【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─難局でこそ、強さ際立つ銘柄群に注目!

市況
2021年12月19日 9時30分

●利上げで株式市場は下げ続けるとは限らない

内外市場が警戒していた米FOMC(連邦公開市場委員会)は終わったものの、米国市場の反応は芳しくない。東京市場は翌日の16日こそ歓迎高を演じたものの、この原稿を書いている時点では急反落中だ。こんな動きからは、日米ともにFOMCの決定を歓迎していないのではないか、こう見えるかもしれない。

しかし、実際はそうではないと見てよい。確かにテーパリング(量的緩和の段階的縮小)の加速と利上げの前倒し実施の予告は、投資する観点からは好ましくない。

投資にとって「利上げ」は最悪ともいえるほどのネガティブな要因ではある。しかし、だからと言って株式市場が下げ続けてしまうとは限らない。むしろ、上がることの方が多い。経済の成長が利上げの重荷を上回る、こうなるのが普通だからであり、今回もそうなることが見込める状況だ。

そこで今後、米国の金利はどうなるか。これを一応頭に入れておきたい。

まだ2022年も訪れていないのに、さらにその先について書くのは少々気が引けるが、米国の金利動向が東京市場に大きく影響する以上、必要なことではあるので、まずここで過去の金利動向を見ておこう。

米国の金利(政策金利)は過去のデータでは2008年から2015年までは0.25%の低金利が続き、2016年から2019年にかけて2.5%まで引き上げられた。その後、2019年から2020年にかけて1.75%まで低下し、コロナショックをきっかけに現在の0.25%まで引き下げられた。

今後は上昇する確率が高いのだから、数年後には2.5%を上回り、さらにはリーマンショック前の5%台となる可能性もないではない。しかし、いまはまだ0.25%であり、1%どころか0.5%にも届かないのだから、ここは「近い将来(恐らく22年中に)1%に達するだろう」ぐらいに考えておきたい。

そして大事なのは、1%に達する間も、株式市場は時々反落しながらも上昇を続ける。こんな観測をベースに、投資を続けて行けば成果が上がりやすくなる。

●米利上げ観測への抵抗力を物色ポイントに

さて、こんな状況下、具体的にはどんな銘柄に投資すべきか。まずは村田製作所 <6981> だ。この銘柄は9月14日に1万0535円の高値をつけたあと下落に転じ、12月2日には8251円の安値をつけた。しかし、その後は回復に転じ、いまのところ米国の金融政策の変更観測の影響はほとんど受けていない。これは異例の強さと見てよく、頼れる銘柄の1つといえる。

今回の市場攪乱の要因となった米利上げ観測への抵抗力の強かった銘柄は他にもある。産業用ガス保安器やガス検知警報機器に強い理研計器 <7734> もそんな銘柄の1つである。半導体リチウムイオン電池製造工場向けの需要増が続いている点に注目だ。

インフロニア・ホールディングス <5076> (前田建設工業、前田道路、前田製作所を傘下に持つ共同持ち株会社)も、前田建設の豊富な受注残6659億円(21年9月末時点)を考えると、売上への影響は今後出てくると見てよく、株価も期待が持てる。

意外な銘柄もこの難局で意外な強さを発揮している。燦ホールディングス <9628> だ。葬儀専門会社の公益社を中核にタルイ、葬仙などを傘下に擁する持ち株会社で、コロナ禍で縮小が続いていた葬祭ビジネスは正常化する方向にある。株価もスローペースながら続伸が見込める。

メイコー <6787> も米金利上昇観測に対する抵抗力の強い銘柄になる。プリント配線板製造に強く、特に自動車向けの需要拡大が見込めるため、株価は高値圏ながら押し目を見逃さないようにしたい。

最後に循環器治療用のPTCAガイドワイヤに強い朝日インテック <7747> を。ただし医療関連銘柄になるため、値動きはスローになる。

2021年12月17日 記

株探ニュース

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