今週の【早わかり株式市況】5週ぶり大幅反発、米金融政策転換への警戒売り一巡で買い戻し優勢
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週ぶりに大幅反発、リスクオフの巻き戻しで急速な戻り足に
2.FRBの金融政策転換を警戒した米株安の影響一巡し買い戻し優勢
3.半導体などグロース銘柄への売買が全体相場の方向性に大きく影響
4.個別株は本格化する決算発表の動向に左右され、明暗を分ける展開
5.週末は欧米株安を受け不安定な動きも、買い戻しで後場上昇基調に
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比722円(2.70%)高の2万7439円と5週ぶりに上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)の金融政策転換を警戒した米株安に追随して、これまで急激に売り込まれた反動が出た週となった。主力株中心に買い戻しが活発化し日経平均は大幅な上昇に転じた。ただ、2万7500円近辺では戻り売り圧力も意識され上値も重くなった。個別株は決算発表を受け明暗を分ける銘柄が多い。
31日(月)は幅広く買い優勢の展開となり、日経平均は続伸。前週末の米株高などが好感された。米国ではナスダック総合株価指数の上昇が顕著で、これを受け東京市場でも半導体関連などが買われ全体を牽引した。1日(火)も堅調な動きで3日続伸。ただ、上値では戻り待ちの売りが出て引けにかけ急速に上げ幅を縮小した。2日(水)は前日の米株高を好感してリスクを取る動きが一気に強まった。ハイテクセクターのグロース株への買い戻しが顕著となり全体相場を押し上げ、日経平均の上げ幅は終値ベースで450円あまりに達した。3日(木)はさすがに買い疲れ感が出た形で反落。値がさの半導体主力株や大手ゲーム株が安く、市場のセンチメントを悪化させた。そして週末4日(金)は、前日の欧米株安を受けて前場は不安定な展開で前日終値を挟み上下に荒い値動きとなり、一時は2万7000円台近辺まで値を下げた。英中銀やECBのタカ派姿勢が警戒されている。しかし、後場は空売り筋のショートカバーが利いて結局日経平均は反発して引けた。
■来週のポイント
来週は今週に戻り売り圧力が意識された2万7500円を巡る攻防となりそうだ。ただ、このラインを上抜けしてくれば2万8000円大台乗せも期待できるだろう。
重要イベントとしては、国内では7日発表の12月景気動向指数が注目される。10日はオプションSQを迎える。海外では8日に発表される米国12月貿易収支や10日発表の米国1月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月31日~2月4日)
【↑】 1月31日(月)―― 続伸、米株高を受け2万7000円台を回復
日経平均 27001.98( +284.64) 売買高13億1461万株 売買代金 3兆2130億円
【↑】 2月 1日(火)―― 3日続伸、朝高も買い一巡後は急速に伸び悩む
日経平均 27078.48( +76.50) 売買高13億7398万株 売買代金 3兆4082億円
【↑】 2月 2日(水)―― 4日続伸、米株高を受けリスクオフの巻き戻しが継続
日経平均 27533.60( +455.12) 売買高13億7456万株 売買代金 3兆3243億円
【↓】 2月 3日(木)―― 5日ぶり反落、米株先物が軟調でハイテク株中心に売り優勢
日経平均 27241.31( -292.29) 売買高12億9279万株 売買代金 3兆3546億円
【↑】 2月 4日(金)―― 反発、米株急落を織り込み後場上昇基調を強める
日経平均 27439.99( +198.68) 売買高13億5765万株 売買代金 3兆3078億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、30業種が上昇
(2)上方修正が相次いだ郵船 <9101> など海運が値上がり率トップ
(3)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運が大幅高
(4)ニコン <7731> など精密機器、TDK <6762> など電機、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株が買い戻された
(5)リクルート <6098> などサービス、NTT <9432> など情報・通信、住友倉 <9303> など倉庫・運輸といった内需株も高い
(6)SBI <8473> など証券、オリックス <8591> などその他金融、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も堅調
(7)東レ <3402> など繊維製品が値下がり率トップ
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) メタバース
2(3) 半導体
3(7) PCR検査
4(4) 電気自動車(EV)
5(2) 国土強靱化
※カッコは前週の順位
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