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米国株
2021年11月30日 17時00分
市況

明日の株式相場に向けて=新章突入のEVバトル、乱高下相場に光明

きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比462円安の2万7821円と大幅に3日続落。まさに急転直下、午後2時を境にそれまでの自律反発ムードは一気に消し飛んだ。新型コロナの新たなる変異ウイルスとして世界の耳目を集めているオミクロン株だが、感染スピードや毒性が確認される以前に世界の株式市場が慌てふためいている構図だ。きょうは米製薬大手モデルナのCEOが既存のワクチンはオミクロン株に対する効果が薄いと発言したことが急落の引き金を引いた。しかし、これは果たして“寝耳に水”であろうか。皆が何となく、こうしたコメントが出てくる流れは意識していたはずである。

とはいえ、AIアルゴリズムによる先物を絡めた売り仕掛けに、分かってはいても逆らえない。安易な相場観で立ち向かっても大波に呑まれる。ここは静観して個別銘柄の値動きを冷静に追っておく場面といえる。「凪の時に一番よく学べることと、嵐の時に一番よく学べることがある」とは女流作家アン・ラモットの至言。投資行動においては蛮勇を避けるべき局面だが、思考までフリーズしてしまってはならない。

個別株は 半導体関連が前日に続き頑強な値動きで、前場は全体指数の牽引役を務めたが、後場は相場が一気にリスクオフに傾くなかで総じてマイナス圏に引きずり込まれた。そのなか、レーザーテック<6920>はいつの間にか売買代金トップの常連となった感もある。しかし、3万円台に乗せると売り板が厚く、今のところ一気に戻り足を加速させるような気配はない。しばらくは、強弱観対立のなか5日移動平均線絡みの動きが続くとみておくのが妥当なところか。半導体製造装置では相対的に出遅れるアドバンテスト<6857>やディスコ<6146>の動きに軽さが感じられる。

このほか、半導体セクターでも中小型株は強さを発揮している銘柄が少なくない。山一電機<6941>やTOWA<6315>は押し目買い対象として妙味がありそうだ。また、パワー半導体関連 ではタカトリ<6338>の切り返しに期待したい。同じくパワー半導体関連でMipox<5381>も売り物がこなれた魅力的なチャートを形成している。ひと足先に戻り高値を更新したトレックス・セミコンダクター<6616>と合わせて目を配っておきたい。

もう一つ、今の相場で注目しておきたい潮流。それは電気自動車(EV)関連で、原動力を担う2次電池材料に絡む銘柄に太い資金が流れ込んでいる。とりわけ田中化学研究所<4080>の強さが異彩を放つ。 リチウムイオン電池の正極材料を製造しており、世界的なEVシフトの動きが強力なフォローウインドとなる。一部伝えられるところでは、2021~25年までの5年間で大手自動車メーカーのEV投資額は世界ベースでおよそ40兆円に達する見込みという。国内ではEVの草分けと言えるのが「リーフ」で先行する日産自動車<7201>だが、前日に発表した長期ビジョンで、今後5年間でEVなどの電動車開発に2兆円の経営資源を投下することを明らかにした。また、28年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVを量産する方針も打ち出している。ハイブリッド車(HV)で群を抜くトヨタ自動車<7203>の電動化戦略がクローズアップされがちだが、日産自もEVのパイオニアとしての意地をみせ、先を競う構図となってきた。いずれにせよ、EVに使われる2次電池はコスト面でもEV全体の40%を占めるほどの基幹部品であり、当然ながらその関連企業は大きなビジネスチャンスに遭遇していることになる。

リチウムイオン電池の価格は下落基調が続いていたのだが、来年以降上昇に転じる公算が大きいという見方が強まっている。そうしたなか、米EV大手テスラ<TSLA>のイーロン・マスクCEOが、自社の標準的モデルをすべて鉄系の正極に移行する方針を示し、中国のリチウム大手とリチウム製品供給で契約を締結した。「長期契約で電池コストを確定させ値上がりに備える動き」(市場関係者)であり、リチウムイオン電池向け正極材料に特化した専業メーカーである田中化研に怒涛の勢いで新規資金が流れ込んだのもこうした背景があった。目先は日本電解<5759>や戸田工業<4100>などにも物色人気が波及している。

あすのスケジュールでは、7~9月期法人企業統計、11月の新車・軽自動車販売台数など。また、海外では7~9月期豪GDP、11月の財新中国製造業PMI、11月のADP全米雇用リポート、11月の米ISM製造業景況指数、ベージュブックなど。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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