9059> カンダ 13.1 785 694 1.0 2500 2475 8.1
<6626> SEMTEC 13.1 951 841 9.4 3010 2751 15.2
<3482> ロードスター 12.3 2364 2106 19.9 4997 4168 5.2
<9029> ヒガシ21 11.7 516 462 1.0 1300 1287 12.0
<4800> オリコン 10.0 351 319 4.2 1210 1161 15.8
<7685> バイセル 9.2 688 630 139 2200 922 51.7
<3798> ULSグルプ 7.5 489 455 12.8 1600 1419 29.8
<6957> 芝浦電子 6.8 1430 1339 28.1 4050 3162 18.9
<7826> フルヤ金属 3.4 4418 4271 9.9 11600 10557 8.5
<6918> アバール 3.4 519 502 4.4 1915 1835 15.0
<6067> インパクト 3.0 341 331 258 1450 405 30.7
<7254> ユニバンス 2.5 1128 1101 5.1 2900 2758 5.1
<4391> ロジザード 1.1 89 88 22.5 403 329 23.6
<5644> メタルアート 0.8 916 909 24.1 2730 2200 3.8
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース