「パワー半導体」が15位にランク、各企業が相次いで事業強化に乗り出す<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が15位となっている。
電力を供給、制御する役目を果たすパワー半導体は、あらゆる電気機器の省エネルギー化やカーボンニュートラル実現に不可欠なデバイスで、自動車の電動化や産業機器の自動化などを背景に、今後も継続的な需要拡大が見込まれている。
こうしたことから各企業が相次いで事業強化に乗り出しており、東芝<6502>グループの東芝デバイス&ストレージは今月4日、加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)構内にパワー半導体生産のための300ミリウエハー対応製造棟を新たに建設すると発表した。市場動向を見極めながら最適な生産スペースを確保するという観点から2期に分けるとしており、第1期は2023年春に着工する予定。24年度内の稼働開始を目指し、第1期分フル稼働時には生産能力を21年度比で2.5倍に増強する計画だ。
また、富士電機<6504>は1月27日、パワー半導体の生産拠点のひとつである富士電機津軽セミコンダクタ(青森県五所川原市)で、SiC(シリコン・カーバイド)パワー半導体の増産に向けた設備投資を実施し、24年度に量産を開始する予定だと発表した。同社は23年度を最終年度とした5カ年中期経営計画でパワー半導体に1200億円を投資するとしていたが、今回の投資により設備投資額は1900億円まで拡大する見込みだという。
三洋化成工業<4471>は1月27日、京都大学発の半導体ベンチャーであるFLOSFIA(京都市西京区)に資本参画したことを明らかにした。この出資はFLOSFIAが目指す「半導体エコロジー」を実現するための戦略的パートナーシップの構築とパワー半導体事業の長期成長に向けた基盤づくりを目的としており、パワー半導体の量産プロセスの確立やパワーモジュールの社会実装を支援するとしている。
このほか、ローム<6963>はパワー半導体の駆動に使う大規模集積回路(LSI)の増産を目的にマレーシア工場の新棟建設に乗り出しているほか、三菱電機<6503>は25年度までの今後5年間でパワー半導体事業に約1300億円(16~20年度は約1000億円)を投資するとしている。