【杉村富生の短期相場観測】 ─サプライチェーンの混乱は解消に向かう!
「サプライチェーンの混乱は解消に向かう!」
●トヨタ、ホンダが12月には増産に転じる!
半導体の調達難、コンテナ不足などのサプライチェーンの混乱は急速に解決に向かっている。トヨタ自動車 <7203> は12月以降、「挽回作戦」と称し、増産に転じる。ホンダ <7267> は12月中旬には通常生産に戻る。これは供給網の寸断が修復されたことを意味する。両グループの部品、部材メーカーには大きなメリットを与えるだろう。
コンテナ運賃指数は急低下を示している。4-6月は前年同期比68.2%上昇、7-9月は同72.3%上昇だったが、10-12月は同28.6%上昇に落ち着く見通しだ。来年1-3月は8.3%上昇にとどまるだろう。アメリカ東海岸、西海岸のコンテナ滞留は解消されつつある。
日本の7-9月期のGDP成長率(前期比・年率)はマイナス3.0%と大きく落ち込んだ。これは緊急事態宣言(コロナ禍)、自動車の減産によるところが大きかった。これが解消される。10-12月期のGDP成長率は劇的に改善する。55.7兆円の総合景気対策と相まって、株価の支援材料となろう。
なお、日経平均株価には「3万円のカベ」が存在する。おそらく、オプション、先物の参加者が3万円突破、一段高を嫌っているのだろう。しかし、年末年始相場ではこの水準をクリアできる、と考えている。上値のメドは3万4500円絡みのレベルを想定している。
●外国人が小物を猛攻!浮動株を吸収!
需給面では国内機関投資家、富裕層の資金が国内回帰の動きを強めているほか、デジタルハーツホールディングス <3676> 、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]、メック <4971> などのように、外国人が猛攻をみせる銘柄が出現している。浮動玉を吸い上げ、急騰させる“手口”である。
サーキュレーション <7379> [東証M]、ヒラノテクシード <6245> [東証2]、ギークス <7060> 、シンプレクス・ホールディングス <4373>なども似たような展開になっている。いわゆる、「買ったら売らない」戦術を採用、値幅取りを狙う。アップル<AAPL>、テスラ<TSLA>なども同じ“手口”ではないか。
テーマ的には 半導体、リチウムイオン電池、5G(次世代通信網)、EV(電気自動車)、ITコンサル、メタバース(バーチャル空間)などがメインだ。もちろん、リオープニング関連のZOA <3375> [JQ]、明治海運 <9115> 、HANATOUR JAPAN <6561> [東証M]などはロングランに狙える。
ヤマシンフィルタ <6240> は油圧ショベル用フィルターの世界シェアトップを誇る。主要顧客はコマツ <6301> 、日立建機 <6305> 、竹内製作所 <6432> 、キャタピラー<CAT>など。建設機械業界は絶好調だ。それなのに、ヤマシンフィルタはさえない。それは供給網の寸断によるダメージが大きかったため、という。
2021年11月19日 記
株探ニュース